【※R-18】とある組織の男全員が私のこと好きなんだけど、逆ハーレム作っちゃっていいですか?

aika

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宅飲み

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山下やました たくみは、NMCのナンバー2とは思えない屈託のない笑顔で、私を部屋に迎え入れた。

「なぁ、Mって好き嫌いあるのか?」

「え?」

「苦手な食べ物、ある?」

「ピーマンと玉ねぎ・・・」

「子どもかよ、お前。オッケ、その辺適当に座ってて。」

からかうような口調で、苦笑する。
あまりに自然な彼の態度に、私は思い切り戸惑ってしまった。

これは、あれだ。
高校時代、仲が良かった男子の家に遊びに来た女友達的なやつだ。

彼は一人暮らしを始め、それなりに自炊している。
飲めるようになってから数年しか経っていないアルコールを片手に、大人への一歩を踏み出そうという、あの年代特有の雰囲気。

なんだか懐かしい気持ちになる。
山下匠と高校時代を共に過ごした思い出さえ、浮かんできそうだ。

(さすがナンバー2・・・できるな、この男・・!!)


気取らない態度、男をも惚れさせる男気。
精悍な顔立ちだけれど、さっぱりとした爽やかさと屈託のない笑顔が、雌の警戒心を緩和させる。
すでに謎の信頼感が芽生えているから不思議だ。


「親子丼・・・!わ~美味しそう。」

おしゃれすぎず、家庭的な一面もアピールできる絶妙なメニューが出てきた。


「レモンサワーでいいか?」

「うん、ありがとう。」

手渡されたアルミ缶を開けようとしていたら、何も言わず彼がサッとプルタブを引いてくれた。

(出た・・!こういうさりげない優しさ男らしさに、女は弱いんだよねぇ・・・)

開けようか?でもなく、無言でサッと手を伸ばす、彼の素朴な気遣い。

距離が一瞬縮まって、彼の香りをふわりと感じる。
異性として、意識させられる瞬間。

「あ・・・ありがと。」

男らしい食べっぷりに目を奪われる。
美味しそうにたくさん食べる男性が、私は好きだった。

柳司りゅうじはいつもMの話ばかりしてるよ。」

NMCのトップ、鎌足かまたり 柳司りゅうじは、私のストーカー的存在。
人のペースを乱す天才。

「そうなの?」

「Mを本気で俺たちの仲間にしたいみたいだ。」

「それは・・・」

「俺もだよ。Mといるとすごく心地良い。一緒にいて安心できる相手は、大事にしたい。」

気取らない彼の態度に居心地が良くなり、つい饒舌になる。

「私も、匠といると・・・・なんでも話しちゃいそう。」

山下匠は、警戒心をとく天才だった。




「もうこんな時間か、送ってくよ。」

もう少し、彼と居たい。
いつの間にかそんなふうに思っている自分がいた。

「ごめんね、遅くまで。」

「大丈夫か?足元、ふらついてる。」

慌てて立ち上がると、一気にアルコールが体をめぐり、身体が傾く。
ふらついた私を、彼はがっしりと逞しい腕で支えてくれた。
友達の、距離感で。


(どうしよう・・・彼に、触れたい・・・)

彼をもっとよく知りたい。
友達の顔しか見せていない彼が、どんなふうに女を求めるのか、知りたいと思ってしまった。


「どうした?具合悪いか?」

ーーキス。

心配して私を覗き込んだ彼に、唇を重ねた。

大きく見開かれた彼の瞳、強張った腕の筋肉。

彼は即座に私の体から離れた。


「ごめん、酔わせすぎたな。」

キスしたことをとがめない。本気にもしない。

ぽんぽん、と私の頭を撫でながら、甘い雰囲気を打ち消した。


「送っていくよ。」

「匠・・・私、」

ーーキスしたい。
そう言おうと口を開いた私を、彼の言葉が遮った。


「柳司の好きな人が、お前じゃなきゃ良かった。」

彼は私と目を合わせずに、苦笑する。
ドアの横にかけてある鍵を手に取ると、率先して玄関の扉を開けた。

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