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タイミングが大事
しおりを挟む僕は魔力を集中させる。
漆原の動きをとりあえず封じる事が最優先だ。
タイミングを見計らう、彼女が反撃する動作を見せた際にばっちり合わせなければならない。
いとも彼女がやったかのように見せかけつつ漆原を止める。
・ ・ ・ 今だ。
僕は魔力を解放し漆原の周りの重力を変化させる。
ズズズズズ
漆原は重力に耐えきれなくなり膝から崩れ落ちる。そのまま動けなくなるまで抑えつける。ステージが悲鳴をあげているがまぁ仕方ない。漆原が完全に抵抗をやめた。それとは反対にかなりよろよろだが彼女が立ち上がる。
「勝者ノア=シルセット=フォン・テルマドール」
・・・
ウォー!!!!!
拍手喝采、歓声で講堂が壊れそうだ。
スポットライトに当てられている彼女は気のせいか僕をチラチラ見ている気がした。
魔法使っている僕以外感じる事ができないくらいの微量な魔力に調節しているためバレる事はないと思うが……
まぁ彼女からしてみてもいきなり漆原が地面にめり込んだらそりゃ焦るだろう。
バタッ。
さすがに力尽きたのか
彼女は直立したまま後ろに倒れた。
まぁそうなるよな。
その後2人とも担架で医務室に搬送、治療が施され、幸いにも大事には至らずに済んだ。
それにしても模擬戦、いい訓練と見本になるんだろうが、初めての戦闘だってのに学校も無茶苦茶しやがる。
大きな盛り上がりを見せた今回の入学式はこれにて閉幕した。
明日からは普通の学校生活が送れるのか、それすらも不安になってきた。
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