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後輩の月に一度の百面相の日
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俺の名前はリトラグト・クインド。24歳のクズリ族だ。
父が魔道具の開発者で暑い夏を乗り越える為に作った冷風機という魔道具が当時の陛下に気に入られて男爵位を賜った一代貴族である。因みに家名はクールウインドからもじって、というか略してクインドになったらしい。このセンス俺にはよく分からないし、理解したくもない。
それは置いておいて。
一代貴族だから世襲は出来ないし、俺は魔道具は作れない。興味もないし、作ろうとも思ったことは無い。
それでも一応爵位有る貴族の一員として学園に通わせて貰うことが出来て、ここ王宮内にある魔法研究棟の薬学研究部に就職することが出来ている。
魔法研究棟の中にある部ではあるが、薬に関する研究・開発を行っていて正直魔法についてはあまり関わりがない、魔法研究棟にある部の中でもあまり昇進もない、給料も他に比べて高くない、まあ言ってしまえば不遇職になる。
なぜ魔法研究棟内の部に分けられているのかと言うと、扱う薬草や野草に魔力の含まれるものがあるからだ。全体数の1割程ではあるが。
ま、俺としては結婚して家を出たら平民になってしまうけれども食いっぱぐれの無い職に就けたから御の字である。平民になったからって追い出される訳でもないしね。今恋人居ないから結婚なんて遠い夢だけども。
ああ、恋人欲しい。
そんなことを思うのも、今目の前で何か悩んでいる顔の後輩、イルヴェス・ラフホワイトの影響が少なからずあると思う。
彼の恋人は今専ら話題の、騎士団団長のガイウスという一見少年の様にも見えるヒト族の平民である。
彼の容姿はここ獣人だらけの国では特に目立つ。毛の生えてないつるりとした顔の横についてる耳に尻尾の生えてない腰周り。最初見た時の感想は なんだこれ? だったよ。だって耳は頭の上にあるのが普通で尻尾だって腰の下おしりの上に生えてるもんだろ?ヒト族なんてこの国に来る行商人にも殆ど居ないし、物語にたまーに出てくるくらいなんだぜ?そもそもこいつは生き物なのかって疑っちゃうくらい当然だろ?
俺の3つ下の後輩。イルヴェスの顔を見て思う。きっと昨日も愛する恋人に匂い付けしてたんだろうなぁ。少し前に出来る時は毎日してるとか言ってたしな。
悩んでるくらいなら放っておこう。それが平和。
朝礼を終えて研究チームに別れて今日のやることの擦り合わせをサラッとする。メンバーごとに研究内容や結果等をそれぞれ配っていたらイルヴェスが今度はにやにやし出した。
え!こっわ!気持ち悪っ!
そーいやこいつ月に1度くらい百面相の日があるんだよな。大体が恋人を抱き潰してしまって腰が心配だとか、疲れが溜まってるの知ってるのにある程度で止めてあげられなかったとか、上目遣いでキスを強請ってくるから暴発しそうでもちろんその後は思う存分堪能したとか、とかとか。
「ぇ、何?気持ち悪いからニヤニヤしないで仕事してくれ?」
つい口を吐いてしまった。
あー、俺も恋人欲しい!
「は?気持ち悪い?うちの嫁は天地がひっくり返るほど可愛いですけれど?」
「あー!あー!何も聞こえなかった。とりあえず仕事してくれ!」
変に反応すると恋人可愛い自慢が始めるので聞こえなかった振りをする。いやサラッと嫁って言ってたけどまだ付き合ってるだけじゃん!?同棲し始めた位じゃん!?
それにただの可愛い自慢なら良いんだけど、いや恋人がいない俺にとっては嫌味にしかならないんだけども!
そのうち、彼の上目遣いがうんちゃらかんちゃら、感じている顔がどーのこーのって自慢話に「はいはい、それは可愛いですね」なんて適当に応えたら「は?人の恋人で想像してるんですか?」ってキレられるからね!?キレられたからね!?
仕事をしてくれ仕事を!
