【※R-18】異世界のゲートをくぐり抜けたら、イケメン達に取り合いされる最強のチートキャラ人生が待っていた。

はじまり

メルヘンの森。
そこは誰もが幸せな時間を過ごすことが出来る、夢のようなテーマパーク。

デートで訪れたはずが、一人さみしく過ごすことになるなんて、思ってもみなかった。

メルヘンの森で暮らす可愛い動物たちが、楽しそうに手を振りながら遠ざかっていくのが見える。
誰もが幸せになれるはずのこの場所で、穂花ほのかは３年付き合った彼氏に振られ、置き去りにされた事実を受け入れられず、呆然と立ち尽くしていた。


パークのシンボル、西洋風の大きなお城がライトアップされている。
お城の周りを取り囲む、青い湖を放心状態で覗き込んだ。
今はまだ、何も考えられそうにない。


どれくらいそうしていただろう。
ぼんやりと湖を眺めているうちに、いつの間にかあたりは闇に満ちていた。


ゴーン・・・・・ゴォーン・・・

夢の国とは思えない、不穏ふおんな鐘の響きにビクリと身体が震える。
見ると、お城のゲートが白く強烈な光を放ち、暗闇にぽっかりと浮かび上がっていた。



光に導かれるように、足が進む。

（誰・・・・？）

近寄ると、白い光に照らされた二人の男性が目に入った。


警戒するように何度も振り返り、あたりを見回す長身の男性。
黒いロングウェーブヘアのその男は、マントのような形状の服を纏い、肩には立派な毛皮を巻いている。

パークのキャストだろうか？
テーマパークのキャストたちは様々な衣装で舞台に登場し、動物のキャラクターたちと共に、この世界に素敵な魔法をかけてくれる。

見ると、もう一人の男性も同じように豪華な衣装を纏っていた。


（え・・2人ともものすごい・・・イケメン・・・・・なんですけど・・！？）

振り返った彼の顔が、こちらを向く。
長い黒髪を靡なびかせ、周囲を警戒しているその男は、遠目でもわかるほど顔立ちが整っていた。
長身でスタイルが良い、強面のイケメン。

（ルックス最強キャスト・・・？！すごいカッコイイ・・・！！！）


穂花は、ついさっき振られた事実も吹き飛ぶようなイケメンの登場に、目を輝かせる。
彼らは吸い込まれるように、白い光の中へ消えていった。


慌ててゲートの真ん前まで走って近寄ると、白い光は少しずつ弱くなっている。


（待って・・・！！イケメンキャストさんの、名前だけでも聞きたい・・・・！！）

ロングヘアのイケメンを追いかけて、光の中へ足を踏み入れる。
ドライアイスのような白いモヤが、穂花の身体をひんやりと包み込んだ。