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Missing you
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口元に手を当ててくすくすと笑い続ける咲季につられて泰三も笑ってしまう。そうしていると忍び込んできたのを忘れてしまいそうだった。
ひとしきり笑った後、咲季はこちらを見つめて言った。
「それで、どうしてここに?」
ランプの灯りに照らされて咲季の真剣な表情が見える。
普段は抜けているような雰囲気を持っている咲季だったが、流石に夜間に忍び込まれてはただ事ではないと思っているのだろう。
「……少し、聞きたい事があってな」
「聞きたい事?」
泰三は目を合わせずに頷く。
「それなら明るいうちに来て頂いたらもっとまともなおもてなしが出来ましたのに」
「ちと急用でな、時間を選んでいられなかった」
泰三は部屋を見回す。
「それにしてもデカい部屋だな。神社の社がすっぽりと入りそうだ」
「そうですね。正直なところ、少し持て余しています」
「こんなに広いのに使用人は詰めていないのか?」
「……皆さんには夜に暇と取らせているんです」
「嘘だな」
泰三が言下に答えると、咲季は肩をピクリと動かした。
「この部屋に来る途中いくつかの部屋を見た。その中には私室がいくつもあったよ。聞くところによると咲季は父親と二人で暮らしているようだが、それにしては部屋の数が多すぎる。いくつかの私室は本来使用人が使っているんじゃないのか?」
「……」
「だが部屋には誰もいなかった。部屋が使われている様子もなかったからここ数日は一人で暮らしているんだろう?」
泰三の質問に咲季は答えない。押し黙ったままうなだれている。
「ところで、俺がここに来た目的を言ってなかったな。俺の目的は親父さんが作ったといわれる新薬だ」
「……!」
「あるんだろ。ここに」
「どこでそのお話を……?」
「悪い知り合いがいてな。そいつから色々と教えてもらった。どんな薬なのかもな」
「そう、ですか……」
「それでだ、話を聞いて疑問が浮かんだ。動物実験を成功させたらしいが、どうして最初に動物で試したのか? 俺は馬鹿だから薬の知識なんてまるっきり持っていないが、どうして人を使って試さなかったんだ?」
咲季は質問に答えない。答えられないといった方が正しいのかも知れない。
「馬鹿でもすぐにわかったよ。不老不死と歌う新薬は危険な代物だからだ。人に使うと何か害があるから、動物で試したんだ。そんな薬を今度は人に、しかも娘に使うと言っている。咲季、お前はそれを承知なのか?」
「……はい」
咲季は弱々しい声で呟く。
これで合点がいった。咲季が顔を出さなくなったのは薬の実験体として軟禁されているからだ。そして咲季が家から出ないのを疑問に持たせない為に使用人も引き払わせた。
それに動物実験を成功させているといっても人間と獣では効き目も全然違うはずだ。つまり万が一という事もある。その時に使用人が詰めていれば大ごとになって薬の存在がどこかから漏れてしまうかも知れない。それを避けるためにこの屋敷を空にしているのだ。
「なぜだ?」
このままだと咲季は死んでしまうかも知れない。当事者である咲季が一番理解できているはずなのにここを離れない事に泰三は疑問に思う。
「お国の……ためです……」
「国の?」
「まるで神様が決めたように、戦後すぐに特需が発生しました。それによって日本国は資金を貯えて奇跡のような経済復興を果たした。しかしそんなものは長く続きません。その後はどうなるか、考えた事はありますか?」
「いや……」
泰三は首を振る。
「上がったものは必ず下がります。盛り返した景気もいずれは停滞し、下降していく。そうなれば日本国は再び困窮してしまう。より大きな大国に、より大きな依存をして生きていかなければならない。この先に待っているのは奴隷のような生活。それを打破するのが新薬なのです。お父様はそれを信じて新薬研究に命を捧げて来ました。日本国民が老いなければ経済戦争に圧倒できる。死ななければ武力で圧倒出来る。新薬は大日本帝国を復活させる命の薬なのです」
