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太陽の呪い師
しおりを挟む最近よく不思議な夢を見る。
その夢は現実のようにとてもリアルで、朝起きてからもしばらく身体に余韻が残っていた。
青い瞳の彼と一夜を過ごす。
あれは本当に夢だったんだろうか?
彼の身体の感触が、リアルに肌に残っている。
身体の内側に彼の刻印が押されたように、ジンと熱を持っているのだ。
♢♢♢
「真美様、どうして僕のことは寝室に呼んでくれないのですか?」
スミルは不満そうに可愛い口を尖らせて、私を見た。
彼は呪い師で、いろいろな災いからこの宮殿を守るために奮闘してくれている。
最近は西の街で大きな災害や伝染病が相次いで起こり、しばらく宮殿から離れていて、数日前に戻ってきたばかりだ。
「・・・戻ったばかりで疲れているでしょう?」
もっともらしい言葉を並べて彼を見る。
綺麗な赤髪、くりっとした大きな瞳。身体は小柄で、線が細い。
アザトよりもさらに幼い顔立ちをしている彼は、年齢で言うとハクトとそう変わらないと聞いて私は心底驚いた。
彼は、太陽の力を受ける呪い師。
呪い師には、色々な種類があるらしい。
神仏、精霊など力を借りる存在の違いや、どんなエネルギーを授けてもらうのか。
先日私の寝室に現れた青い瞳の男ザインは、闇の力を受ける呪い師たちの一人らしい。
スミルは太陽。彼ら宵闇の者たちとは、真逆の存在だった。
それにしても幼い。実年齢は30近いらしいが、小学生にしか見えない。
彼の身体の仕組みは、どうなっているのだろう。
さすがにこの幼い彼を寝室に呼ぶのは、気が引けていた。
「真美様、ご心配なさらなくても、年相応の技術は持ち合わせているつもりです。僕の、真美様への愛は本物です。いつでも喜んでお相手させていただきます。」
可愛い顔立ちをしている彼は、顔に似合わずサバサバとはっきりものを言う。
ぐいぐい迫られて、私は今夜彼を寝室に呼ぶ覚悟を決めた。
♢♢♢
「真美様、失礼します。」
その夜、寝室に入ってきた見知らぬ男に、私は動揺を隠せず高い声を上げた。
「だ・・・誰・・・・!?」
その声に、部屋の周りに控えていた騎士たちが、様子を伺っているのがわかる。
彼らが動かないのが何故なのか、私にはわからなかった。
「俺です。スミルです。真美様。」
目の前にいるのは、スミルとは似ても似つかない長身の大人の男性だ。
スラリと長く伸びた手足。服の上からでも鍛えられた逞しい肉体が見てとれる。
肩幅も広く、精悍な顔立ち。
どこからどう見ても、大人の男だ。
スミルの可愛らしくまあるい瞳は、どこにも見当たらない。
男らしくキリッとした意志の強い瞳に見つめられて、私はドキドキが止まらなかった。
「スミル・・・?!」
綺麗な赤毛、という共通点しか見当たらない。
彼が本当にスミルだと言うのなら、顔や身体はもちろん、髪の長さまで変化している。
襟足が長いウルフヘアの男は、参ったなぁという風に、頭に手を当てて苦笑していた。
「昼間の俺は、太陽の力を借りた呪い師の姿をしているんです。本当の俺は、この通り。大人の男です。」
(そんなことって、あり得るの・・・・?!)
目の前にいる逞しい肉体の青年は、魅力的な笑顔を浮かべて私の前に跪く。
(じゃあ今夜の相手は、このイケメン呪い師・・・・?)
想定外の展開に、私はベッドの上の彼を想像しながら胸を高鳴らせていた。
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