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第六章 出立
二節 家族
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二節
「・・・アストラさん・・・。」
「おお、ユーリじゃないか。どうしたんだ?」
「・・・ラルフ・アストラという名前に聞き覚えはありますか?」
「・・・え?」
「マー族と人間のハーフの人です。」
「ラルフが・・・どうした?」
「・・・殺しました。」
「は?」
「殺しました。」
「っ!・・・・。・・・いや・・・なにかあったんだろう?」
「ラルフ・・・さんは」
「ラルフでいい」
「わかりました。ラルフは、軍を・・・。率いていました。この村を襲った人たちと同じ鎧を身に着けた人たちを。その軍が杜に攻め込もうと進軍していたので襲撃しました。最初は兜を被っていて誰かはわかりませんでしたが、途中で脱げて発覚しました。最期は・・・。その。自害されました。」
「・・・そうか。」
その後、深いため息をつき、独り言のように話し始めた。
「ラルフは腹違いの弟で・・・私は両親ともマー族だったがあいつは人間とのハーフでな。昔はよくそんなことでいじめられていた。あいつは母親・・・闇の国の人間に引き取られた。数年後この村に帰ってきたときには、もう立派な大人だったよ。ただまぁ・・・あいつが向こう側の人間になっていたとは・・・。それは知らなかったな・・・。」
「話を遮るようで申し訳ないのですが、何故最初からアストラとしか名乗らないんですか?」
「・・・。この村の長・・・というか、我々妖精は巫女になるときに名を捨てるんだよ。だから、代々継がれているアストラになったんだよ。」
「なら・・・どうしてラルフもアストラ・・・と?」
「・・・さぁな。」
おっちゃん・・・いや、ラルフがアストラさんの家族だったことを知った今。殺したことを後悔した。最期は自害だったとしても、そこに追い込んだのは自分だ。こうして悔やまれるなら殺さなければいいと言われるかもしれない。でも、殺らなければ殺られる世界。敵を討つべき時に討たないと自分が討たれるのだ。・・・そうだとしたら仕方ない・・・。仕方ないと思い込まないと。
「まぁ、終わったことだ。人にしろ妖精にしろ、死ぬときは死ぬ。ラルフが・・・お前に曲がった道を正されただけの事だ。あまり気にしなくていいぞ?」
「・・・はい。」
「ところで、何か用があってきたんだろう?」
「まぁ、はい。そうです。・・・今リ・・・ウンディーネ様が外出されてるでしょう?それで、アリアから四大精霊が集まるのは戦争の予兆と聞いたので・・・。それに、僕は数日外出すると聞いたんですが、それから3週間弱・・・いや20日程経っています。それで少し心配になって・・・。もしほかの国の精霊も戻っていないのなら、何かあったのではないか、と。」
「・・・他国に渡りたい、ということか?」
「要約するとそんな感じです。」
「ふむ・・・。一番近いのは水の国の北にある火の国だと思うが・・・。行き方か・・・。水の国の最北端にある街、アクトゥルムから船で行くのが一番早いと思うぞ。」
「なるほど。・・・というか今まであまり気にしてなかったんですが、やっぱり船に乗るとなるとお金かかりますよね・・・。」
「そりゃあまあ、な。というか、金はあるのか?」
「いやぁ・・・それがほぼ無一文みたいなもんで。これならあるんですが・・・。」
そう言って小銭を見せる。一応892円分あるが、こっちの世界で使えるかは全く不明だ。
「ふむ・・・。見たことない貨銭だな。書いてある字もどこの言葉かわからん・・・。パッと見銀貨と銅貨に見えるが・・・。これはどこの国のなんだ?」
「えっと~・・・。まぁ、リ・・・ウンディーネ様から貰ったものです。」
すまんリム、言い訳に使わせてもらうよ・・・!
「ふむ・・・。意外と精霊様でも人間の硬貨など興味あるものなんだな。」
「そ・・・そうみたいですね。」
「とりあえずこれを質屋に売って、それでも足りなかったら魔物の討伐なんかをして稼げばいいんじゃないか?お前の力ならそこらの魔物は倒せるだろう。」
「そうですか・・・。わかりました。じゃあ、取り敢えずアリアと相談してアクトゥルム・・・でしたっけ。そこに向かってみます。」
「ああ、気を・・・。まて、アリアも連れていくのか?」
「・・・ええ、まぁ。」
「大丈夫か?」
「大丈夫で」
「お前ひとりで守れるのかと聞いてるんだ。さっきまでの話はお前ひとりの場合だ。お前の戦闘能力は十分ある。だが、アリアにはそれがない。戦い方を今から学ぶのも無理だろうし、ヒールやキュアが使えようが使えまいが、それだけではカバーできる限界がある。お前の肩の傷の時がいい例だ。アリアにあんなことが起きないなんて言いきれないんだぞ?」
「それでも。それでも守るって決めたんです。言ったからには守り切って見せますよ。」
「・・・覚悟はできてる、ということか。・・・とにかく、人でも魔物でも、殺しといて自分は死なないななんて事はないからな。」
「・・・はい。」
話を終えると、社を出、ウルリアの村の方に飛び立った。確かに自分だけが生き残れるなんて虫のいい話、ないよな。・・・覚悟はできていたつもりだったが、改めて念を押されると不安になってくる。自分だって死にたくはないし、アリアにも死んでほしくはない。こう一緒に過ごしていると、家族のように思えてくる。この世界の、もう一つの家族みたいなものだ。家族を失いたくはない。・・・よく考えたら俺はアストラさんの家族を・・・殺したんだよな・・・。本当に・・・自分やアリアだけ生き残るなんて虫のいい話あるはずないのに、そう思いたくなるのは傲慢なんだろうか・・・。
