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夜の海は遠くから眺めるだけで充分です
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晩餐は海の幸尽くしだった。
クラーケンのステーキに、魚の煮込み料理が魚の種類と味付け違いで沢山の種類があって、お刺身って言う新鮮な魚介をただ切っただけのものもあったし、揚げ物や串焼きとか他にも色々あって全部一口ずつ食べたかったけれど、俺の胃の容量では到底無理で、ライルのオススメから順に食べて行った。
「ところで、1つ提案なのですが。」
ライルが頃合を見て口を開く。
俺は、来た!これからは領主としての会話だな!と心持ち緊張した。
「良ければ明日、私に街を案内させてくれなませんか?」
「へ?」
思っていたのと全く違う言葉に間抜けな言葉が口を吐く。
「お仕事がお忙しいのでは無いですか?」
イルが俺の失言を隠すように口を開いてくれるが、これ、暗に俺と2人で楽しむ予定だから邪魔するなって意味が含まれてる?俺の考えすぎ?
「爵位は継ぎましたが、私はまだ領地経営では勉強中の身。まずは街を見て知れと、散々父から言われておりまして、領主として街には詳しくなったと思っております。もしよろしければ、私のオススメの地を案内させて頂ければと思ったのですが 。」
ライルの雰囲気が心做しかシュンと落ち込んだ気がした。
いや、ここは領主同士仲良くなった方がいいんじゃないか?
「イル、せっかくだから案内してもらおうよ!やっぱり地元の人にオススメのスポットとか教えて貰いたいしさ!ね?」
「・・・そうだね、せっかくだしね。」
まだ少し納得いってない感じの漂うイルだったけど、許可が降りたのでライルに向かってニコニコしながら「よろしくお願いします」と明日の案内を頼む。
「こちらこそ明日はよろしくお願いします。ところで、回る予定だった場所や、こういう所行ってみたいとか希望があったら教えて欲しいのだけれど。」
「あ、あの、海は明るい内に行く予定でした!」
「海は明るいうちに?夜の海も月の明かりで綺麗ですよ?」
「初めての場所は明るい時に把握しておかないとでして、ええ。」
「?岩場でなければ危険はあまり無いかと思いますが。」
「あ、明るい内に見て確認しておかないと、でして。」
「?」
「ふふっ、ガイ、素直に夜の海は怖いから明るい内に行きたいですって言いな。」
イルが俺の苦し紛れの言葉に、笑いながら訂正を入れる。
「ああ、なるほどですね。夜の海を怖がる方は思いの外結構いらっしゃいますので、恥ずかしい事ではございませんよ。お連れしたいスポットが幾つかありますので、明るい内にご案内致しますね。」
「す、すみません、よろしくお願いします。」
ライルには恥ずかしくないって言われたけど、恥ずかしいよ。夜の暗い海が怖いって子供みたいじゃん。
他にも興味があるものを幾つかお伝えしてライルは了承してくれた。
「ああ、あと先程ご案内させて頂いた部屋ですが、バルコニーから夜の海が見えます。朝焼けも夕焼けも美しいですが、夜空や月に聳える夜の海も素敵ですのでぜひご覧になってみてください。」
ライルの言葉に返事をして晩餐は解散。
俺たちは先程の部屋に戻ってきた。
「うわぁ、凄いなぁ。うちの温室にこんな感じのイスがあったけど南国風だったんだね。ええと確か籐っていう植物で出来ててラタン調、だっけ?」
「そうそう、よく知ってるね。」
「ふふふん。一応公爵家にあったものは聞いて覚えたんだ。」
