【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

文字の大きさ
115 / 167

後回しにして無いのに、あるのは面倒な事ばかり

しおりを挟む
俺が1人で森の奥へ走っていった後、運良く高レベルの魔獣や魔物は出なかったらしい。

団員とノア様含めた魔術師だけで対応出来たが、どれだけ待っても俺が戻って来ないので、探しに出たけど一向に見つからず、日も暮れてどうしようかとなった所で、何かを察したように厩でヒンヒン鳴いているピグを連れてきたらしい。

すると突然ピグが走り出して見えなくなってしまったが、少し経つと遠くから馬の嘶く声が、それはまるで狼の遠吠えのように、何かを知らせるように届いたらしい。

聴力に長ける者がピグの鳴き声をたどると、倒れてる俺とピグが居た。

というのが俺が森の奥へ走っていった後の事らしい。

ただ、俺の身体強化が全て体から抜けてしまっていたらしく、抱き起こそうとしたらふにゃふにゃで、結局ノア様が俺の事を運んだらしい。

あー、今度会ったらお礼言おう。ノア様も不安だったよね。イルも今でさえたまに、柔らかすぎて不安になるっていうもんね。

今でもって言ったけど、うん、今の方が不安だよね。

「っていうのが、あの後の出来事って訳で、お前は柔らかすぎて不安だし、怪我はしてないっぽいけど魔力が感じられないし、次の日になっても起きないわでまぁ色々あったんだよ。」
「それは、大変ご迷惑をお掛けいたしました。」

俺は教えて貰ったクーグゥ義兄様に深々と頭を下げた。

「ああ、まぁ、ノアがな。」
「ですよね。ノア様には謝罪と感謝を伝えなくては。」
「ああ、そうしてやってくれ。」

クーグゥ義兄様に様子を見る限りノア様には大変な心労を与えてしまったみたいだ。反省しよう。って言っても、もう同じような事はないとおもうけどね。

「ふぅ。で、突然森の奥へ走っていった後は、龍に会えたのか?」

クーグゥ義兄様はソファに体を沈めて静かに尋ねてくる。

「え?会ってないですよ?っていうかぶっちゃけるとあんま覚えて無くて、周りが真っ白だった事くらいしか。」

俺は口を噤む方が良いと思ってるのでしらばっくれる。
っていうか、あれが龍だという確信は俺には無いのだ。
多分、そうなんだとは思うけどね。

「真っ白い空間をただ歩いていて、気がついたらイルが居た。以上。いつ寝ちゃったのとかは全然わからないです 。むしろ狩場とかいうんだったら会っちゃったら食われちゃうじゃ無いですか。会えなかった方が良かったんですよ。」
「・・・・・・・・・そうか。」
「本当に、食べられなくて良かったよ。」

クーグゥ義兄様の長い溜めの後の返事の後にイルが追随する。

「いや、本当は会っていて記憶と魔力を食べられちゃったとか??それなら俺の記憶がぽっかり空いてるのも、魔力が必要最低限しか無いのも説明がつくんじゃない??」

という方向性でいこうか。
実際には記憶を食べられたんじゃなくて、見せられた?んだけど、嘘に真実をちょびっと入れるとバレにくくなるって言うしね。

うん、俺って天才だね?

「記憶の食われた分がすんげぇ少ないのは記憶が美味しくなかったからか?」
「あまりにも普通すぎて飽きたのかも?」
「お前の記憶は普通じゃないよな?」
「え、普通でしょ?」
「獣人の国で騎士団長やってる唯一のヒト族は普通じゃねぇと思うけど。子供の頃の生活も俺らの想像以上のものみたいだし。」
「・・・・・・普通だよ?あときっと探せばいますよ、ヒト族。」
「探さないと見つけられないくらいには貴重だな。」
「ガイの中では普通だったんだよ、ね?」

イルさんや、それあなたが1番普通じゃないって言ってませんか?

「まぁいいや。とにかく今後なにか聞かれたら変な思いつきで情報足さずに、真っ白だったって言っておけよ?いいか、分かったな?」
「はぁ。・・・え?」

あれ、俺信用されてない?嘘言ってるって思われてる?

チラッとイルの顔も伺う。

ニコニコ笑顔過ぎてよく分からないから俺もニコッと返しておく。



最近の俺はもう、謎の恐ろしい管は外されて公爵家の邸内なら自由に歩き回っても大丈夫なくらい回復した。

ちなみにあの管はあの管が腕にぶっ刺さってるんじゃなくて、ちょっと太めで真ん中につぅっと穴が通っている針に繋がっていてそれが俺の腕に刺さっていた。
針に通っている穴からあの恐ろしい液体が俺の体の中に注がれていたらしい。考えると恐ろしいね。

そんな感じで周りから見たら大分回復した俺は、実は今まで全て義母様が断っていたお見舞いという名の面会を許可する事になったらしい。

まぁ、そうだよね。色々聞きたいことが山ほどあるよね。言わないけど。真っ白でした、しか言わないことに今クーグゥ義兄様と決めたけど。

実際に誰か来る時には誰かが付いてくれることになってるし、不安は全く持ってないんだけども、ただただ面倒くさい。それに、俺としては未だに魔力が戻ってないので身体強化が出来ないのが物凄く心細い。

絶対誰かに事故られるよね?握手してポキっとか有り得るからね?本当に。
とりあえず、お触りは絶対禁止って義母様に伝えておかないと。

はぁ、それにしても龍に魔力食べられちゃったって思いつきで言ったけど、必要最低限以外無くなっちゃうって、食べられちゃったのと変わんないよね。

吸い取られちゃった?って事なのかな。
でも、魔力が増えるのがもんのすんごぉぉぉおおおくゆっくりだし、だから体に最低限の魔力しか流れてないし、魔術も全然かけてないから滞留してる魔力もなくて体はすごい楽。もうびっくりするくらい寝たら回復できてる。

これはアレなのかな?同じ黒色だから、俺の体に気を使ってくれたの?いやでもこの国で身体強化なしのヒト族って、弱小種族だよ?いつ事故られるのかも分かんないんだよ?

本当にただ単純に気を使ってくれたのかも知れないけど、ただの有難迷惑だよね。

そもそもの生成器官も溜めておく器もリセットされちゃってるみたいだし。

イルも前回の魔力酔いが怖いからってフレンチキスだけしかしてくれないしさぁ。はぁ。分からなくもないけど。しかも、秋の発情期のせいで暫く会えないし。色々あって遅いのは仕方ない、発情期どころじゃなかったし、そもそも今期の来ないんじゃない?って感じだったけど、俺がベタベタするから来ちゃったみたいだし?ははは。いや、普通は来るんだから仕方ないの!寂しいけど仕方ないの!

んで、ええーと話を戻して、確か俺の魔力がガって増えたのが、婆様の薬の配分間違い事件で3日ほど目が覚めなかった時でしょ?あと、村のやつに突き飛ばされて意識失うくらいめちゃくちゃ血が出た時と、魔力使いすぎてぶっ倒れた時だっけ?3回死にかけてるって事だよね。

じゃぁ元に戻すにはもう3回死にかけろって事?
嫌だよ、俺はもう余生でのんびり過ごしたいんだ。



・・・ええーとマジでこれ、魔力を戻すにはどうすればいいの??
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています

  *  ゆるゆ
BL
『もふもふ獣人転生』からタイトル変更しました! 白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で息絶えそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるようにお書きしています。 リトとジゼの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...