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雪解けの前に
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なんとか歩ける程度に回復した燈は鬼谷の病室までやってきていた。
ネームプレートを確認してみると面会謝絶の札はかかっていなくてホッとする。
ゆっくりと扉を開けると鬼谷はベッドの上にいて、普段の燈と同じように窓から見える景色を見ていた。
「あら、どうしたの?」
燈に気付いて鬼谷は笑みを作る。
「いつも僕の方に来られるからね。たまにはこっちから行ってやろうと思って」
「あはは、なにそれ」
元気に笑う鬼谷を見て、調子が戻ったのだと安心した。
「鬼谷さん。腎臓が悪いの?」
質問を投げかけてみると鬼谷はぴたりと笑い声を止めた。
「誰かから聞いた?」
「うん……医者が話してるのを偶然」
「そう……」
鬼谷は黙り込んで外を眺める。
もしかしたら聞いてはいけないことだったのだろうか。
彼女の様子を見てそう思った燈は追及することなく、同じようにして外の景色を眺めていた。
「外、寒そうだね」
「え……うん、そうだね」
外は昼間だというのに曇り空が太陽を隠して薄暗い。風が吹いているのか窓がキシキシと音を立てて寒さを感じさせていた。
「燈君はさ、ずっと外で過ごして凍えて死ぬか。それとも暖かい建物の中でじわじわと死ぬか。どっちが残酷だと思う?」
外を見ながら鬼谷が言う。
「なんだい、その物騒な話」
「なんとなく思いついただけだよ。燈君ならどっちがいい?」
「どっちかから選ばないとだめ?」
「だめ」
「う~ん……それなら、僕は外で凍え死ぬのを選ぶかな」
「どうして?」
「僕の人生はずっと病室に閉じこもったままだから。病気だって治す方法がなくてゆっくりと体が蝕まれていくのを止めることしかできない。それならいっそ外に出て、行きたいところにいって死んでしまった方がいいと思ったから」
どうせ死ぬしかないのなら、その方が絶対にいい。
燈がそう説明すると、鬼谷は「そっか」と呟く。
「私は後者を選択した。外の寒さはとても辛くて。ひもじくて。そんな場所から抜け出せるのなら、なんだって受け入れれるとそう思ったから。でも……結局私は受け入れられなかった。暖かくても、寂しさには耐えられなかった。だから、私は逃げ出した」
「逃げ出した? いったい何の話なのさ?」
「…………ごめん。なんでもない」
鬼谷はこちらを向いて笑った。
「外があまりに寒そうだから、ちょっと感傷的な気分になっちゃったみたい」
「らしくないよね」と言って笑う鬼谷を見て燈は悲しい気持ちになった。
いつもと変わらずに見える笑顔。それが今にも壊れてしまいそうに見えたから。
「鬼谷さんには僕がいるよ」
「燈君……」
「僕の病気は今の医療じゃ治すことが出来ないからね。ここから離れる事は出来ない。だから僕から離れることはないよ。鬼谷がいなくなるその時まで。僕はずっと一緒にいる。今までだってそうだったでしょ」
燈が言うと、鬼谷はくすくすと笑う。
「なにさ?」
「だって、なんだかそれ。告白……いえ、プロポーズみたいだもの」
「な……っ」
燈は驚き、顔を赤くする。
「いや~、モテるおなごは辛いですな」
「なんだよ……折角気を使ったのに」
「いや~ん。機嫌悪くならないで~。本当に嬉しかったよ~」
「もういいよ」
ふざける鬼谷に顔を逸らすと、氷のように冷たい感触が手に乗った。
「……本当に、嬉しいよ。そんな事言われたの――そんな風に扱われたのは初めて……だから私も約束するよ」
「鬼谷さん?」
「私も燈君と一緒にいる。何が起きても、私は君から離れない」
「……鬼谷さん」
彼女の真剣な眼差しに、燈はドキリとした。
すると間を置かずに鬼谷は表情を崩す。
「って、改めて言うまでもなく一緒にいるんだけどね~」
「……折角綺麗な表情だったのに、なんだか全部台無しだよ」
「お、嘘。美人だった?」
鬼谷は言ってからキリリと目に力を入れる。さっきまでの重い空気はなんだったのか。
燈は呆れた表情で鬼谷を見た。「全然美人じゃない」