「それはつまり……死なずの身体になって、もう一度戦争でもふっかけるつもりか」
「生きている限り、日本は負けてません」
咲季は泰三を見据えて言い放つ。
まるで喧嘩に負けた子供の言い分だ。本当にそんなくだらない理由で不老不死の結論に行きついたなら天才ではなく紙一重の馬鹿だ。咲季だってそれを理解しているはずだと思った。
なぜなら彼女は泣いていたから。
涙を流し、不安になった子供のように寝間着の端を掴んで震えていたから。
「戦争で数えきれないほどの人間が死んだ。建物が壊されて、雑草を食む生活を強要された人間が大量にいる。怪我や後遺症に悩まされて自決した奴だって。生きる為に人を傷つける奴だって……それでも負けたのが納得いかないからもう一度戦うんだと、そのための礎になれと、そう教えられたのか?」
「……」
「お前は、咲季はそれでいいのか? 父親に死ぬかもしれない薬を飲まされて、戦争の手助けみたいな事をして、それで満足なのか……?」
「…………いや」
消え去りそうな声で咲季は呟くと、裾をギュっと握って泣きじゃくる子供のように顔を崩す。
「……いや、です。閉じ込められてるのもいや。戦争もいや……、死ぬかもしれないのも、いやぁ……わたし、まだ死にたくないよぉ…………っ」
「咲季……」
叫ぶような嗚咽を上げて、咲季は泰三に抱き着いた。必死になって泰三の服を掴む咲季は赤子のようで、泰三はやりきれない気持ちになっていた。
いったい彼女はいつから父親の気持ちを背負っていたのだろうか。か細い体でどれだけの責務に耐えていたのだろうか。この時代、食うものに困らない生活をしている彼女ですら、自分と同じく不自由に生きていた。
そう思うと切なくて、泰三はしがみつく咲季の身体を抱きしめていた。
「俺と一緒に住まないか?」
「え……」
咲季は顔だけ上げて泰三を見上げる。
「ここから抜け出して、俺といっしょに過ごすんだ。真っ当な仕事をして給金を貰って、咲季は飯を作って俺が帰ってくるのを待ってるんだ。そして暇な時は一緒に空を眺める。そんな日々を一緒に過ごしてくれないか」
「でも……私は、お父様が……」
「……俺はろくでなしだ。両親が人の物を盗んでまで食わせてくれたのに、それを恥ずかしいと思って飛び出してきた。それから一人で生きていくのに何でもやった。気が付けば両親の罪なんて些細なものに思えるくらいの悪党になってしまって、両親が今どうしているのかも知りやしない。咲季には俺と同じ目に合わせたくないんだ。だから父親が大事だというのならこの話は忘れてくれ」
「泰三さん……」
「でも……それでも俺を選んでくれるなら。俺と一緒の未来を夢見てくれるなら、ここから抜け出そう。一緒に笑って、飽きることなく毎日を過ごそう。神様が俺たちを迎えに来るまで」
咲季は押し黙ったまま泰三の胸に顔を埋める。
しんと静かになった部屋に時計の針が響く。それから暫くして、服を掴む先の腕が泰三を抱きしめた。
「これは、求婚ということでいいんですか?」
「えっ!?」
「家を抜け出して泰三さんと一緒に暮らす。これはプロポーズですよね。しかも駆け落ち」
「あっ、いや……まぁ……そう、なるな」
「一つだけ、確認しておかなくてはいけない事があります」
「な、なんだっ」
泰三はごくりと喉を鳴らす。
「私……料理は出来ません。それでも捨てずにいてくれますか?」
「あ……」
泰三は思い出したようにティーカップに目をやる。紅茶はとっくに冷えてしまっているようで立ち上る湯気は消えていた。
カップの一つを手に取った泰三はグイッと紅茶を煽り、一気に飲み干す。
「泰三さんっ、何を!?」
「確認だ……む、ぐぐ……も、問題ない。これぐらいなら耐えて見せよう」
しかめっ面をしながら言うと、目を丸くしていた咲季は吹き出して笑う。
「はい……よろしくお願い致します」
涙を拭いながら咲季が微笑む。女神と見間違うほどの美しさと感じた泰三はその姿に見惚れていた。
「よし、それじゃあここから出よう。後についてきてくれ」
「はいっ」
こうして泰三は新薬に手を付けずに咲季を連れて屋敷を出た。
