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『新たな脅威』
しおりを挟む最近、地震が頻発している。
地下の巨大なシェルターで暮らす私たちは、地上で何が起きているのか知ることが出来ない。
パニックを防ぐためなのか何も発表しない政府の方針に、不満を持つ人たちが増えている。
夜中の地震。
久々に1人自分の部屋で寝ていると、ガタガタと大きな音で目を覚ました。
大きな揺れが長く続いたので不安になって起き上がると、桜雅が心配して様子を見にきてくれる。
「繭ちゃん、大丈夫か?」
「桜雅君、今の地震大きかったね。子どもたちは大丈夫かな、」
「雫さんと耀亮が、見に行ってる。」
「慶斗さんたち帰ってきたのかな、」
「まだ帰ってねえわ。慶斗さんから律さんに電話きて、今下で話してる。」
研究所で働く夫たちの帰りが遅くなっているので、何かあったのかと不安が募る。
数年前、謎の大爆発が起こり、私たちの暮らしは一変した。
あの日の光景がまざまざと蘇ってきて、体が震える。
いつまた何が起こるかわからないのだという事実を、すっかり忘れて生活していた自分に驚く。
夫たちと子どもたちに囲まれて幸せに暮らすこの日々は、決して当たり前のものではないのだ。
♢♢♢
夫たちは皆、リビングに集まっていた。
「譲さん、大丈夫ですか?」
妊娠中の夫、譲はお腹が大きい。
ソファーに座っている姿を見て、ひとまずホッとする。
「大丈夫です。大和さんがリビングまで連れてきてくれました。」
「愛ちゃんは、大丈夫?」
「煌大と話してたら急に揺れてびっくりしたけど、全然問題ないよ。繭こそ今夜1人だったでしょ。怪我してない?」
「私は全然大丈夫・・子どもたちは?」
子どもたちの姿が見えない。
不安になって周りを見渡すと、楓と耀亮、雫がリビングに入ってきた。
「みんな無事です!繭さんも無事で良かった。」
全員の無事を確認してホッとする。
家族が大勢いるのは心強い。
「慶斗さんからさっき連絡があったんだが、今夜は彗さんと綾人さんも一緒に研究所に泊まって、明日朝一番で帰ってくるらしい。俺が車で迎えに行くよ。」
「研究所に泊まるなんて・・綾人さん体調大丈夫かな、」
「慶斗さんが一緒だから、大丈夫だよ。」
心配するな、と律に抱き寄せられて、その体温に安心する。
「繭、震えてない?大丈夫?」
愛が私の手をとって、冷たい!と声を上げた。
「桜雅、今夜は繭と一緒に寝てあげて。」
しっかりしなきゃと思えば思うほど、不安の波が押し寄せてくる。
大切なものが増えた分、失う不安は大きくなるのだろう。
この幸せな日々は絶対失いたくない。
何があっても家族は私が守ってみせる。
心の中でそう強く決意した。
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