【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

文字の大きさ
108 / 167

訓練は討伐だけじゃありません

しおりを挟む
「団長っ、どうでしたか!?」
「うんっ、いいね。ちゃんとそれぞれ2打で仕留められてる。完璧!」
「「ありがとうございますっ!!」」
「じゃぁ、後は先輩に聞いて皮剥いでね~。」
「「はいっ!」」

今日は、魔術塔合同の新人の実地訓練日。
龍の狩場かなんだか知らないけれど、いい感じに魔物が活発なので、新人を連れて討伐&討伐訓練。

今日は魔術塔の新人訓練も合同で行っているので人数が多いから、素材の処理もきっちり行っている。

因みに今討伐したのはホワイトサーペント。
真っ白な中型の蛇。基本は中型が多いけど大きい物は大きくなる。多分長く生きてるかどうかだとは思うんだけどね。魔物、ではあるがこいつの攻撃はパクッと丸呑みするか、口から吐き出される眠りの白煙の2つ。真っ白な鱗はツルツルして滑りやすいが、柔らかいので刃も通すことが出来る。出来ればギザギザの鋸みたいな刃が討伐には最適。
ただ、そうなるとせっかくの白くて柔らかい鱗の素材が台無しになってしまう。

そこで、今回は騎士団2人に魔術師1人で編成を組んで、風魔法で厄介な眠りの白煙を流して貰って、騎士団2人で頭を叩く、という簡単な指示で討伐を行っている。騎士団にはそれぞれ2打で討伐出来たら合格、としている。

思ってたより順調だね。大体皆合格ラインだし、今期の新人優秀じゃん?
綺麗に剥いだ皮は、魔術棟と半分こしてうちの資金として素材屋に売って、ふふふ~♪ぁぁ、でもこの皮撥水だし使えるから、少し残して備品の補習にも使おうかな。人数いると素材も無駄にしないでしっかり研修も行えるしいいね!

皮だけじゃないんだよねぇ、サーペント種って癖のない柔らかいお肉だから何にでも使えるし、騎士団の食堂に持っていこうっと!何作って貰おうかな~、やっぱりここはおまかせだよね。暫く食堂から足が遠のいてたけど、久しぶりに通いつめようかな?持ち帰り用って作って貰えたっけ?

「団長~、こっちはひとまず後処理まで終えましたよぉ。」

にまにまと食事の事を考えてたら遠くからミッキィが声をかけてくる。

今日のベテラン団員はミッキィとニラーさん、違う、間違えた。ええとなんだっけ、ヴィック、そうそう、ヴィックね。彼、ミッキィより長いんだって、凄いねぇ。
何年とかは知らないけど、いや1度聞いたんだけどね、ちょっと今回入団者多いしそこまで覚えられないっていうか、ね?

「そっちは何だったっけ?」

もちろん、出てくる魔獣や魔物は1種類では無い。

「こっちは親子のビックベアーでしたよ。」
「素材はバッチリ?」
「小熊のお肉も合わせてバッチリ確保してます!」
「最高です!ビックベアーはどういう調理してもらおうかな?焼くだけでも美味しいからここで野営訓練もして行く?」

久しぶりのビッグベアーのお肉に顔の緩みが止まらないけど、気にしてはいけないよ。
なんだかんだ全然食べれてなかったんだよ、ビッグベアー!ミッキィナイスすぎる!

「っ団長、予定にない余計な訓練は突っ込まないでくださいね!」
「ぁ、ヴィックも戻り?嫌だな予定にない事はしませんよー?あはははは?」

ヴィックのジト目視線が痛いので、野営訓練は致しません!

「ガイウス君、ご歓談のところ悪いんだけどこっちの素材の剥ぎ取りが上手くいかなくて、」
「はいはい、誰か派遣しますね、コルテス行けるー?」
「はいっ、団長ただいま向かいます!」

コルテスが新人2人を連れて行くのを見送る。
ノア様も俺が出るからという事で魔術師塔からもそれなりの人を出した方が良いんじゃないか?という事で参加してもらってる。

俺は希望参加だから、全然気にしないんだけど、気にする人達が何か騒いだんだろうなぁ。

「いや、しかし討伐だけで終えないなんて、ガイウス君らしいよね。まさか素材の剥ぎ取りを体験するなんて思ってもみなかったよ。」
「ふふふ。俺たちは討伐出来たらそれで完了ですものね。でも、そこに使えるものがあるのに燃やしちゃうのって勿体無いって思いません?持って帰れるなら持って帰りましょう!っていうね?」
「ははははは、そういう考えは無かったなぁ。」
「ミッキィ、やっぱり焼こうよビッグベアー!ノア様にビッグベアーの美味しさを、体感してもらわないと!」
「ガイウス君のビッグベアー推しって本当なんだね?」
「俺の村では見かけたら即狩対象だったんですよ?お肉は美味しいし、毛皮は暖かいし、骨も何かに使ってたはず。」
「「何かって何?」ですか。」

