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八花十一

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「お断り致します。」

これは毎回の事だが冷静に食い気味に相手のペースになる前に断る。

・・・

「え~今月もダメなの?」

「毎回申し上げておりますがお客様とそういった事はできません。」

「もう聞き飽きたわそのセリフ。」

それはこちらのセリフです。

彼女の名前はフロックス・レイリアント。

毎回こんな調子で俺を口説きにくる変態だ。

「毎回申し訳ございません。」

なんで俺が謝っているのだろう。

「まぁいいわ、いつものやつお願い。」

「ありがとうございます。かしこまりました。」

いつものとは…

「エロース様、お世話になります。神動(かみうつり)でございます。」

「な~に~またあの女~?」

エロース様の声はまるで高校入学したての女学生を彷彿とさせる。

「そうでございます。度々で申し訳有りませんが何とぞよろしくお願いします。」

「ほんと、あの女も毎度毎度。まぁ仕方ないわね~、一斉ちゃんの頼みなら断れないわ。」

「ありがとうございます。ではよろしくお願いします。」

「はいは~い。」

この女神様に頼んだ後は何故か思わずため息が漏れる。

「愛の雫が溜まる瓶(かめ)その神聖なる源より湧き上がる聖水を汲むことをお許し下さい。」

降臨、性愛神エロース。

俺はおおよそ30センチほどの衣人形(クロスメイデン)にエロース様を纏わせた。

この衣人形(クロスメイデン)は一定時間神を宿す事のできるアイテムでわざわざ特注で作ってもらっている。

「フロックス様、お待たせしました。」

この神は愛と性の女神。

この女がこの女神を使ってどこで誰と何をしているのかは知らない。

知りたくもないが…

「ありがとね~。また来月もくるから~。」

できれば来ないで頂きたい。

カツカツと音を鳴らしながら彼女は店を後にした。

何やら無駄に疲れた。

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