あーもー俺も可愛い恋人欲しいなぁ!と思いながら仕事に入る。
ええと、まだ混ぜた事がない薬草はこれとこれとー・・・、午前中はあっと言う間に過ぎていった。
午後。イルヴェスの百面相はっとどうやら治まったみたいだなぁ、あー良かった良かっ、えええ、ちょっおおいおい!?
資料と薬草を見比べてたイルヴェスが突然顔を上げ、耳をピクっと動かして突然出入口に向かって歩き出してしまった。
「おい待てイルヴェス!何処に行くんだ?」
慌てて追いかけたらぼそっと「ガイが来てる」と言った。
いやいやいやいや!?来てるからって職務放棄していい訳じゃないからね!?
そのままイルヴェスは部屋の扉を開け、続けて塔の入口の扉も開けたら、居たのだ。黒髪のちっちゃいのが。いや、ええと、イルヴェスに隠れて黒髪しか見えなかったけどあの色はガイウス君しかいない!
そして俺は急いで研究部室に続く扉を閉めた。風の入り込み禁止!風に乗って侵入を試みる何かも禁止!扉は開けたらすぐ閉める!これ特にここでは大事ぃ!
とかやってたら何でかイルヴェス達が喧嘩?してた。
待って待ってどういう状況ですか?
あ!イルヴェスが突き飛ばされた!ガイウス君が「着いてくんじゃねぇ!」って怒って、走ってこっち来た!え?え?俺どうすればいいの?
「リトラグト様こんにちは!クラウド先生は本日は研究室でしょうか?」
「あ、はい、こんにちは。教授は5階に居ると思いますよ。」
「ありがとうございます!急ぎますので失礼しますっ」
そう言って階段を駆け上っていってしまった。
俺対応間違ってないよな?うん、間違い様が無いよな!?
イルヴェスを見ると突き飛ばされた格好のままだったので心配になって近づいた。
「ガイに、ガイに突き飛ばされた・・・。」
半ば放心状態のイルヴェスに何か言ってやらねばと思って口から出た言葉はこれだった。
「ぁー、ぇぇと、ぇぇと、遅い反抗期、かな?」
父が魔道具の開発者で暑い夏を乗り越える為に作った冷風機という魔道具が当時の陛下に気に入られて男爵位を賜った一代貴族である。因みに家名はクールウインドからもじって、というか略してクインドになったらしい。このセンス俺にはよく分からないし、理解したくもない。
それは置いておいて。
一代貴族だから世襲は出来ないし、俺は魔道具は作れない。興味もないし、作ろうとも思ったことは無い。
それでも一応爵位有る貴族の一員として学園に通わせて貰うことが出来て、ここ王宮内にある魔法研究棟の薬学研究部に就職することが出来ている。
魔法研究棟の中にある部ではあるが、薬に関する研究・開発を行っていて正直魔法についてはあまり関わりがない、魔法研究棟にある部の中でもあまり昇進もない、給料も他に比べて高くない、まあ言ってしまえば不遇職になる。
なぜ魔法研究棟内の部に分けられているのかと言うと、扱う薬草や野草に魔力の含まれるものがあるからだ。全体数の1割程ではあるが。
ま、俺としては結婚して家を出たら平民になってしまうけれども食いっぱぐれの無い職に就けたから御の字である。平民になったからって追い出される訳でもないしね。今恋人居ないから結婚なんて遠い夢だけども。
ああ、恋人欲しい。
そんなことを思うのも、今目の前で何か悩んでいる顔の後輩、イルヴェス・ラフホワイトの影響が少なからずあると思う。
彼の恋人は今専ら話題の、騎士団団長のガイウスという一見少年の様にも見えるヒト族の平民である。
彼の容姿はここ獣人だらけの国では特に目立つ。毛の生えてないつるりとした顔の横についてる耳に尻尾の生えてない腰周り。最初見た時の感想は なんだこれ? だったよ。だって耳は頭の上にあるのが普通で尻尾だって腰の下おしりの上に生えてるもんだろ?ヒト族なんてこの国に来る行商人にも殆ど居ないし、物語にたまーに出てくるくらいなんだぜ?そもそもこいつは生き物なのかって疑っちゃうくらい当然だろ?