「もう12月も中盤か」
病室に設置された卓上カレンダーを見ながら燈は言った。
12月に入ってからというもの、一度倒れはしたが体調は比較的安定していた。それに合わせて食事の量もほんの少しだけ増えていて。身体も普段より動くようになっていた。今年もなんとか超える事は出来そうだ。
長く入院しているせいで、このまま治るのでは。とは思えなかったがそれでも体調が良いと気分も上がってくるもので、燈の方から鬼谷の病室に向かう回数も増えていた。
「ご馳走様でした」
食事を終わらした燈はテーブルを避けるとベッドから降りる。
カレンダーの横にある雑誌を取って病室を出た。
手に持ってるのはクロスワードをまとめた雑誌だった。この間見舞いに来た親が購買用の小遣いを渡してくれて、燈はその日の内に購買に出向き、雑誌を購入していた。
燈は別段パズルが得意なわけではない。
だが購買の中で鬼谷と二人で遊ぶのはこれぐらいしかなかった。いわば妥協品だ。それでも燈は鬼谷の病室に向かう間、ずっとわくわくとした気持ちを持っていた。
処置室の前まで来て燈は足を止める。
頭の中には鬼谷の事を聞いた記憶が戻ってきていた。
鬼谷も燈と同じで好調が続いているようで、あの日以降一度も病室が閉じられている事はなかった。だけど悪い記憶が足を引っ張り、処置室の近くを通るのに物怖じしてしまう。
処置室の扉を監視するように見つめながら通り過ぎようとすると、話し声が聞こえてくる。
医者が詰めている場所だったから話し声がするのは当たり前ではあったのだが、燈はどきりとした。
「……」
燈はその場に止まる。
距離が遠くて何を話しているのかは聞こえていなかったが、もしも悪い話だったらどうしようと気になって仕方がなかった。
このまま近づいて、聞き耳を立てようか。
そう思う気持ちと葛藤して、悩んだ末に燈はその場を離れた。
余計な事を聞いてまたしても体調を崩してしまったら、鬼谷と遊ぶことが出来なくなってしまう。その気持ちが好奇心に勝っていた。
鬼谷の病室につくと扉が開いていた。部屋の中から鬼谷と別の女性の声が聞こえてくる。どうやら問診か何かしているようだ。
燈は終わるまで待っていようと扉の脇に座り込んだ。
「特に変化は見当たらないってことね」
「えぇ。今のところは。寧ろ一番元気かも知れません」
「そう、それはよかったけど……覚悟だけはしといた方がいいかもね」
「……はい」
聞こえてくる会話に燈はその場に座り込んだことを後悔した。
覚悟。僕たちみたいな延命処置をされている人間にとっては死の宣告にも等しい言葉。それが彼女の病室から聞こえてきてしまった。
まさかと思った。気が付けば持ってきた雑誌を強く握り、クシャクシャにしてしまっていた。燈はその事にも気づかず。耳に神経を集中させる。
「治ることは、ないんですか……?」
鬼谷の声が聞こえる。
「……はっきり言うけど。今生きてる時点で奇跡に近いの。症状も肝機能が目立つだけで他は軽度で収まっているけど、MRIの数値はあまり良くないし人工透析の頻度も上がってきている。回復は難しいと思うわ」
「じゃあ……どのくらい、生きれるんですか?」
「わからないわ。さっきも言ったけど、生きてるのが奇跡に近い状態なの。明日急変するかも知れないし。もっと長く生きれるかもしれない。でも、数か月……春を超えることは難しいかも知れない」
「……」
「もちろん私たちも努力する。燈君を死なせはしないつもりよ。でも、やはり万一があるから、急に彼がいなくなったとしても、鬼谷さんには理解しておいて欲しいの」
「……」
鬼谷が黙り込み、辺りが静かになる。そんな事が気にならないくらいに僕の心はざわついていた。
彼女が話していたのは僕の話だ。春を待たずに僕が死ぬという話をしているんだ。
驚くくらいに頭がすっきりとしている。その癖心臓はバクバクと身体を突き抜けるぐらいに鼓動していた。
「ごめんなさい。辛い事を言ってしまって」
「……いえ」
看護師の足音が聞こえて燈は慌てて病室を離れた。
自分の部屋に戻るとすぐさまベッドに飛び込んで布団で体を覆い隠す。頭の中ではさっきのやり取りをずっと反芻していた。
僕は、もうすぐ、死ぬ?
