204 / 217
『初恋の彼』
しおりを挟む学生時代のエイジを思い出すと、いつも胸が淡い恋心に満たされる。
誰にでも平等に優しい彼は、誰からも女として扱われていなかった私を「女の子扱い」してくれた唯一の男子だった。
「繭は、昔からすごく可愛かった。」
「え?何・・・?」
彼の発言があまりに信じ難い言葉だったので、思わず聞き返す。
ただ単に、もう一度言って欲しかっただけなのかもしれない。
初恋の彼からの「可愛い」は、女性にとって特別な魔法のような言葉だから。
「繭は今も昔も、すごく可愛いよ。」
夜、消灯時間を少し過ぎて、彼が私の部屋を訪ねてきてくれた。
それだけでも嬉しいのに、甘い言葉を囁かれては理性が持たない。
「俺たち・・・もう求め合っても良いんだよな?」
小さな灯り一つの薄暗い寝室に、彼と2人きり。
眩しそうに目を細めて、彼が私を見る。
妊娠しやすくなる薬を飲み始め、いつでも妊活を始めて良いと言われたものの、当て日があるわけでもないのでお互いなかなか踏み出せずにいた。
「うん・・・気持ちの準備ができたら・・・ね。」
「俺に触れられるのは、嫌?」
情熱的な視線に、溶けてしまいそうになる。
初恋のエイジと再会して妊活をする仲になるとは・・・急展開に頭がついていかない。
「嫌なわけないよ。エイジ君とそういうことになれたら・・って、学生時代いつも妄想してたの。」
言ってしまってから急に恥ずかしくなって、瞳を逸らす。
「繭・・・好きだよ。ずっと好きだった。」
私の首筋に手を伸ばして、彼は優しく唇を重ねる。
「エイジ君・・・嬉しい・・・っ」
逞しい腕が優しく私の身体を包み込んで、その体温に一気に欲情してしまった。
暗闇の中、私の上で服を脱ぐ彼の表情が小さな灯りに照らされ、官能的に迫る。
逞しい彼の身体。
全容が見えないだけに妄想がそれを補ってさらなる興奮を煽った。
「繭・・挿れるよ・・、」
私の中を指で丁寧にほぐした後、彼はペニスを入り口にあてがう。
暗くてはっきりと見えないせいで、なかなか挿入できずもどかしくて気が焦る。
「エイジ君・・っ・・・早く・・・ッ・・・」
私の言葉に興奮したのか彼の呼吸が荒くなった。
「あ・・・繭・・・ッ・・・」
腰を奥へ進めた彼が快楽に甘ったるい声をあげ、私はペニスを挿入された気持ち良さに腰が浮く。
「エイジ君・・・っ・・気持ち・・い・・・」
グチュグチュとお互いの体液が混ざり合う音。
ゆっくりと繰り返されるピストンがどんどんスピードを上げて、皮膚が擦れ合うパンパンという音が響き渡る。
「繭・・い・・イクよ・・・中に・・・ッ」
「エイジ君・・・私も・・イク・・・イッちゃう・・・ッ!!」
声にならない声を上げて、私たちは同時に絶頂を迎えた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる