【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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無い物ねだりだっていいじゃない!※

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「イル!おかえりっ!」

俺は恋人が玄関の扉を開けたと同時に飛びついた。

頭の上に生えてる三角のケモ耳は黒いけど髪の色はキャラメル色。尻尾がもふもふのイヌ族。多分コリー辺り。透き通る白い肌にスラッとした鼻筋、深い海の様な藍色の瞳。うん、いつ見ても綺麗!カッコイイ!大好き!

いつも俺の方が遅いからね、ちょっとびっくりした顔も素敵だね。ぇ、別に外回りが早く終わって戻るのが嫌だったから直帰した訳じゃないよ?まぁ、戻ってたらきっと早く帰れることは無かったと思うけどね。ははは。

イルヴェス・ラフホワイト。公爵家の次男の21歳。何でも長男より優秀と言われ続けて、それが嫌で魔法研究棟の研究職に入ったらしい。俺がイルに出会った時は既に魔法省に入ってたからよく知らないけど。

兄と比べられるのが嫌だから早く俺と一緒に田舎に引きこもりたいっていつも言ってる。俺も早く団長なんて辞めて田舎でイチャイチャスローライフしたいよぅ。

「ん、ただいま。・・・あれ、ご飯作ってくれたの?」
「大丈夫、イルが作り置きしてた肉団子のソース温めてパスタ茹でてるだけだから。」
「パスタちゃんと測ってる?」
「大丈夫だよ、7分でしょ!もうすぐタイマー鳴るから!温めるのと茹でるくらいは出来るよ!」

んもぅ!もぅもぅ!と怒ってると頭をふわりと撫でられた。

「ぁぁ、ごめんごめん。ちょっと心配になっちゃって。」
「俺、ご飯に対してはイルの信頼無さすぎだよね。」

そうなのだ。俺、ご飯のことに関してはイルだけに限らず騎士団の団員からも信頼が一切ない。俺もどうしてか分かんないんだけど、煮込み料理は似すぎてなのか具が溶けかかってるし、味付けも思い通りできないし、なんかもういろいろ酷いんだよね。何でかな。

その後イルがスープとサラダをチャチャッと作ってくれてご飯を食べて、片付けしてお風呂。

ふふふ、今日はイルのモフモフの尻尾をブラッシングさせて貰うんだ!イルの尻尾は長毛でモッフモフしてて最高なんだよね。んふふふ!

先にお風呂から出た俺は、オイルと櫛を手にイルをベッドで待っていた。今日のオイルはアップルフラワーの香り!これから涼しくなってくるから爽やかだけど華やかな温かみのある香り。うん、良いね!

お風呂から出てきたイルを早速ベッドへ連れて行く。
うつ伏せにさせたイルの腰辺りから生えてるもふもふにまずは顔を埋める。お風呂上がりだからふわふわもふもふ、石鹸のいい香り。

ある程度堪能したらオイルを少量手に取って両手で擦りながら温めていく。それを手櫛のようにして尻尾を梳いていく。手で触ってるだけでも気持ちいい。

「イル、気持ちいい?」
「ぁー、キモチイイデス。っていうか本当に好きだよね耳と尻尾。何がそんなに良いんだか。」
「ぅん?浪漫だよ?フサフサのもふもふなのにサラサラって最高じゃん?イルなんか整った綺麗なお顔に黒いカッコ良くて可愛いお耳が生えてるとか悩殺しにかかってきてるでしょ?耳がピコピコ動くとか可愛すぎてギャップ萌えだよ!?・・・っていうかさぁ、尻尾や耳って性感帯って聞くけど本当なの?いつも触らしてくれるけど。」
「ガイ以外には絶対に触らせないよ。ガイだから触らせてるんじゃん。」

うーん、それはやっぱり性感帯って事かな。
オイルが全体に行き渡ったから今度は櫛で梳かしていく。
んふ、性感帯かぁそっかぁ~。
毛量の多い中頃辺りから先端に向けて櫛を通して根元を空いてる手でマッサージをするみたいにもんでみる。ぁ、意外とコリっとしてる?ん~この感触ちょっと面白いかも!

「ん、ん゙ん゙っ。ちょっガイ揉むな!」
「ん?思ってたより固かったから凝ってるのかと思って。」
「はぁぁあ゙あ゙。ガイ明日仕事は?」
「んー、いつも通り。」
「次の休みは?」
「知らない。暫くは無いんじゃない?」

これは!もしかしたら!?
期待を込めて尻尾の付け根をもみもみ。もみもみ。

「わっ」

突然尻尾がぶわっと俺の顔目掛けて迫って来た。それからバシバシ俺の顔目掛けて叩かれる。
尻尾だから痛くはないんだけど突然何!?なんで怒った!?口に毛が入っちゃうぅぅ。ぁぁ、でもこれはこれで、幸せかもしれない。。。んふ。

ある程度そのまま尻尾のふわふわペシペシ感に浸っていたら体を起こしたイルに抱かれてぽふんとベットに倒された。ベッドで2人横向きで向き合ってる状態だ。

イルの胸元に擦り寄って隙間を埋める。そのまま顔を擦り付けてスンスンとイルの匂いを堪能する。

「んふふ、石鹸の良い匂い~。はぁ。イル、好き。大好きぃぃぃ。」

頭グリグリ匂いスンスン、グリグリスンスン、グリグリスンスン、背中に手を回してぎゅぅうっとしがみつく。

「ガイ、こっち向いて。」
「ん。ふっぅん、はっむぅんっんっふっ、んっふぁっ」

イルの体温で眠くなってきた頃に呼ばれて顔をあげたらキスされた。イルの舌が唇の隙間からねるっと入ってきて、歯列をなぞり舌を絡め取り口内を蹂躙される。
キスされながら腰を引き寄せられて下半身にイルの硬くなったモノが押し付けられた。
イルの目を見ると藍色の瞳がギラギラしている。はぁぁ、これは獲物を狩る時の目だ。
俺はもうその視線だけで背中がゾクゾクっと歓喜に震えた。

「はぁぁぁ。イル、かっこいい。」
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