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♡『心変わり』(SIDE 半咲 蒼伊)

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~~~~登場人物~~~~


♡半咲 蒼伊 (はんざき あおい) 32歳

桜浜総合病院に勤務する心臓外科医。
童顔で、小柄。学生にしか見えない容姿。黒髪。
独特の世界観を持ち、協調性に欠ける。ゲームが大好きで、休憩中はいつもゲームをやっている。
手術中は、恐ろしささえ感じるほど近寄りがたいオーラを出す。天性の心臓外科医。


♡目 晴美(さがん はるみ) 45歳

半咲蒼伊の恋人。藍迦の父親。
若いうちに妻に先立たれ、男手ひとつで藍迦を育てた。
予約が取れないほど人気の歯医者を経営しているイケメン歯科医。
茶髪、長身、爽やかな白い歯。穏やかな大人の男。


♡目 藍迦(さがん あいか)27歳

半咲蒼伊の恋人。晴美の息子。
四六時中ゲームをやっているゲームプログラマー。
ラテン系を思わせるような、セクシーな男性。
ウェッティな黒艶髪。肩までのロン毛、スパイラルパーマ。
20代とは思えない余裕あるイケメン。


♡桜浜 小津(さくらはま おつ) 

桜浜総合病院の心臓外科医。院長の次男。
黒髪、少し長めのウェーブヘア。
パワー系で男らしく、筋トレが趣味のワイルド系。
筋肉を鍛えすぎて腕が太く、手術着は特注。
兄貴にしか興味がない相当なブラコン。
同じ心臓外科医の後輩、半咲蒼伊には一目置いており、可愛がっている。


~~~~~~~~~~~


♡『心変わり』(SIDE 半咲 蒼伊)


最近、小津先生の様子が変だ。

いつもうるさいほどに香先生、香先生言っていたのに、それが無い。
うるさいなぁと嫌気がさしていたけれど、いざ無くなるとそれはそれで寂しかったりするから、人間って不思議だ。

自分から聞くのもなぁ、と戸惑っていたら、
ソファーを陣取ってゲームしていた僕の横に、小津先生が腰を下ろした。

「蒼伊・・・俺、恋人が出来た。」

彼の言葉に驚いた僕は、持っていたゲーム機を落としそうになる。

「え・・?恋人ってまさか、香先生?!」

「違う。病理検査室の、」

「病理検査室の恋人?」

驚いて食い気味で聞き返す。
僕は今度こそゲーム機を床に落としてしまった。


あれほど香先生に夢中だった小津さんが、病理検査室の椎名さんと恋人同士になるなんて。
僕は少し裏切られたような気持ちになっている自分に驚いた。

小津さんの話を聞く限りでは、彼は椎名さんにゾッコンで、とても幸せそうに見えた。
先輩の幸せを喜ばないわけではないけれど、香先生への一途な気持ちを一番聞かされていたのは僕だから、どうにも複雑な気持ちになる。

ーーー心変わり。
そう呟いてみて、嫌な言葉だとしみじみ思った。

小津先生のことじゃない。
僕にも「心変わり」に関する悩みがあったから。

恋人の藍迦のことだ。
先週、彼が会議だからと言って出かけた日に、背の高い男と一緒に歩いているのを見かけてしまった。
彼にだって同僚くらいいるだろう。そう思って通り過ぎようとしたら、二人はとても親密そうに顔を寄せ合ってお互いの額にキスをした。


相手の男が、日本人でないことは遠目からでもわかった。
キスなんて、しかも額だし?挨拶の一種だろう。
そんな風に無理矢理自分に言い聞かせてみたけれど、心の中で不安の種が芽を出して、日に日にどんどん成長していった。

藍迦の言葉一つ一つに、何か裏があるんじゃないかなんて勘繰ってしまう。

「藍迦、明日って空いてる?」

珍しく僕の方から誘いを入れる。
こんな風に疑って相手を探るなんて、出来ればしたくなかった。
それでも、素直に相手に問い質すということが出来る性格でもない。

「明日??あ~・・・ごめん。明日同僚とランチの約束してて。」

藍迦が土曜の昼に同僚とランチ?
ないないない。僕は内心大げさに頭を横に振った。
週末の夜はゲームで完徹、土曜に彼が起きてくるのは夕方に近い時間帯だ。

恋をしたことがある人なら、ほとんどは経験するだろう。
相手や自分が心変わりをしてしまうこと。

人間は変わっていく生き物だから、当たり前と言えば当たり前なんだけれど、
その度にどうして、と傷ついてしまう弱い自分が大嫌いだ。

どんなに好きなゲームだってそのうち飽きて違うものを手に取るし、
仕事だってどんどん技術が進歩して新しいことに挑戦していく。
ずっと変わらずに同じものなんて、この世には一つもないのに、それが受け入れられない自分は子どもじみていて、惨めだった。


香先生のことが大好きでたまらない小津先生を見るとどこか安心する自分がいた。
相手にされなくても、報われなくても、一向に構わない。
そんな凛とした態度で一途にたった一人を思い続けることができる強さ。


晴美さんも最近は仕事が忙しくて、土日も家に居ないことが多い。
ひとりぼっちの自分を感じたくないから、家に一人でいるよりマシだと外へ出る。

僕の心の隙間を埋めることができるのは、他人じゃない。
他の誰でもなく、僕自身なのに。

僕は自分の心の埋め方がわからないまま、大人になってしまった。


「あれ~ぇ?蒼伊じゃん。めっずらし~。何してんの?」

いつも最悪なタイミングで現れる人物に、まさに史上最悪な状況で出会した。
嘘みたいだ、と、自分の運の悪さを嘲笑する。

久々に来たスポーツジム。
ホテルの中にあるジムは、静かで人も少ない・・・はずが、
目の前には世界一うるさいド派手な男。ど金髪にサングラス。

「いつも会いたくない時に限って現れるな。お前。」

「え?未だに俺に会いたい時があるってこと?」

ニッコリと胡散臭い笑顔を浮かべて、馴れ馴れしく肩を組んでくる。
何を言ってもめげないこの男は、僕の元恋人だった。
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