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『六男七男』
しおりを挟む「弓ちゃん、よろしく!俺は海星!」
勢いよく右手を差し出した彼は、青い髪色が印象的な六男の海星。
ニッと人懐っこい笑顔を向けられ至近距離に迫られて、思わずドキッと胸が高鳴る。
彼らは私と同い年で、大学生。
歳が同じだというだけで、親近感が湧く。
「・・で、こっちは弟の瀬凪!」
「・・どうも。」
海星の双子の弟・・七男である瀬凪は、クールな印象の男性だった。
顎先あたりまで長さがある黒髪ウェーブヘア、海星とは対照的に表情が乏しい。
ニコリともせず無表情のまま、ボソリと小さく呟く。
「海星君と瀬凪君って、あんまり似てないね。」
双子だと聞いていたので、てっきり顔がそっくりなのかと思ったら、二人は顔も性格も似ていない。
「二卵性だからな。」
当然、とそっけなく答えた瀬凪は、相変わらずテンションが低かった。
「そぉ?似てるとこもいっぱいあるよ!ね、瀬凪!」
真逆の性質を持つ海星は、テンションマックスの甲高い声で瀬凪の肩を組む。
「全然、似てねぇし。」
スッと身体を翻して双子の兄から離れる瀬凪は、やはりポーカーフェイスを崩さなかった。
「うわっ、瀬凪つれなさすぎ~ぃ。俺はこんなに好きなのに~♡」
「抱きつくな。」
性格も見た目も全然違うけれど、とても仲が良いとわかる二人のやり取りを見て微笑ましい気持ちになる。
私にもこんな兄弟がいたら、どんなに良かっただろう。
父が亡くなり、一人ぼっちになってしまった自分の境遇が切ない。
やはり私は父がこの世からいなくなった事実を、まだきちんと受け止められていないのだ。
「二人はすごく仲良いね。羨ましいな。」
思わず漏れた言葉に、海星と瀬凪は顔を見合わせた。
「弓ちゃん~、そんな顔すんなって。俺たちもう家族じゃん?これからはどんな時も俺らが一緒にいるし、いつも味方だよ?な、瀬凪!」
「まぁ、それについては同意見。」
弟にするのと同じように私の肩を組んで顔を寄せる海星にドキドキしながら、クールな瀬凪の発した意外にも温かい言葉に感動する。
ーーー家族。
彼らと本物の家族になりたい。温かい家庭を築きたい。
そんな気持ちがどんどん膨れ上がっていった。
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