体は今までにないくらい元気だし、食べる量だって増えている。それなのに死んでしまうって?
燈は信じる事ができなかった。鬼谷は僕の存在に気付いていて、意地悪してそんな会話をしているのだとすら思った。
だが違う。彼女はそんな悪質な意地悪なんてしない。看護師だってそんな事に賛同したりはしない。
つまり、僕は死ぬのだ。
いつかその日が来るとはわかっていたけど、とうとうその日がやってくるのだ。
だから看護師は、特別仲がいい彼女に伝えに来たのだ。僕につられて体調を崩さないように。
「う……ふっ……ぐぅ…………」
涙が溢れ出てきて止めることが出来ない。一緒に声も溢れそうだったけど、口に手を当てて必死に押し殺した。
このタイミングで僕が泣き叫んでいたら聞き耳を立てていたことを気付かれてしまうかもしれない。それで鬼谷が気を病んでしまったらと考えると、自然と嗚咽を抑え込んでいた。
時間が止まったような感覚の中、燈はずっと泣き続けていた。
ネームプレートを確認してみると面会謝絶の札はかかっていなくてホッとする。
ゆっくりと扉を開けると鬼谷はベッドの上にいて、普段の燈と同じように窓から見える景色を見ていた。
「あら、どうしたの?」
燈に気付いて鬼谷は笑みを作る。
「いつも僕の方に来られるからね。たまにはこっちから行ってやろうと思って」
「あはは、なにそれ」
元気に笑う鬼谷を見て、調子が戻ったのだと安心した。
「鬼谷さん。腎臓が悪いの?」
質問を投げかけてみると鬼谷はぴたりと笑い声を止めた。
「誰かから聞いた?」
「うん……医者が話してるのを偶然」
「そう……」
鬼谷は黙り込んで外を眺める。
もしかしたら聞いてはいけないことだったのだろうか。
彼女の様子を見てそう思った燈は追及することなく、同じようにして外の景色を眺めていた。
「外、寒そうだね」
「え……うん、そうだね」
外は昼間だというのに曇り空が太陽を隠して薄暗い。風が吹いているのか窓がキシキシと音を立てて寒さを感じさせていた。
「燈君はさ、ずっと外で過ごして凍えて死ぬか。それとも暖かい建物の中でじわじわと死ぬか。どっちが残酷だと思う?」
外を見ながら鬼谷が言う。
「なんだい、その物騒な話」
「なんとなく思いついただけだよ。燈君ならどっちがいい?」
「どっちかから選ばないとだめ?」
「だめ」
「う~ん……それなら、僕は外で凍え死ぬのを選ぶかな」
「どうして?」
「僕の人生はずっと病室に閉じこもったままだから。病気だって治す方法がなくてゆっくりと体が蝕まれていくのを止めることしかできない。それならいっそ外に出て、行きたいところにいって死んでしまった方がいいと思ったから」
どうせ死ぬしかないのなら、その方が絶対にいい。
燈がそう説明すると、鬼谷は「そっか」と呟く。
「私は後者を選択した。外の寒さはとても辛くて。ひもじくて。そんな場所から抜け出せるのなら、なんだって受け入れれるとそう思ったから。でも……結局私は受け入れられなかった。暖かくても、寂しさには耐えられなかった。だから、私は逃げ出した」
「逃げ出した? いったい何の話なのさ?」
「…………ごめん。なんでもない」
鬼谷はこちらを向いて笑った。
「外があまりに寒そうだから、ちょっと感傷的な気分になっちゃったみたい」
「らしくないよね」と言って笑う鬼谷を見て燈は悲しい気持ちになった。
