【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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俺たちの部屋じゃない!※

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「お前ら好きだねその格好。」

ノックして返事を待たずに入ってきたクーグゥ義兄にい様は俺たちを見て開口一番にそう言った。

イルがソファに座って、その膝の上に俺が跨り、手を背中に回してイルの首元に顔を埋めているだけなんだが。

これはイル補充中ポーズである。

「んまぁいいや。ガイウス、夕飯どうする?食えそう?」
「いらな」
「消化の良いものを。パン粥やスープでお願い。」
「イル、俺夕飯いらない。」
「ダメだよ。一口でも二口でも良いから食べないと。それとも吐きそう?気持ち悪い?」
「んーん。イルの薬飲んで寝たら凄くスッキリした。」
「そっか、効いたみたいで良かった。」
「うん。あれすごく美味しくてゴクゴク飲んじゃったよ。薬じゃないみたい。」
「ふふ、ちょっと頑張ったんだ。」
「そーなんだ。いつもありがとう、好きぃ。」
「ん、俺も好き。ちゅっ。」

おでこにキスがちゅっと降ってくる。

「俺はまた何を見せつけられてるんだ?」

クーグゥ義兄にい様が呆れた顔でボヤいてる。

「ぁと義兄にい様もいつもごめん、ありがとう。義母かあ様にも伝えといて。」

俺よりも俺の体調に鋭いからお礼と伝言を伝えたが、恥ずかしいのでイルの首元にすぐ顔を埋めてしまった。

「おう、わかった。」

機嫌の良いクーグゥ義兄にい様の声が聞こえて、その足音が遠ざかっていく。


「なんか機嫌良かった?」
「ああ、ノア様が来てるみたいだからね。」
「俺たちみたいにイチャイチャしてるって事?」
「どうかな?明日の抗議の準備に来てるのかもよ?」
「ふぅん。でも俺、イチャイチャ出来なくてもイルと一緒に居られるだけでも幸せだよ?」
「そっか。俺もガイと一緒に居れるだけで幸せ。」

どちらからとも無く、自然と唇が合わさる。
ちゅっちゅとリップ音を立てる啄むようなキスを繰り返してから舌を絡めあう。くちゅくちゅとした水音を響かせながら口内を貪り貪られ、口内を蹂躙されて息が上がる。

「ガイ、可愛い。大好き、愛してるよ。」
「ん、俺もっ。イルだけ、好き。大好き、愛してるっ」

イルの首に腕を巻き付けて、今度は俺からイルの口に吸い付く。
次は初めから深い深いキス。2人の唾液が混ざりあってじわりじわりと魔力が暖かく感じて気持ちいい。

もっともっとと、イルの頭に手を回してキスを続ける。

くちゅくちゅっじゅるっくちゅ

さっきよりも大きな水音を響かせながらキスに夢中になる。

イルの手が俺の腰から服の下に潜り込み、俺の素肌を撫でる。俺は無意識に下半身をイルにグイグイ押し付けていた。

「は、イルもっと、触って?気持ちいい。」
「こう?」
「はぁぁぅんっ」
「気持ちいい?」
「うんっ。イルに触ってもらうの大好き。」
「魔力流してないよ?」
「うん、わかってる。でも、イルの手、暖かくて撫でられるとゾワゾワってして気持ちい。」
「これは?」
「ひゃうっあっ、あっ、それダメ反則ぅ。んんっ。ぁぁでも好きぃぃぃ。」
「ふふふ。」

イルは両手首から先を獣化して肉球で俺の脇腹をわさわさと撫でてくる。

「はぁぁ。イルのお手々可愛い。好きっ好きぃ~。」

片方の手を出してくれるので、肉球をモミモミして肉球の匂いを嗅ぐ。
なんでイルの肉球ってお日様みたいなポカポカした匂いがするんだろうなぁ。

「ふふふ、ガイ、好きだよ。」
「俺も好きぃ。」

イルが笑いながら獣化した手で頬を撫でるから、うっとりと目を瞑って堪能する。掌とはまた違う、ぷにっとした弾力のある肉球の感触が堪らなく気持ちいい。
影が迫ってきて、また唇が重なる。
今度は明確に魔力を込めた唾液を流し込んできて、こくんっと飲み込むとお腹、喉からじんじん暖いのが広がってきて、全身に弱い快感が走る。

ちゅぱっと、ちょっといやらしい音と共に唇が離れていった。

「いるぅ。キス、気持ちいい。」
「そう、それは良かった。俺もガイとたくさんキスできて嬉しい。」
「俺も。」

イルが獣化した両手でクイッと上を向かせるからもう1回と思って目を閉じたら、首の付け根に吸いつかれた。

「あ、そこだと見えちゃうから、だめぇ。」

ぢゅぅっと一点を思い切り吸われて、痛みとまでは行かない鈍い感覚で跡を付けられた事がわかった。
騎士団の制服を着てもギリギリ見える位置である。

「ふふ、ごめん。もう思いっきり付けちゃった。」
「じゃぁ、俺も付けるし。」

俺もイルの首筋に吸い付く。
思いっきり吸って、めちゃくちゃ鬱血させてあげる!という心持ちで挑むのだが、ぢゅっと吸って離れても薄ら赤くなってるだけ。

・・・なんで?

悔しくて、もう一度同じところに、さっきよりも強く吸い付く。またぢゅっと吸って離れるけれど、先程よりほんの少し色が付いたかな、程度。

・・・なんで?

「ふふふ、ガイに俺の物っていうマーク付けられちゃった。嬉しい。」

なんてイルが凄く幸せそうな蕩けた笑顔で言うものだから、もう1回も出来なくて。

・・・なんだかすごく悔しい。

イルは俺の悔しい思いに気付きもしないのか

「じゃぁお風呂入ったら今度は見えない所にたくさん跡付けていい?」

なんて耳元で言われるものだから期待して心臓はドキドキしちゃうし。

「た、たくさん付けてくれるの??」
「うん。ガイが満足するまでたくさんつけてあげる。」
「俺が、満足するまで?本当に?」
「うん。お風呂の後が楽しみだね。」

ずっと俺の耳元で、俺の大好きな格好良い声で、吐息とともに俺の体に吹き込むから、もう期待で俺の愚息が暴発しそうなぐらいに反応してて。

「イルっイルっ。俺ぇっ、もぅっ」

コンコンっ

ビックゥゥゥ!

部屋をノックする音に、今までに無いほど体が跳ねた。

「え?あ、え???」

あ、ここは俺の部屋だけど、俺たちの部屋じゃない!!
という事実に気づいて焦りだした俺をイルはクスクスと笑う。

「俺が対応してくるから待ってて。」

そう言ってイルは立ち上がって扉に向かって歩いて行く。

ん、あ、俺の愚息が!どうしよう!

俺は急いでベッドに潜って頭の上まですっぽり布団を被って隠れた。

聞こえてきたのはクーグゥ義兄にい様の声。

「ガイウス大丈夫か?体調悪くなっちゃった?医者呼ぶか?」
「だだだ大丈夫デスのでっお気遣いなく!!」
「・・・ああ、そうか。もうすぐ飯来るから。ちゃんと食ってちゃんと寝ろよ?」
「わっかりましたぁ!ちゃんと睡眠取りますぅ!!」

待ってよ今の間と『ああ』って!!!
うわぁぁん、俺のばかぁ!なんて場所で盛ってんだ、俺のあほぉ!!

足音とクスクス笑う声が遠ざかってしばらく経っても、俺は恥ずかしくて中々ベッドから出ることが出来なかった。
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