仕事をすっぽかしたのだから何かしら報復が来ると踏んで数日身を隠していたが音沙汰はなく、風の噂で聞き覚えのある暴力団が突然組織を解体したと聞きつけて、泰三は胸を撫でおろした。
それから今まで、泰三は咲季と一緒に暮らし続けている。
ひとしきり笑った後、咲季はこちらを見つめて言った。
「それで、どうしてここに?」
ランプの灯りに照らされて咲季の真剣な表情が見える。
普段は抜けているような雰囲気を持っている咲季だったが、流石に夜間に忍び込まれてはただ事ではないと思っているのだろう。
「……少し、聞きたい事があってな」
「聞きたい事?」
泰三は目を合わせずに頷く。
「それなら明るいうちに来て頂いたらもっとまともなおもてなしが出来ましたのに」
「ちと急用でな、時間を選んでいられなかった」
泰三は部屋を見回す。
「それにしてもデカい部屋だな。神社の社がすっぽりと入りそうだ」
「そうですね。正直なところ、少し持て余しています」
「こんなに広いのに使用人は詰めていないのか?」
「……皆さんには夜に暇と取らせているんです」
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「この部屋に来る途中いくつかの部屋を見た。その中には私室がいくつもあったよ。聞くところによると咲季は父親と二人で暮らしているようだが、それにしては部屋の数が多すぎる。いくつかの私室は本来使用人が使っているんじゃないのか?」
「……」
「だが部屋には誰もいなかった。部屋が使われている様子もなかったからここ数日は一人で暮らしているんだろう?」
泰三の質問に咲季は答えない。押し黙ったままうなだれている。
「ところで、俺がここに来た目的を言ってなかったな。俺の目的は親父さんが作ったといわれる新薬だ」
「……!」
「あるんだろ。ここに」
「どこでそのお話を……?」
「悪い知り合いがいてな。そいつから色々と教えてもらった。どんな薬なのかもな」
「そう、ですか……」
「それでだ、話を聞いて疑問が浮かんだ。動物実験を成功させたらしいが、どうして最初に動物で試したのか? 俺は馬鹿だから薬の知識なんてまるっきり持っていないが、どうして人を使って試さなかったんだ?」
咲季は質問に答えない。答えられないといった方が正しいのかも知れない。
「馬鹿でもすぐにわかったよ。不老不死と歌う新薬は危険な代物だからだ。人に使うと何か害があるから、動物で試したんだ。そんな薬を今度は人に、しかも娘に使うと言っている。咲季、お前はそれを承知なのか?」
「……はい」
咲季は弱々しい声で呟く。
これで合点がいった。咲季が顔を出さなくなったのは薬の実験体として軟禁されているからだ。そして咲季が家から出ないのを疑問に持たせない為に使用人も引き払わせた。
それに動物実験を成功させているといっても人間と獣では効き目も全然違うはずだ。つまり万が一という事もある。その時に使用人が詰めていれば大ごとになって薬の存在がどこかから漏れてしまうかも知れない。それを避けるためにこの屋敷を空にしているのだ。
「なぜだ?」
このままだと咲季は死んでしまうかも知れない。当事者である咲季が一番理解できているはずなのにここを離れない事に泰三は疑問に思う。
「お国の……ためです……」
「国の?」
「まるで神様が決めたように、戦後すぐに特需が発生しました。それによって日本国は資金を貯えて奇跡のような経済復興を果たした。しかしそんなものは長く続きません。その後はどうなるか、考えた事はありますか?」
「いや……」
泰三は首を振る。
「上がったものは必ず下がります。盛り返した景気もいずれは停滞し、下降していく。そうなれば日本国は再び困窮してしまう。より大きな大国に、より大きな依存をして生きていかなければならない。この先に待っているのは奴隷のような生活。それを打破するのが新薬なのです。お父様はそれを信じて新薬研究に命を捧げて来ました。日本国民が老いなければ経済戦争に圧倒できる。死ななければ武力で圧倒出来る。新薬は大日本帝国を復活させる命の薬なのです」
