【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

文字の大きさ
96 / 167

しっかり休むってこういう事

しおりを挟む
ふと、意識が浮上した。

ベッドの上で後ろからイルに抱きしめられてて、両手で俺の胸を大きく揉んでて、お尻にはイルのが挿入ったまんまで、イルは俺の頭にスリスリ、スリスリと匂い付けをしていた。

ん、気持ちいい。胸が、胸筋を覆うように大きく、でもゆっくり揉まれてるのが、なんだか奥からじわじわと熱が生まれてるようで、何これ、えっちぃ訳じゃないのに気持ちいい。

「ーっ、・・・っ?」

あれ?声が出ない、何で?喘ぎ過ぎた?
なんだか頭もぼーっとする。

「ガイ?おはよう?」
「ーーっ、っー?」

イルが俺が目覚めたことに気付いて声を掛けてくるけど、何も声が出てこない。

あれ、思えば体もすっごく重くて、動かすのが大変、いや思ったより動かない・・・。
・・・なんだこれ?

俺の異変に気付いて、イルが俺の中から抜いた瞬間、ビクビクビクっと盛大に体が痙攣した。
気持ちよくてイッた訳じゃなくて、体が突然勝手に震えた。

はぁはぁはぁはぁ。

気がつけば息が苦しくて肩で呼吸をしてる・・・。

イルはすぐさま俺のおでこに手を当てて、「お水取ってくるね」と言ってベッドを出ていってしまった。

イルが居なくなって寂しい。一気に体温が下がった気がする。ああ、なんだか瞼も重いな。

グイっと体が起こされた。
俺の口にイルの唇が被さって、ほんのり酸っぱい味の着いた水を口移しされる。

飲み込むの、難しい。

俺はそれを少しづつ、ゆっくりゆっくり飲み込んで、落ちていく瞼とともに意識を手放した。




次に目を覚ました時は公爵家の俺の部屋だった。

まだ頭はぼーっとするし、体が物凄く重い。
あれ?義母様の声が聞こえる?

「イル・・・・ん、もう少し・・・、・ちの・・・。」
「・・・せん。」

・・・あれ?イルも居るみたい?

ふっと誰かの手のひらが俺の目を覆った。おでこの半分まである大きなお手て。冷たくて気持ちいい。

「母さん。目が覚めたようだよ。」

これエイデン義兄様の声だ。
じゃぁこの大きな手はエイデン義兄様のかな?
その後、また何か話し声が遠くの方で聞こえて、誰かが部屋を出ていったみたいだ。

そこで俺の目を覆っていた手は外された。

俺の視界にはホッとした様子のエイデン義兄様と疲れた顔の義母様。
・・・状況がよく分からないんだけど。

エイデン義兄様が俺を起こして水を飲ませてくれる。
義兄様のコップを持つ手に自分の手を重ねようとしたのだが、自分の意思とは関係無しに手が震えて「無理しないで」と呆気なく下ろされてしまった。
しかも飲まされた水は苦かった。でもコップに入ってた分全部飲まされた。何これイジメ?
起こされて、時間をかけて水を飲まされてる間に、ぼーっとしてた頭はズキンズキン痛くなってくるし、何これ・・・。

苦い水を飲まされただけで息が上がった俺を義兄様は寝かせて。それまで一言も発せずに見守っていた義母様が口を開いた。

「おはようガイウス。って言ってももう陽は沈む頃だけどね。さて、ガイウスが倒れた理由だが、重度の魔力酔いだ。」
「・・・・・・・・・へ?」

ぁ、今度はちゃんと声が出せた。

って違う。
魔力酔い?俺が?しかも重度の?そんな訳ないじゃん??だって俺騎士団で多分過去1魔力量多いのに?あのノア様にだって「そこまでバカスカ使って魔力切れ起こさないのも凄いよね」って呆れられた位なのに???そんな俺が今まで慣れ親しんだイルの魔力を大量に摂取したからって魔力酔い起こす訳ないよ!?

「その顔は信じてないようだね?まぁいい。全快したらしっかり説明してあげよう。それまでうちでゆっくり静養して、尚且つイルヴェス君とは面会禁止だからね。」

・・・何で?
という言葉を俺は飲み込んだ。
声を発するのが辛いっていうのもあったけど、多分義母様は怒ってる、から。

あ、俺これ快復したら義母様のお説教っぽいぞ?