エッヘンと腰の手を当てて凄いでしょ?と自慢げにしてみせると、イルは俺の腰を寄せて頭にちゅっとキスを降らせる。
南国調っていうのは知らなかったけどね。
その後も何回かキスが降ってきた後に一緒にバルコニーに出た。
ライルの言っていた夜の海を見てみたかったのだ。
部屋から続くバルコニーもそこそこの広さで、室内にあったものよりゆったりと大きいラタンのソファとラタンのサイドテーブルが置いてあった。
「バルコニーも同じ感じで整えてるんだね。お洒落だねぇ。」
「うん、素敵だね。中々バルコニーにソファを置こうとは考えないよね。」
首都では見かけなかったバルコニーの造りに感嘆しながら、バルコニーの端っこまで来て手すりの奥を見据える。
「うーん暗い。暗くて海と空の境目が分からない。」
右には街の灯り。左は確か森。目の前には林と草原があってその奥が確か海のはず。
「目がまだ慣れて無いんだよ。しばらく見てたら慣れて分かってくるはずだから一緒に見てよう?」
「うん、そうだね。」
猫じゃないんだし、すぐに暗闇には慣れないよね。
雑談しながらも目線は海の方へ向けていると、段々と慣れてきて、なんとなく境目がわかってきた。
「あ、見えてきたかも。」
見えてきたら早いもので、同じような暗い色でも海と空の境目ははっきりと別れていた。
空には月と星が瞬いていて境界を隔てて海が鏡のように月と星を映している。
海に映された月と星は、波のおかげかゆらゆらと揺らめいていてなんだか幻想的。
森の方からは獣の遠吠えが微かに聞こえてくる。
「なんだか物語の一部を切り取ったみたいだね」
「ふふ、ガイって意外とロマンチストだね。」
そう言ってイルは俺にキスを沢山降らせてくる。
最初は頭だけだったのに次第に下がってきておでこ、目尻、鼻、そして唇にちゅっとキスされる。
それがなんだか物足りなくて、イルの首に腕を絡めると、今度は舌を絡めあった濃厚なキスをくれる。
気がついたらイルの手がシャツの裾から入り込んできていて俺の脇腹辺りをさわさわと撫でている。
「ガイ、抱いていい?」
「え、でもここ人ん家・・・。」
「ふ、俺たち新婚旅行に来てるんだよ?それくらいホストも分かってるでしょ?」
「ぅ、ぅー。さ、先にお風呂入る。」
「ん、了解。」
イルはルンルンで俺を横抱きにしてお風呂場へ直行した。
クラーケンのステーキに、魚の煮込み料理が魚の種類と味付け違いで沢山の種類があって、お刺身って言う新鮮な魚介をただ切っただけのものもあったし、揚げ物や串焼きとか他にも色々あって全部一口ずつ食べたかったけれど、俺の胃の容量では到底無理で、ライルのオススメから順に食べて行った。
「ところで、1つ提案なのですが。」
ライルが頃合を見て口を開く。
俺は、来た!これからは領主としての会話だな!と心持ち緊張した。
「良ければ明日、私に街を案内させてくれなませんか?」
「へ?」
思っていたのと全く違う言葉に間抜けな言葉が口を吐く。
「お仕事がお忙しいのでは無いですか?」
イルが俺の失言を隠すように口を開いてくれるが、これ、暗に俺と2人で楽しむ予定だから邪魔するなって意味が含まれてる?俺の考えすぎ?
「爵位は継ぎましたが、私はまだ領地経営では勉強中の身。まずは街を見て知れと、散々父から言われておりまして、領主として街には詳しくなったと思っております。もしよろしければ、私のオススメの地を案内させて頂ければと思ったのですが 。」
ライルの雰囲気が心做しかシュンと落ち込んだ気がした。
いや、ここは領主同士仲良くなった方がいいんじゃないか?