「それはつまり……死なずの身体になって、もう一度戦争でもふっかけるつもりか」
「生きている限り、日本は負けてません」
咲季は泰三を見据えて言い放つ。
まるで喧嘩に負けた子供の言い分だ。本当にそんなくだらない理由で不老不死の結論に行きついたなら天才ではなく紙一重の馬鹿だ。咲季だってそれを理解しているはずだと思った。
なぜなら彼女は泣いていたから。
涙を流し、不安になった子供のように寝間着の端を掴んで震えていたから。
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「……」
「お前は、咲季はそれでいいのか? 父親に死ぬかもしれない薬を飲まされて、戦争の手助けみたいな事をして、それで満足なのか……?」
「…………いや」
消え去りそうな声で咲季は呟くと、裾をギュっと握って泣きじゃくる子供のように顔を崩す。
「……いや、です。閉じ込められてるのもいや。戦争もいや……、死ぬかもしれないのも、いやぁ……わたし、まだ死にたくないよぉ…………っ」
「咲季……」
叫ぶような嗚咽を上げて、咲季は泰三に抱き着いた。必死になって泰三の服を掴む咲季は赤子のようで、泰三はやりきれない気持ちになっていた。
いったい彼女はいつから父親の気持ちを背負っていたのだろうか。か細い体でどれだけの責務に耐えていたのだろうか。この時代、食うものに困らない生活をしている彼女ですら、自分と同じく不自由に生きていた。
そう思うと切なくて、泰三はしがみつく咲季の身体を抱きしめていた。
「俺と一緒に住まないか?」
「え……」
咲季は顔だけ上げて泰三を見上げる。
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「でも……私は、お父様が……」
「……俺はろくでなしだ。両親が人の物を盗んでまで食わせてくれたのに、それを恥ずかしいと思って飛び出してきた。それから一人で生きていくのに何でもやった。気が付けば両親の罪なんて些細なものに思えるくらいの悪党になってしまって、両親が今どうしているのかも知りやしない。咲季には俺と同じ目に合わせたくないんだ。だから父親が大事だというのならこの話は忘れてくれ」
「泰三さん……」
「でも……それでも俺を選んでくれるなら。俺と一緒の未来を夢見てくれるなら、ここから抜け出そう。一緒に笑って、飽きることなく毎日を過ごそう。神様が俺たちを迎えに来るまで」
咲季は押し黙ったまま泰三の胸に顔を埋める。
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「これは、求婚ということでいいんですか?」
「えっ!?」
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「あっ、いや……まぁ……そう、なるな」
「一つだけ、確認しておかなくてはいけない事があります」
「な、なんだっ」
泰三はごくりと喉を鳴らす。
「私……料理は出来ません。それでも捨てずにいてくれますか?」
「あ……」
泰三は思い出したようにティーカップに目をやる。紅茶はとっくに冷えてしまっているようで立ち上る湯気は消えていた。
カップの一つを手に取った泰三はグイッと紅茶を煽り、一気に飲み干す。
「泰三さんっ、何を!?」
「確認だ……む、ぐぐ……も、問題ない。これぐらいなら耐えて見せよう」
しかめっ面をしながら言うと、目を丸くしていた咲季は吹き出して笑う。
「はい……よろしくお願い致します」
涙を拭いながら咲季が微笑む。女神と見間違うほどの美しさと感じた泰三はその姿に見惚れていた。
「よし、それじゃあここから出よう。後についてきてくれ」
「はいっ」
こうして泰三は新薬に手を付けずに咲季を連れて屋敷を出た。
仕事をすっぽかしたのだから何かしら報復が来ると踏んで数日身を隠していたが音沙汰はなく、風の噂で聞き覚えのある暴力団が突然組織を解体したと聞きつけて、泰三は胸を撫でおろした。
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