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第16話 『京極 豊』
しおりを挟む「真白、今日からよろしく頼むよ。」
オーディションに合格して、顔合わせを兼ねた打ち合わせ。
憧れの京極 豊を目の前に、真白は心臓が飛び出しそうなほど緊張していた。
「は・・・はい・・・♡こちらこそ、よろしくお願いいたします・・・・♡」
「仕事なんだから」とどんなに気持ちを入れ替えようと頑張っても、目がハートになってしまう。
京極は、真白のことを名前で呼んだ。
彼は同じ事務所に所属する声優や相手役に対しては、下の名前で呼ぶのだと月島 夕から聞いていた。
もしかして自分も・・・なんて期待していた真白は、期待通りの展開に興奮している。
彼は声優としての地位を築き上げている有名人だというのに、とてもフランクな人柄だった。
顔合わせの飲み会。
京極の隣に座っている真白は終始緊張しきっていて、周りの会話はほとんど耳に入ってこない。
「真白、今日この後、時間あるか?」
ワイシャツに細身のパンツというファッションが定番の京極。胸元のボタンを外して緩めているので、彼の鎖骨や胸元がチラチラと見えて真白は落ち着かなかった。
「え・・?!あ、は、はい・・!!!」
真白の挙動不審な態度。京極の逆隣に座っている彼のマネージャーがチラリとこちらを見たのがわかる。
京極はいつもマネージャー兼秘書の秋月という男を連れている。
月島 夕の話によると彼は京極と大学時代からの友人で、事務所を立ち上げた彼を支える存在らしい。
ボサっとした茶髪、丸メガネ。おっとりとした印象の暗い男だ。
スタイリッシュで若々しい京極の隣にいると、さらに彼が霞んで見える。
「俺の部屋で飲み直そう。どうかな?」
(え・・!ええええ・・・・!!マジで・・・!?)
京極の地声はまさに神が与えたギフトだ、と真白は思った。
この芸術的な声色で誘われてNOと言える人間がこの世にいるのだろうか。
「ももも、もちろんです・・・!!」
真白が京極の顔を見ると、彼は40を超えているとは思えない若々しい顔でにっこりと笑った。
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