「・・・アストラさん・・・。」
「おお、ユーリじゃないか。どうしたんだ?」
「・・・ラルフ・アストラという名前に聞き覚えはありますか?」
「・・・え?」
「マー族と人間のハーフの人です。」
「ラルフが・・・どうした?」
「・・・殺しました。」
「は?」
「殺しました。」
「っ!・・・・。・・・いや・・・なにかあったんだろう?」
「ラルフ・・・さんは」
「ラルフでいい」
「わかりました。ラルフは、軍を・・・。率いていました。この村を襲った人たちと同じ鎧を身に着けた人たちを。その軍が杜に攻め込もうと進軍していたので襲撃しました。最初は兜を被っていて誰かはわかりませんでしたが、途中で脱げて発覚しました。最期は・・・。その。自害されました。」
「・・・そうか。」
その後、深いため息をつき、独り言のように話し始めた。
「ラルフは腹違いの弟で・・・私は両親ともマー族だったがあいつは人間とのハーフでな。昔はよくそんなことでいじめられていた。あいつは母親・・・闇の国の人間に引き取られた。数年後この村に帰ってきたときには、もう立派な大人だったよ。ただまぁ・・・あいつが向こう側の人間になっていたとは・・・。それは知らなかったな・・・。」
「話を遮るようで申し訳ないのですが、何故最初からアストラとしか名乗らないんですか?」
「・・・。この村の長・・・というか、我々妖精は巫女になるときに名を捨てるんだよ。だから、代々継がれているアストラになったんだよ。」
「なら・・・どうしてラルフもアストラ・・・と?」
「・・・さぁな。」
おっちゃん・・・いや、ラルフがアストラさんの家族だったことを知った今。殺したことを後悔した。最期は自害だったとしても、そこに追い込んだのは自分だ。こうして悔やまれるなら殺さなければいいと言われるかもしれない。でも、殺らなければ殺られる世界。敵を討つべき時に討たないと自分が討たれるのだ。・・・そうだとしたら仕方ない・・・。仕方ないと思い込まないと。
「まぁ、終わったことだ。人にしろ妖精にしろ、死ぬときは死ぬ。ラルフが・・・お前に曲がった道を正されただけの事だ。あまり気にしなくていいぞ?」
「・・・はい。」
「ところで、何か用があってきたんだろう?」
「まぁ、はい。そうです。・・・今リ・・・ウンディーネ様が外出されてるでしょう?それで、アリアから四大精霊が集まるのは戦争の予兆と聞いたので・・・。それに、僕は数日外出すると聞いたんですが、それから3週間弱・・・いや20日程経っています。それで少し心配になって・・・。もしほかの国の精霊も戻っていないのなら、何かあったのではないか、と。」
「・・・他国に渡りたい、ということか?」
「要約するとそんな感じです。」
「ふむ・・・。一番近いのは水の国の北にある火の国だと思うが・・・。行き方か・・・。水の国の最北端にある街、アクトゥルムから船で行くのが一番早いと思うぞ。」
「なるほど。・・・というか今まであまり気にしてなかったんですが、やっぱり船に乗るとなるとお金かかりますよね・・・。」
「そりゃあまあ、な。というか、金はあるのか?」
「いやぁ・・・それがほぼ無一文みたいなもんで。これならあるんですが・・・。」
そう言って小銭を見せる。一応892円分あるが、こっちの世界で使えるかは全く不明だ。
「ふむ・・・。見たことない貨銭だな。書いてある字もどこの言葉かわからん・・・。パッと見銀貨と銅貨に見えるが・・・。これはどこの国のなんだ?」
「えっと~・・・。まぁ、リ・・・ウンディーネ様から貰ったものです。」
すまんリム、言い訳に使わせてもらうよ・・・!
「ふむ・・・。意外と精霊様でも人間の硬貨など興味あるものなんだな。」
「そ・・・そうみたいですね。」
「とりあえずこれを質屋に売って、それでも足りなかったら魔物の討伐なんかをして稼げばいいんじゃないか?お前の力ならそこらの魔物は倒せるだろう。」
「そうですか・・・。わかりました。じゃあ、取り敢えずアリアと相談してアクトゥルム・・・でしたっけ。そこに向かってみます。」
「ああ、気を・・・。まて、アリアも連れていくのか?」
「・・・ええ、まぁ。」
「大丈夫か?」
「大丈夫で」
「お前ひとりで守れるのかと聞いてるんだ。さっきまでの話はお前ひとりの場合だ。お前の戦闘能力は十分ある。だが、アリアにはそれがない。戦い方を今から学ぶのも無理だろうし、ヒールやキュアが使えようが使えまいが、それだけではカバーできる限界がある。お前の肩の傷の時がいい例だ。アリアにあんなことが起きないなんて言いきれないんだぞ?」
「それでも。それでも守るって決めたんです。言ったからには守り切って見せますよ。」
「・・・覚悟はできてる、ということか。・・・とにかく、人でも魔物でも、殺しといて自分は死なないななんて事はないからな。」
「・・・はい。」
話を終えると、社を出、ウルリアの村の方に飛び立った。確かに自分だけが生き残れるなんて虫のいい話、ないよな。・・・覚悟はできていたつもりだったが、改めて念を押されると不安になってくる。自分だって死にたくはないし、アリアにも死んでほしくはない。こう一緒に過ごしていると、家族のように思えてくる。この世界の、もう一つの家族みたいなものだ。家族を失いたくはない。・・・よく考えたら俺はアストラさんの家族を・・・殺したんだよな・・・。本当に・・・自分やアリアだけ生き残るなんて虫のいい話あるはずないのに、そう思いたくなるのは傲慢なんだろうか・・・。
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