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検査結果は?
しおりを挟む今日は入学式だ。
この学校は適性検査の後に入学式を行う。理由はいくつかあるらしいが詳しくは聞かされていない。
教官がまだ教室に来ていない朝礼前、
「1年3組 漣 羽音 理事長室まで来なさい。」
全校に放送が流れた。
さすがに昨日やりすぎたか?気絶程度の傷で済む様にしたはずなんだけどな。クラスの視線が僕に集中する。僕は逃げる様に理事長室へむかった。
コンコン
「失礼します。」
そこには高級な雰囲気を放つ黒革のイスに男が腰かけていた。
「君が漣 羽音君だね?」
予想していたより遥かに若い、30歳くらいだろうか。眼鏡をかけている白髪の男は僕の体を見ながら低めの声で続ける。
「昨日は再検査お疲れ様でした。5人の教官を全て気絶させたとの報告でしたが間違いはないですか?」
「はい、間違いありません。」
なんだちゃんと気絶した事になっているじゃないか。何が問題だったんだ?
「手加減をしましたか?」
なるほど、これが呼ばれた理由の様だ。
「はい。」
誤魔化そうともおもったがこの人には全てお見通しなのだろう。
「正直でよろしいです。ではなぜですか?」
この質問は少し悩む、なぜかと聞かれると殺してしまうからと答える他ないが、そんな物騒な発言をましてや学校でしていいのか?
「思ってる事を言って下さい。」
はぁー。心の中でため息をつき言葉を発する。
「本気を出したら殺してしまうと判断しました。」
ーーーーーーーーーー。
しばしの沈黙。
「よろしい、では君の検査結果を発表する。」
このタイミングで発表になるのか、理事長が全部決めているのだろうか。
「お願いします。」
「君は400人中………」
ゴクンと唾を飲んだりはしない、焦らさなくていいからさっさと言って欲しい。
「400位です。」
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