【※R-18】異世界のゲートをくぐり抜けたら、イケメン達に取り合いされる最強のチートキャラ人生が待っていた。

aika

文字の大きさ
3 / 23

萌え耳の美少年

しおりを挟む

目覚めると、そこはメルヘンの森だった。
鳥たちのさえずり。青々とした木々の隙間から、穏やかな木漏れ日が降り注ぐ。

「良かった!目が覚めたんですね!」

木漏れ日を背に、眩しい笑顔の美少年が、にっこりと私を覗き込んでいる。


「ここは・・・一体・・・?」

クリクリとした大きな瞳を輝かせながら、赤髪の美少年はこちらへ身を乗り出した。


「ここは僕たちが暮らしている、メルヘンの森です。」

「メルヘンの森・・・・」

「僕の名前は、レオです!はじめまして!」

出会いが心底嬉しい!という、惜しみない笑顔。


「私は・・・穂花・・・」

よく見ると、少年は猫のような動物の耳を、頭につけている。
背後では、ふわふわの尻尾も揺れていた。


(美少年の猫耳・・・萌える~~~・・・・・・!!!)

無邪気に天使のような笑みを向けている少年相手に、萌え死にそうになりながら、私は彼の耳に触れてみた。

「これって猫耳カチューシャ?本物みたいで、可愛いね。」

一歩間違えればただの変態ショタ女だ。
触れた瞬間、彼の身体がびくりと大きく震える。

「んぁ・・っ!!僕、耳は・・・弱いんです・・っ、それにこれは・・本物の耳ですよ・・っ」

美少年が恥じらうように頬を染めたのを見て、私は一瞬パニックに陥った。

レオと名乗った少年が、あまりに可愛ったからだけではない。
彼の耳が、本物の動物の耳のようなリアルな感触で、温かかったからだ。

「それに、僕は猫じゃなくて、犬です・・っ。」

恥じらうような表情が、たまらなく可愛い。
赤い顔、上目遣い、潤んだ瞳・・・。
ショタ心を煽られまくりながら、私は怠けきっている思考回路を巡らせた。


「レオって・・・テーマパークのワンコ・・・レオ君・・・?!」

「僕のこと、知ってるんですか・・?」

「私、お城のゲートをくぐって、気づいたらここに居たの。」


「やっぱり・・・!あなたは・・・僕たちのお姫様なんですね・・!」
パッと大きく目を見開いた彼は、興奮しながらそう言った。


「え・・・・?お姫様・・・?!」

「僕たちの運命のお姫様です!あなたを・・・ずっと待っていました・・・!!」

全くわけがわからないけれど、犬耳の美少年に「お姫様」扱いされるのは、悪い気がしない。
長年付き合っていた彼氏に振られ、自分は無価値な女なのだと絶望していたはずの私が・・・実はお姫様?!

(これこれ・・!私は、こういう瞬間を待ってたの・・・・!!)

いつか王子様が。いつかきっと私の魅力をわかってくれる、一途な王子が現れるはず。
運命の恋人が目の前に現れて、「あなたは唯一無二の特別な存在・・・〇〇王国の姫なのです・・!」的な展開になるに違いない。

男に振られるたびに、そんな痛々しい妄想を繰り広げていた。
どうやら、実現する時が来たらしい。

「僕たちのお家に、案内しますね!」

こうして私は、夢の国のメインキャラクターたちが暮らす、メルヘンの森で暮らすことになった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

残念女子高生、実は伝説の白猫族でした。

具なっしー
恋愛
高校2年生!葉山空が一妻多夫制の男女比が20:1の世界に召喚される話。そしてなんやかんやあって自分が伝説の存在だったことが判明して…て!そんなことしるかぁ!残念女子高生がイケメンに甘やかされながらマイペースにだらだら生きてついでに世界を救っちゃう話。シリアス嫌いです。 ※表紙はAI画像です

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

処理中です...