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柔らかな快楽
しおりを挟む「口では拒んでるくせに、身体は正直やなぁ。」
器用にするりと下着に入り込んできた大和の指は、クチュクチュといやらしい音を立てながら私の秘部を弄ぶ。
「やだ・・・・大和っ・・・」
「お前のエロい声、もっと聴かせてくれ。」
恥ずかしい。
天敵と言っていいほどに憎しみあってきたこの男に、身体を良いように弄ばれている。
「お前、痛くされるのが好きだよな。」
確信を持ってそう口にした彼の言葉に、カチンとくる。
(もしかして大和って・・・私がドMだって勘違いして酷い仕打ちばっかしてたわけ・・・?!)
とんだ勘違いだ。
私はイケメン相手なら何でも許せるタイプだけれど、優しくされる方が良いに決まっている。
今までこの男が私にしてきた数々の嫌がらせは、そんな勝手な思い込みから派生したものなのか。
「違っ・・・わかったような口きかないで。」
「本当に、威勢が良い女やな・・お前は。」
乳首を甘噛みされ、ピリッとした痛みと共に、身体から力が抜ける。
「痛い」と「気持ちイイ」のちょうど真ん中、絶妙な刺激が下半身に響いた。
私を脅すようにギリッと歯に力を入れて、強弱をつけた刺激を与え続ける。
背筋が冷たくなるような、ゾクゾクとした感覚が芽生えた。
(噛みちぎるとか・・・こいつならやりかねない・・・・・)
橘 大和という男は、イカレている。
洒落にならないドギツイ嫌がらせを、何度も受けてきた。
「痛くされるのが・・っ・・・イイわけないでしょ・・・・」
何をするかわからない男に対しての純粋な恐怖心なのか、それとも彼のそんな部分を魅力的に思っているのか。
自分でもよくわからない。
「そうか?ならお望み通り、優しく抱いてやるよ。」
「あ・・っ!!や、やまと・・・っ」
「おとなしくしてろ。」
耳元で囁かれるのは、凄みのある低い雄の声。
クチュクチュとなぶり続けていた秘部をあらわにすると、彼はプクリとした膨らみに口付ける。
「やっ・・・そんなとこ・・・っ」
「俺に、全部見せてみろ。」
大きく太ももを開かれ、恥ずかしい部分が彼の目の前に晒された。
彼は、恐ろしく優しい舌使いで、ねっとりと愛撫し始める。
「大和・・・ぉ・・・っ」
クリトリスを指先で擦りながら、入口を何度も柔らかい舌が往復した。
あまりの快感に、抗いたい気持ちが薄れ、一気に身体が開かれていく。
「そんなに優しく・・しないでっ・・・・」
普段の性格の悪さ、乱暴な態度からは想像もつかないほどに優しく扱われて、戸惑ってしまう。
(この男・・・一体なんなの・・・・っ?!)
彼の真意がわからない。
これが演技だとは思えないほどに、私に対する彼の全てが真剣だった。
(こいつ・・女性の身体に、こんなに優しく触れるんだ・・・・)
意外な一面を知り、彼の本性がますますわからなくなる。
「大和っ・・・やだ、やだぁ・・・・あ・・あ・・・・!!」
涙が溢れる。
プルプルと太ももが小刻みに震えて、抑えられない。
舌で愛されている部分から身体中へ、快楽がどっと押し寄せてきた。
「イッちゃう・・・ぅ・・・・!」
彼は私のイイところを全て知り尽くしているというように、ピンポイントで攻めてくる。
舌の動きが早くなり、同時に彼の指が最奥まで入り込んできた瞬間、私は絶頂に上り詰めた。
「ああぁっ・・・・!ひッ・・あ~・・・・ッ!!」
快感が、思い切り弾け飛ぶ。
電流が走り抜けるように、全身がビクビクっと大きく震え、次の瞬間一気に脱力した。
(こんなの・・・初めて・・っ・・・・)
悔しいから、口には出さない。
優しく念入りに愛されて、じわじわと絶頂に上り詰める柔らかな快楽。
私は完全に、落とされてしまった。
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