「イル、せっかくだから案内してもらおうよ!やっぱり地元の人にオススメのスポットとか教えて貰いたいしさ!ね?」
「・・・そうだね、せっかくだしね。」
まだ少し納得いってない感じの漂うイルだったけど、許可が降りたのでライルに向かってニコニコしながら「よろしくお願いします」と明日の案内を頼む。
「こちらこそ明日はよろしくお願いします。ところで、回る予定だった場所や、こういう所行ってみたいとか希望があったら教えて欲しいのだけれど。」
「あ、あの、海は明るい内に行く予定でした!」
「海は明るいうちに?夜の海も月の明かりで綺麗ですよ?」
「初めての場所は明るい時に把握しておかないとでして、ええ。」
「?岩場でなければ危険はあまり無いかと思いますが。」
「あ、明るい内に見て確認しておかないと、でして。」
「?」
「ふふっ、ガイ、素直に夜の海は怖いから明るい内に行きたいですって言いな。」
イルが俺の苦し紛れの言葉に、笑いながら訂正を入れる。
「ああ、なるほどですね。夜の海を怖がる方は思いの外結構いらっしゃいますので、恥ずかしい事ではございませんよ。お連れしたいスポットが幾つかありますので、明るい内にご案内致しますね。」
「す、すみません、よろしくお願いします。」
ライルには恥ずかしくないって言われたけど、恥ずかしいよ。夜の暗い海が怖いって子供みたいじゃん。
他にも興味があるものを幾つかお伝えしてライルは了承してくれた。
「ああ、あと先程ご案内させて頂いた部屋ですが、バルコニーから夜の海が見えます。朝焼けも夕焼けも美しいですが、夜空や月に聳える夜の海も素敵ですのでぜひご覧になってみてください。」
ライルの言葉に返事をして晩餐は解散。
俺たちは先程の部屋に戻ってきた。
「うわぁ、凄いなぁ。うちの温室にこんな感じのイスがあったけど南国風だったんだね。ええと確か籐っていう植物で出来ててラタン調、だっけ?」
「そうそう、よく知ってるね。」
「ふふふん。一応公爵家にあったものは聞いて覚えたんだ。」
エッヘンと腰の手を当てて凄いでしょ?と自慢げにしてみせると、イルは俺の腰を寄せて頭にちゅっとキスを降らせる。
南国調っていうのは知らなかったけどね。
その後も何回かキスが降ってきた後に一緒にバルコニーに出た。
ライルの言っていた夜の海を見てみたかったのだ。
部屋から続くバルコニーもそこそこの広さで、室内にあったものよりゆったりと大きいラタンのソファとラタンのサイドテーブルが置いてあった。
「バルコニーも同じ感じで整えてるんだね。お洒落だねぇ。」
「うん、素敵だね。中々バルコニーにソファを置こうとは考えないよね。」
首都では見かけなかったバルコニーの造りに感嘆しながら、バルコニーの端っこまで来て手すりの奥を見据える。
「うーん暗い。暗くて海と空の境目が分からない。」
右には街の灯り。左は確か森。目の前には林と草原があってその奥が確か海のはず。
「目がまだ慣れて無いんだよ。しばらく見てたら慣れて分かってくるはずだから一緒に見てよう?」
「うん、そうだね。」
猫じゃないんだし、すぐに暗闇には慣れないよね。
雑談しながらも目線は海の方へ向けていると、段々と慣れてきて、なんとなく境目がわかってきた。
「あ、見えてきたかも。」
見えてきたら早いもので、同じような暗い色でも海と空の境目ははっきりと別れていた。
空には月と星が瞬いていて境界を隔てて海が鏡のように月と星を映している。
海に映された月と星は、波のおかげかゆらゆらと揺らめいていてなんだか幻想的。
森の方からは獣の遠吠えが微かに聞こえてくる。
「なんだか物語の一部を切り取ったみたいだね」
「ふふ、ガイって意外とロマンチストだね。」
そう言ってイルは俺にキスを沢山降らせてくる。
最初は頭だけだったのに次第に下がってきておでこ、目尻、鼻、そして唇にちゅっとキスされる。
それがなんだか物足りなくて、イルの首に腕を絡めると、今度は舌を絡めあった濃厚なキスをくれる。
気がついたらイルの手がシャツの裾から入り込んできていて俺の脇腹辺りをさわさわと撫でている。
「ガイ、抱いていい?」
「え、でもここ人ん家・・・。」
「ふ、俺たち新婚旅行に来てるんだよ?それくらいホストも分かってるでしょ?」
「ぅ、ぅー。さ、先にお風呂入る。」
「ん、了解。」
イルはルンルンで俺を横抱きにしてお風呂場へ直行した。
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