天下

スタート

高校野球

　紅白戦が終わり通常練習に戻った。　
「そんじゃノックいこーか！」
シートノックが始まった。

「あの人が有名な原田先輩か！」

　原田は二年生にしてプロ注目の捕手昨年夏も打率455 本塁打2 セカンドスロー1.8の強肩強打。シートノックも圧巻だった。
取ってからの早さ肩の強さ噂どうりの選手だった。
　守備で目立ったのがセカンドの神童キャプテンだ。華麗なグラブさばき、安定した送球。負けじとショートで結城が守備を披露した。

「よし今日はここまで。明日もシートノックからのバッティングで行くぞ。あと言い忘れだが土曜日東京の秋ベスト8の強豪日大相良と練習試合を組んであるから調整する様に」
「はい！！」

「原田先輩！この前のピッチングどーでしたか！？」

「悪くはない。ただコースはまだまだ甘い。ベスト8以上からのチームには打たれるぞ。」

「はい、、、わかりました。ありがとうございます！」

練習試合当日
ではスタメンを発表する
1番センター風間
2番ショート結城
3番セカンド神童
4番キャッチャー原田......
9番ピッチャー林

「牧野は6回から行くぞ！」

今日の先発は昨年夏も経験した左腕で林。
スピードは130キロ前半のストレートだが
チェンジアップ、カープで緩急をうまく使いながら試合を作っていくタイプの投手だ。

しかし一回表、先発林が日大相良の打線に捕まった。一、二番の連続タイムリーの後三番がきっちり送り、迎えるは四番、東京選抜にも選ばれるほどの実力者、エドポロだ。初球豪快にフルスイング。林の甘く入ったカーブをすくいあげた。レフトスタンド上段にたたきこんだ。
「よっしゃー！」

「ナイバッチエドポロ！！」

初回はなんとか後続を断ち切る。一回裏。
相良のエースはベスト8の立役者、星越。
星越しは140キロ前後のスピードボールとスプリットを多用するピッチャー。

先頭の一年風間だが簡単にツーストライク追い込まれ、最後はスプリットの三振。

「このスピードでの落差はやばいな。
一回見ただけじゃ捉えられねーぞ」

二番、三番も打ち取られ攻撃を終える。

2回は調子が上がってきた林が3人でぴっちゃりと抑え2回の裏の攻撃は4番原田。
星越の3球目のストレートを弾き返しセンター前。
しかし後続も続かず攻撃終了。
回は進み5回を終わり林の力投もあり
5回4失点　7安打　強力相良打線をなんとか4失点で抑えた。
なかなか星越を捉えられず0点に抑えられる。

「よし！牧野行くぞ」

「はい！待ってました！」

6回表高校野球初登板