【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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真面目で可愛い俺の嫁

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朝起きたらガイは既に居なかった。

短髪がちょっと伸びてしまってほわほわの黒髪に、大きくもなく小さくもなくちょうどいい大きさの目。その目には焦げ茶の瞳かと思いきや朝日や夕日に照らされると琥珀色に輝く不思議な色のそれと、これまたちょうどいい大きさの鼻とカサつき気味のピンク色の唇。
大型獣人に比べたらとても小柄な愛しの人を探してみるけどやっぱり居ない。

今日ぐらい休んじゃえばいいのに。そういう所無駄に真面目なんだよねぇ。いつも辞めたい辞めたいって言ってるのに、変に責任感強いんだから。もういっその事何処かに閉じ込めちゃおうか、なんて出来るはずも無いしやる気も更々無いけれど。そろそろ本気で休ませないと。
前回いつ休んでたっけ、ぁぁ、3ヶ月も前じゃないか。
魔力量は昨日俺が沢山注いだし、ガイも気を付けてるから大丈夫だとは思うけど、体の方がそろそろ限界だろうな。・・・体格の割に魔力量の多さ、魔力の扱いに長けてるのも良くないんだろうなぁ。
また熱を出してしまうかも知れない。体調不良で休ませるくらいなら元気な日に休んで一日中抱き潰してたいなぁ。ぁーそういやそんな休みもガイが団長になってから全然無いじゃないか。

そんな事を考えながら準備をして出勤して気がついたら朝礼の時間も終わっていた。

はぁ。今日も腰痛い中真面目なガイはきちんと朝シャワー浴びて言ったんだろうな。レスト様が凄い顔するって言ってたもんなぁ。まぁ俺もその為にやってんだしねぇ。腰痛い中頑張って書類捌いてんだろうなぁ。めっちゃ腰酷使したよね、俺が。ふ、俺がガイの腰を酷使、ふふ、ふふふふふ。

「ぇ、何?気持ち悪いからニヤニヤしないで仕事してくれ?」

同じ研究チームの先輩が俺の前に書類を置きながら言ってきた。

「は?気持ち悪い?うちの嫁は天地がひっくり返るほど可愛いですけれど?」
「あー!あー!何も聞こえなかった。とりあえず仕事してくれ!」

はいはい!今日は昨日までの臨床データまとめて明日以降の足りない実験とかやりたい事まとめて!と先輩は書類やデータを配りながらチームメンバーに伝えている。

今、このチームで開発しようとしている薬は湿布薬で筋肉疲労等に効くもの。しかもこれから冬に向けて寒くなって来るのに、通常の今ある湿布ではスースー感じて涼感があるものが殆どで寒くて凍え死ぬ!という愛おしのガイの要望により温かく感じるような音感湿布を誠意開発中である。

いや不調があるなら神殿いけばいいじゃんっていうのもあるんだけど、庶民からしたら高いしね。あとこれはガイからしか聞いた事ないけど「体が自分の意思とは関係なしに動かされてる感じが不快」と言っていた。自分の意思で怪我とか何してるの?って1度聞いたことがあるけどそうじゃないって一蹴された。時々ガイの言ってる事は理解できない。

拾われ子だし、国境の山村の出自だし、都会育ちの俺には理解出来ないものがあるんだろうな。

ガイは拾われ子だから年齢がはっきりしていないのもあるけどあの容姿は本当に18歳なのかな。ヒト族は幼く見えがちだと文献にもあったがそれにしても下手したら大型獣人の15歳と同等かそれより幼く見える。やっぱり1度無理にでも採血させて神殿に検査依頼出そうか。でも絶対ガイは嫌がるしなぁ。ガイの嫌がることはなるべくしたくないけど、年齢がはっきりしないままなんて、今後名実共に嫁になった時に何かありそうだし。こういう時公爵家って本当に面倒だ。どうせ次男なんだから好きにさせてくれればいいのに。


はぁ。と溜息を吐いて仕事に意識を切り替えた。

配られた手元の算出データと実験データを見比べて考える。
ぁぁ、やっぱり発熱重視で入れたこの薬草だと本来の出したい効果がおかしなことになってる。でも、これとこれを合わせたら刺激が出るのかそうか。今後何かに使えるかも知れない。ぇぇと、こっちの実験結果はおおよそ予想通りに結果だ。ふむ、そしたら次に実験でははこれとこれを・・・。

仕事に集中してたらあっという間に午前中が終わっていた。

ガイはお昼どうするのかな。まだ腰痛いのかな。痛いよねぇ、酷使したもの、俺が。
あー、昨日あんなに抱いたのに会いたい。むしろ久しぶりにガッツリ抱いたから会いたい。
今日は昨日と違って帰り遅いんだろうなぁ。
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