【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

文字の大きさ
159 / 167

初めての海!

しおりを挟む
「海だ、すごい。おっきぃ。」

俺は生まれて初めて海を見た。

海の街に繋がる街道の上。丁度森が開けてる崖の場所から、これから向かう海の街と広大に広がる海が見える。

目の前に広がる広大な海に、太陽が沈もうとしている所で、空が夕焼けの色から夜の紺色になりそうなグラデーションと、沈みかけてる太陽をキラキラゆらゆらと反射してなんとも言えない雰囲気の海と。

上手く言葉で表現できないけれどただただ綺麗と、俺は思った。

この見えてる景色を切り取って、額縁に入れて飾れたら最高なのに。

俺はゆっくりゆっくりと沈んでいく太陽を眺めながらそんな事を思った。

「ガイウス様、日が暮れる前に本日の宿へ急ぎませんと。」

太陽が半分ほど沈んだ頃、護衛のレオンに声を掛けられた。

「うん、そうだね。ちょっと駆け足になっちゃうけど急ごう。イル、」

俺が愛おしの人に名を呼ぶと、すぐ近くに寄ってきてくれる。

「ふふ、しばらく滞在するからまた見に来ようね。」

「うんっ!」

俺たちは領地に入る前に新婚旅行に来ている。
義父様と義母様の提案で「領地に行ったら向こう何年かは忙しくて大変だろうから、その前に新婚旅行と称して何処かに行ったらどうだ?」と言ってくださったから、俺たちはこの地に来ている。

俺とイル、護衛が4人で合わせて6人。

義兄様達には護衛が少ない、侍従を連れて行けって言われたけど、元騎士団長の俺がいるし、レオンを初めとした護衛の人達も腕が経つし、攻撃系魔道具も沢山持ってるし、寧ろ過剰防衛だと思うくらいの戦力だと思うんだけどなぁ。イルは戦闘職じゃ無かったけど、身を守れる魔道具を自作してるの知ってるし。
侍従は馬で駆ける予定だったから、元々考えてはいなかった。

新婚旅行だけど、領主夫妻が滞在するなら事前に知らせておいた方が良いと義母様に言われたので、今夜は海の街の領主の館での晩餐会にお呼ばれしている。

領主としての初めてのお仕事でもある。
よし、気合い入れていくぞー♪

まだ薄らと空の端に明るさが残っている頃、領主の館に到着した。ピグ達馬を預けてお邪魔をする。

門番の方たちには侍従が居ないことや、護衛の少なさにとても驚かれたけど。

玄関ホールに通されると金髪青眼の美青年が俺たちを出迎えてくれた。

義母様が「挨拶をしたいと言うことは少なくとも顔見知りに、もしくはそれ以上の交流を望まれている場合が多いからね。最初の挨拶はしっかりするんだよ。」と言われた事を思い出し、緊張しながらもゆっくり焦らず、聞き取りやすいスピードで、と意識しながら口を開いた。

「この度はご招待頂きましてありがとうございます。リンクス領、領主、ガイウス・フランリード・リンクスでございます。こちらが私の夫でございます。」

手でイルを示して紹介し、イルも俺と同じような挨拶をする。

「ただ今ご紹介に預かりました。リンクス領領主のガイウス・フランリード・リンクスが夫のイルヴェス・ラフホワイト・フランリードでございます。」

これからはこの堅苦しい挨拶がデフォルトになるのか。なんか嫌だなぁ、と思いながら相手の出方を待つ。

金髪青眼の青年は、それまでの笑顔をさらににっこりと笑って返してくれる。

「ご丁寧なご挨拶ありがとうございます。本日は遠いところはるばるお越しくださいまして感謝の限りでございます。私がシーホース領が領主、ライル・シーホースだ。以後、よろしく頼む。」

軽く握手を交わして先ずは今夜泊めてもらう部屋に案内する。今日は晩餐を共にして宿泊させてもらい、明日からは一等地の宿泊施設を予約させてもらっている。

案内された部屋はとても広くて開放感のある部屋だった。

大きなサイズのベッドが中心にどんと鎮座しておりソファやイス等殆どのものがラタン調で作られたいた。

色も焦げ茶でベーシックで整えられているが、敷布やベッド等の布物は赤や黄色の花模様で華やかさもある。

扇状に広がった丸みのある窓から続くバルコニーからは海が見えるらしい。

「素敵・・・。」

俺はつい口から端的な感想がこぼれ落ちてしまっていた。

「ふふ、お褒めに預かり光栄です。我が国ではあまり見かけない南国調に整えておりまして、初めのうちは慣れないかも知れませんが、いつもとは違った旅の思い出のひとつになるかと思いまして。」

ライルがにこやかに説明をしてくれる。
きっと俺みたいに、初めて見る人が多いんだろうな。
凄く説明が流暢だった。

イルも感想を伝えてからライルと会話をし始めた。

俺はその間部屋の中をキョロキョロと物珍しげに見て回った。棚の上に置かれている、木彫りでくちばしの大きな鳥。また木彫りの猿?の様な生き物。木彫りで出来た本の積み上がった物。

最後の本はなんだろ?そもそも置いてある理由が分からなかったけど、それぞれの木彫りの置物は上から塗料で染色してあり、色とりどりで綺麗だった。

「では、整いましたらこちらの者に申し付けください。食堂まで案内させますので。一旦、私は失礼させて頂きますね。」

そう言って、ライルは部屋を後にした。
ホストだもの、色々と準備があるんだろうな。

俺たちは急いで身なりを整えて時間を確認する。
まぁもう散々軽装姿を見られてしまっているんだけども、晩餐は別。しっかりと着替えて、身なりをお互いに整えて、準備万端。

俺たちは部屋の入口内側の傍に立っている者に声をかけて、食堂まで連れて行って貰った。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています

  *  ゆるゆ
BL
『もふもふ獣人転生』からタイトル変更しました! 白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で息絶えそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるようにお書きしています。 リトとジゼの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...