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館内放送
しおりを挟むそれから明け方まで、何度も何度も高野と抱き合った。
(もうこの人にします・・・!!決めました・・・!!)
そう言ってしまいたいくらい、彼とは身体の相性がよかった。
高野と離れたくない、というよりは、このペニスと離れたくない、という方がしっくりくるほどに、私は彼の身体に夢中になってしまった。
身体の相性に加えて、気持ち良いエッチのために緊張は良くないのでは、と気付く。
たっちゃんと抱き合ったときの私は、お互い初めてということもありガチガチに緊張していたから。
気持ち良さを堪能するほどリラックスできていなかったし、興奮するほど余裕もなかった。
緊張が解けた頃合いに、またたっちゃんとエッチしてみたいな、なんて他の男の腕の中でそんなことを考えている自分の欲望。人間の欲望は際限ない。
「なぁ、俺に決めろよ。」
何度目かの絶頂を迎えた後。
二人でベッドに寝転んでいると、高野が急に私を抱きしめてそう言った。
事後にドアップで見る、気だるそうなイケメンの色気・・・
(決めます!!君に決めたぁ・・・!!!)
いつも横暴で素直じゃない高野の可愛い一言に、私は思わずOKしてしまいそうになる。
「俺はお前のことが・・・ずっと好きだった。」
『ピンポンパンポーン。』
彼の告白を、大音量で響き渡る館内放送がかき消した。
「チッ、なんだよこの音。」
『この時間より、Sは浜名班の所有物となります。関係者は直ちに動いてください。以上!!』
声の主を思い浮かべて苦笑した。
浜名 悠人。
私はすぐに想像する。
いつまでも少年らしさを残したお茶目で可愛い彼と、ベッドで抱き合う姿を。
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