ノア様とミッキィの声が綺麗に重なる。

「はぁ。団長、俺はあっちのグループ見て来ますね。」
「うん、ありがとう。」

ヴィックは雑談に交わる気は無いらしく、早々と仕事に戻って行った。

俺にも遠くから呼び出しの声がかかる。

「団長ー!!鳥!でっかい鳥なんですけど!二足歩行の鳥って2打でどう仕留めたら良いんですかー?」
「今行くー!!」
「団長、私行きましょうか?」
「いいや俺行くよ、ヴィック居ないから拠点から離れるなら今ですしね?」
「あー、ヴィックさんが先に戻ってきたら小言が始まりますよ?」
「ふふ、ミッキィ君は止めないんだね?」
「止めて止まるなら止めますけどぉ。」
「へへへ、じゃぁ行ってきます!」

山ダチョウかな?ロックエミューかな?
どっちにしても素材は鶏肉と羽毛だな。どっちも魔獣だし脅威は足の速さと脚力と爪だっけかな。

頭の中に二足歩行の鳥でここら辺で出没しそうな魔獣や魔物を考えて、その中でも更に確率の高い2匹に絞る。

まぁ、騎士団の敵じゃない、余裕だね。

身体強化して走っていくとすぐに先程声をかけてきた団員のところに着く。

「何匹?新人苦労してるの?」
「はい、こっちです。2匹なんです。首を落とせばいいって言うのは見てすぐわかったんですけど、羽毛が固くて歯が立たなくて。動きも早くて厄介で。」
「なるほど。ロックエミューだね。首を落とすのは大事だけど、その前に足を叩こう。足には羽毛生えてないでしょ?で、動きを止めて、首がダメなら頭とか叩けそうなところを、」

グラグラっ

突然、地面が大きく横に揺れた。

「っ!!?」

咄嗟に討伐最中の新人を確認する、1匹に対して新人2人、計4人の姿が見えた。
そのうち、1人が先程の揺れでバランスを崩して地面に倒れ込む。そこにロックエミューの鋭利な爪が振りかぶられて

「ウインドカッター!!」

咄嗟に風の刃で首を落とす。が、間違えた!首を落としても体を吹っ飛ばさない限り、振りかぶられた爪の勢いと着地点は変わらない!

ドンっ!

隣で討伐に当たっていた新人が、ロックエミューの首が飛ばされたのを見て、体当たりで軌道を逸らしてくれた。

ナイスアシスト!でももう一体居る!
次は一発で決めるよ!

「アイスニードル!」

ロックエミューの首目掛けて太く作った氷の針を飛ばす。
そのままじゃ、羽毛に阻まれて刺さらないのは分かっているので、勢いをつけて木に叩きつけてそのまま力技で押し込む!

どすっ。

木にはりつけられたロックエミューの出来上がり。

まだ息はあるが、宙ぶらりんで動けずそのうち絶命するはずだ。

「ふぅ、ごめん大丈夫っ?」

俺は新人達に駆け寄って、怪我が無いか確認する。
うん、大きい怪我はなさそう、良かった。

「あ、君、さっきのナイスアシスト!助かった、ありがとう!あ、あと誰かそこの磔ロックエミューさ、まだ息あるからトドメ刺しといて!」
「いえ、団長が来てくれて助かりました。」
「それにしても大事に至らなくて良かった。地震なんて中々無いからね、こういう事もあるかもって頭の片隅に入れておかなくちゃだねぇ。」

体当たりの彼と健闘を称えていると別の所からも声がかかった。

「団長!団長すみません、ロックバードです!小型3体!応援お願いしますっ!!」
「新人下がらせて!3年以上で対応!翼潰せ落とせー!動き止めろー!」

ここで一旦息を吸って、今度は拠点に向かって声を届ける。
「ミッキィ、ロックバード3体出た。応援お願い。ノア様後方支援お願いできますか?」

返事を待たずに現場へ足を向ける。
はぁ、新人研修だったんだけどなぁ。

さっきの地震といい、なんだか嫌な胸騒ぎを俺は感じていた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています

  *  ゆるゆ
BL
『もふもふ獣人転生』からタイトル変更しました! 白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で息絶えそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるようにお書きしています。 リトとジゼの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...