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『そのままで良い』

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まゆ、カフェに入って少し休憩するか?」

大和やまと耀亮ようすけと共にスポーツイベントにやってきた私は、見学していただけだというのにぐったり疲れてしまった。

長身でガタイが良くどこにいても目立つ、二人の夫。
すれ違う男性たちが振り返って二度見するような、理想的な肉体美。

(大和さんも耀亮君もかっこ良すぎ・・・♡ほんと良い身体してるなぁ・・♡)

迷っていたスポーツウェアを買いに戻った耀亮を見送って、大和と先に二人で店内に入る。


「カフェラテにしようかな、大和さんはコーヒーブラックですよね。」

「繭の好きそうなケーキがあったぞ、食べたらどうだ?」

メニューを開いて提示する彼に、ブンブンと首を横に振る。

「やめておきます・・・!」

先日、陸都りくとに撮ってもらった写真を見て、自分のプヨプヨ加減に思わず絶句した。
比べる女性が居ないにせよブクブクと太り続けては、夫たちの気持ちが離れてしまわないかと急に不安になったのだ。

「イチゴタルトもあるぞ。お前好きだったよな。」

「大和さん・・!私、ダイエットしてるからこれ以上誘惑しないでください・・・!」

「ダイエット?」

「お腹とか二の腕・・プヨプヨしてて流石にまずいかなぁって・・・」

「どこがだ?女は柔らかい方が良いだろ。」

向かい側の席に座る大和が、手を伸ばして私の二の腕に触れる。

「ちょ・・揉むのやめてください・・・!」

人が気にしてるのに・・・と抗議すると、今度はほっぺの肉をつまんだ。

「もう・・大和さん・・・っ?!」

「もう少し太っても良いくらいだと、俺は思うけどな。」

私のほっぺをつまみながらふっと笑った大和の顔があまりに優しくて、それが本心なのだとわかる。

「お前はそのままで十分可愛い。変わる必要なんて全然ないよ。」

(え・・・・大和さんってこんな甘い言葉をくれる人だっけ・・・・?!こんな甘々な大和さん・・・初めて見た気がする・・・・♡)

突然、イケメンの強みを発揮するのはやめてほしい。
眩いばかりのイケメンオーラに、直視できず目を伏せた。

「そんなに気になるなら・・・今夜じっくり見て、俺が確かめてやるよ。」

(な・・っ・・・・!甘々な上に・・・エロ・・・っ・・・・!?)

甘ったるい笑みを浮かべる彼に、返す言葉が出てこない。
パクパクと口を開閉していると、大和が私の頬からパッと手を離した。

彼の視線の先には、戻ってきた耀亮が立っている。

「耀亮、買えたか?」

「買えたっす。」

隣に座った耀亮が、チラリと横目で私を見た。

(み、見られたかな・・・・・?)

ドキドキがおさまらず、顔も赤い。
珍しく甘々な態度で迫る大和のギャップに、私は翻弄されっぱなしだった。

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