いつもと変わらずに見える笑顔。それが今にも壊れてしまいそうに見えたから。
「鬼谷さんには僕がいるよ」
「燈君……」
「僕の病気は今の医療じゃ治すことが出来ないからね。ここから離れる事は出来ない。だから僕から離れることはないよ。鬼谷がいなくなるその時まで。僕はずっと一緒にいる。今までだってそうだったでしょ」
燈が言うと、鬼谷はくすくすと笑う。
「なにさ?」
「だって、なんだかそれ。告白……いえ、プロポーズみたいだもの」
「な……っ」
燈は驚き、顔を赤くする。
「いや~、モテるおなごは辛いですな」
「なんだよ……折角気を使ったのに」
「いや~ん。機嫌悪くならないで~。本当に嬉しかったよ~」
「もういいよ」
ふざける鬼谷に顔を逸らすと、氷のように冷たい感触が手に乗った。
「……本当に、嬉しいよ。そんな事言われたの――そんな風に扱われたのは初めて……だから私も約束するよ」
「鬼谷さん?」
「私も燈君と一緒にいる。何が起きても、私は君から離れない」
「……鬼谷さん」
彼女の真剣な眼差しに、燈はドキリとした。
すると間を置かずに鬼谷は表情を崩す。
「って、改めて言うまでもなく一緒にいるんだけどね~」
「……折角綺麗な表情だったのに、なんだか全部台無しだよ」
「お、嘘。美人だった?」
鬼谷は言ってからキリリと目に力を入れる。さっきまでの重い空気はなんだったのか。
燈は呆れた表情で鬼谷を見た。「全然美人じゃない」
「もう12月も中盤か」
病室に設置された卓上カレンダーを見ながら燈は言った。
12月に入ってからというもの、一度倒れはしたが体調は比較的安定していた。それに合わせて食事の量もほんの少しだけ増えていて。身体も普段より動くようになっていた。今年もなんとか超える事は出来そうだ。
長く入院しているせいで、このまま治るのでは。とは思えなかったがそれでも体調が良いと気分も上がってくるもので、燈の方から鬼谷の病室に向かう回数も増えていた。
「ご馳走様でした」
食事を終わらした燈はテーブルを避けるとベッドから降りる。
カレンダーの横にある雑誌を取って病室を出た。
手に持ってるのはクロスワードをまとめた雑誌だった。この間見舞いに来た親が購買用の小遣いを渡してくれて、燈はその日の内に購買に出向き、雑誌を購入していた。
燈は別段パズルが得意なわけではない。
だが購買の中で鬼谷と二人で遊ぶのはこれぐらいしかなかった。いわば妥協品だ。それでも燈は鬼谷の病室に向かう間、ずっとわくわくとした気持ちを持っていた。
処置室の前まで来て燈は足を止める。
頭の中には鬼谷の事を聞いた記憶が戻ってきていた。
鬼谷も燈と同じで好調が続いているようで、あの日以降一度も病室が閉じられている事はなかった。だけど悪い記憶が足を引っ張り、処置室の近くを通るのに物怖じしてしまう。
処置室の扉を監視するように見つめながら通り過ぎようとすると、話し声が聞こえてくる。
医者が詰めている場所だったから話し声がするのは当たり前ではあったのだが、燈はどきりとした。
「……」
燈はその場に止まる。
距離が遠くて何を話しているのかは聞こえていなかったが、もしも悪い話だったらどうしようと気になって仕方がなかった。
このまま近づいて、聞き耳を立てようか。
そう思う気持ちと葛藤して、悩んだ末に燈はその場を離れた。