俺の3つ下の後輩。イルヴェスの顔を見て思う。きっと昨日も愛する恋人に匂い付けしてたんだろうなぁ。少し前に出来る時は毎日してるとか言ってたしな。
悩んでるくらいなら放っておこう。それが平和。
朝礼を終えて研究チームに別れて今日のやることの擦り合わせをサラッとする。メンバーごとに研究内容や結果等をそれぞれ配っていたらイルヴェスが今度はにやにやし出した。
え!こっわ!気持ち悪っ!
そーいやこいつ月に1度くらい百面相の日があるんだよな。大体が恋人を抱き潰してしまって腰が心配だとか、疲れが溜まってるの知ってるのにある程度で止めてあげられなかったとか、上目遣いでキスを強請ってくるから暴発しそうでもちろんその後は思う存分堪能したとか、とかとか。
「ぇ、何?気持ち悪いからニヤニヤしないで仕事してくれ?」
つい口を吐いてしまった。
あー、俺も恋人欲しい!
「は?気持ち悪い?うちの嫁は天地がひっくり返るほど可愛いですけれど?」
「あー!あー!何も聞こえなかった。とりあえず仕事してくれ!」
変に反応すると恋人可愛い自慢が始めるので聞こえなかった振りをする。いやサラッと嫁って言ってたけどまだ付き合ってるだけじゃん!?同棲し始めた位じゃん!?
それにただの可愛い自慢なら良いんだけど、いや恋人がいない俺にとっては嫌味にしかならないんだけども!
そのうち、彼の上目遣いがうんちゃらかんちゃら、感じている顔がどーのこーのって自慢話に「はいはい、それは可愛いですね」なんて適当に応えたら「は?人の恋人で想像してるんですか?」ってキレられるからね!?キレられたからね!?
仕事をしてくれ仕事を!
あーもー俺も可愛い恋人欲しいなぁ!と思いながら仕事に入る。
ええと、まだ混ぜた事がない薬草はこれとこれとー・・・、午前中はあっと言う間に過ぎていった。
午後。イルヴェスの百面相はっとどうやら治まったみたいだなぁ、あー良かった良かっ、えええ、ちょっおおいおい!?
資料と薬草を見比べてたイルヴェスが突然顔を上げ、耳をピクっと動かして突然出入口に向かって歩き出してしまった。
「おい待てイルヴェス!何処に行くんだ?」
慌てて追いかけたらぼそっと「ガイが来てる」と言った。
いやいやいやいや!?来てるからって職務放棄していい訳じゃないからね!?
そのままイルヴェスは部屋の扉を開け、続けて塔の入口の扉も開けたら、居たのだ。黒髪のちっちゃいのが。いや、ええと、イルヴェスに隠れて黒髪しか見えなかったけどあの色はガイウス君しかいない!
そして俺は急いで研究部室に続く扉を閉めた。風の入り込み禁止!風に乗って侵入を試みる何かも禁止!扉は開けたらすぐ閉める!これ特にここでは大事ぃ!
とかやってたら何でかイルヴェス達が喧嘩?してた。
待って待ってどういう状況ですか?
あ!イルヴェスが突き飛ばされた!ガイウス君が「着いてくんじゃねぇ!」って怒って、走ってこっち来た!え?え?俺どうすればいいの?
「リトラグト様こんにちは!クラウド先生は本日は研究室でしょうか?」
「あ、はい、こんにちは。教授は5階に居ると思いますよ。」
「ありがとうございます!急ぎますので失礼しますっ」
そう言って階段を駆け上っていってしまった。
俺対応間違ってないよな?うん、間違い様が無いよな!?
イルヴェスを見ると突き飛ばされた格好のままだったので心配になって近づいた。
「ガイに、ガイに突き飛ばされた・・・。」
半ば放心状態のイルヴェスに何か言ってやらねばと思って口から出た言葉はこれだった。
「ぁー、ぇぇと、ぇぇと、遅い反抗期、かな?」
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