とりあえず重い体をやっとの思いで動かして、コクコクと頷き、肯定の意を示した。

夕飯は部屋で、栄養満点の具無しスープをエイデン義兄様に飲まされて、食休みのあと、公爵家専属の医師に採血され、義父様が帰って来てやたらと心配されて、気が付いたら寝落ちして、朝になってた。

「おはよう、ガイウス。」
「おはようございます。エイデン義兄様?」

何故かエイデン義兄様と寝てた。

「夜中に急に症状が悪化したら大変だからね?看病も兼ねてね?」

俺の心を読んでエイデン義兄様は口を開く。
そんな事もあるのかな?そう思う事にしよう。でも義兄様、多分ガッツリ寝てたよね?

トイレに行こうとする俺に「大丈夫?歩ける?連れていこうか?」とやたらと心配されたが「大丈夫」と足を踏み出した途端、腰に衝撃が走って耐え切れずに崩れ落ちそうになった所を義兄様に助けて貰った。

「ほら?ね?俺が居て良かったでしょ?」

この時のエイデン義兄様の顔は一生忘れないと思う。

エイデン義兄様に抱っこのまま食堂に連れて行かれ、今度は義母様の膝の上で具材がトロトロに煮込まれたスープとパン粥を食べさせられた。
義父様に「体調はどうだい?」と聞かれて「大分良くなりました」と答えたら義母様に「じゃぁまだダメだね」って返されて「え?」って顔をしたらしく「大分、なんだろう?快復してないならダメ」と一刀両断だった。
エイデン義兄様に「そもそも1人で歩けない時点でダメだよ?」って笑われたし。うん、誤魔化せないし、多分下手な嘘はすぐにバレるんだろうな、と思った。

昼食はエイデン義兄様の膝の上、夕食は義父様の膝の上だった。食休みの後にあの苦い水の薬を飲んで暫くして採血、という流れもセットだった。
採血しすぎじゃない?というのが顔に出てたのかエイデン義兄様に「ガイウスはこの国では珍しいヒト族だから、薬の効きが強く出ないように細心の注意を払っておかないとだから」と言われた。今までの経験上納得するしか無かった。

次の日はかなり体調は回復してたが、腰だけはどうにもならなくて、昨日に引き続き誰かに抱っこされながらの移動だった。でも、食事は朝からみんなと同じだったし良い調子なんじゃない!?と調子こいてたら午後からは義母様のお説教タイムだった。

何故かエイデン義兄様も同席で・・・。

義母様が説明した俺が重度の魔力酔いを起こした原因は主に2つ。
①俺が魔力を使っていつも以上に減っている所にイルの魔力を自分の魔力保有量より多く摂取してしまった事。
②食事をまともに取らなかった事でイルの魔力を自分の魔力に変換できずに、イルの魔力がそのままの状態で俺の体に溜まってしまった事。

「ああああ、納得しかないです、すみません。」

確かに、魔石に魔力を過充填したもの。魔力放出したくてね。それにその時のサンドウィッチが最後で抱かれてる間は何も口にしてなかったし。更には、イルのが温かいとは思ったけど、いつもみたいにじんじんじわじわと温かくなる感じは無かったな、あれが魔力変換なのか。

「ガイウスはね、ちょっと自分の事を過信し過ぎだと思うんだよ。」
「ええと、その通りでして、俺、自分が魔力酔いするなんてこれっぽっちも思ってませんでした。」

成人を超えた大人が説教されるってキツい。
でも、それは俺に至らないことがあるから仕方ないんだけども、でもキツいものはキツい。

終わる頃には俺の気持ちはだいぶ沈んでいた。

俺が良くなかったんだけどさ、俺が皆に心配かけちゃったから仕方ないんだけどさ。分かってはいるんだけどさ。

それから俺の腰が良くなるまでの2日間、エイデン義兄様に公爵家の歴史を教えてもらったり、義母様の着せ替え人形にさせられたり、お針子さんを呼ばれて採寸させられたりして過ごした。
義母様のお洋服に関する発言と、お針子さんとのやり取りは俺からしたらもはや呪文で、内容の解読は不可能だった。


義母様の「快復してから」という発言のおかげで、しっかりゆっくり、しかも甘えさせてもらいつつ休ませて貰った俺は、自分でもビックリする位体調が良くなったのはここだけの秘密である。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています

  *  ゆるゆ
BL
『もふもふ獣人転生』からタイトル変更しました! 白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で息絶えそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるようにお書きしています。 リトとジゼの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...