余計な事を聞いてまたしても体調を崩してしまったら、鬼谷と遊ぶことが出来なくなってしまう。その気持ちが好奇心に勝っていた。
鬼谷の病室につくと扉が開いていた。部屋の中から鬼谷と別の女性の声が聞こえてくる。どうやら問診か何かしているようだ。
燈は終わるまで待っていようと扉の脇に座り込んだ。
「特に変化は見当たらないってことね」
「えぇ。今のところは。寧ろ一番元気かも知れません」
「そう、それはよかったけど……覚悟だけはしといた方がいいかもね」
「……はい」
聞こえてくる会話に燈はその場に座り込んだことを後悔した。
覚悟。僕たちみたいな延命処置をされている人間にとっては死の宣告にも等しい言葉。それが彼女の病室から聞こえてきてしまった。
まさかと思った。気が付けば持ってきた雑誌を強く握り、クシャクシャにしてしまっていた。燈はその事にも気づかず。耳に神経を集中させる。
「治ることは、ないんですか……?」
鬼谷の声が聞こえる。
「……はっきり言うけど。今生きてる時点で奇跡に近いの。症状も肝機能が目立つだけで他は軽度で収まっているけど、MRIの数値はあまり良くないし人工透析の頻度も上がってきている。回復は難しいと思うわ」
「じゃあ……どのくらい、生きれるんですか?」
「わからないわ。さっきも言ったけど、生きてるのが奇跡に近い状態なの。明日急変するかも知れないし。もっと長く生きれるかもしれない。でも、数か月……春を超えることは難しいかも知れない」
「……」
「もちろん私たちも努力する。燈君を死なせはしないつもりよ。でも、やはり万一があるから、急に彼がいなくなったとしても、鬼谷さんには理解しておいて欲しいの」
「……」
鬼谷が黙り込み、辺りが静かになる。そんな事が気にならないくらいに僕の心はざわついていた。
彼女が話していたのは僕の話だ。春を待たずに僕が死ぬという話をしているんだ。
驚くくらいに頭がすっきりとしている。その癖心臓はバクバクと身体を突き抜けるぐらいに鼓動していた。
「ごめんなさい。辛い事を言ってしまって」
「……いえ」
看護師の足音が聞こえて燈は慌てて病室を離れた。
自分の部屋に戻るとすぐさまベッドに飛び込んで布団で体を覆い隠す。頭の中ではさっきのやり取りをずっと反芻していた。
僕は、もうすぐ、死ぬ?
体は今までにないくらい元気だし、食べる量だって増えている。それなのに死んでしまうって?
燈は信じる事ができなかった。鬼谷は僕の存在に気付いていて、意地悪してそんな会話をしているのだとすら思った。
だが違う。彼女はそんな悪質な意地悪なんてしない。看護師だってそんな事に賛同したりはしない。
つまり、僕は死ぬのだ。
いつかその日が来るとはわかっていたけど、とうとうその日がやってくるのだ。
だから看護師は、特別仲がいい彼女に伝えに来たのだ。僕につられて体調を崩さないように。
「う……ふっ……ぐぅ…………」
涙が溢れ出てきて止めることが出来ない。一緒に声も溢れそうだったけど、口に手を当てて必死に押し殺した。
このタイミングで僕が泣き叫んでいたら聞き耳を立てていたことを気付かれてしまうかもしれない。それで鬼谷が気を病んでしまったらと考えると、自然と嗚咽を抑え込んでいた。
時間が止まったような感覚の中、燈はずっと泣き続けていた。
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