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予想外

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何だよ、すぐ近くじゃないか。
コンコン
ノックして医務室に入る、失礼します。

ベッドが30台、さすがに充実しているな。
カーテンがかかっているベットが2つ、さてどっちがどっちだ。

とりあえず右奥のベットへ向かう。
カーテンを静かに開ける、そこには酷く落ち込んでいる漆原がいた。

「誰だ、貴様は?」
漆原は驚いたようにこちらを見る。

「僕は3組の漣 羽音、教官に頼まれて君の荷物を届けにきた。」

「そうか、すまない。」

意外な反応だ。お前にかけられる情けなどいらんわ、というタイプかと思ったが・・・
実は冷静な奴なのか?
もしくは相当落ち込んでいるのか、、、

「君の亜空間転送は見事だったよ。あのスピード、
それに棍棒捌きも的確に相手の隙をついていた、すごかったよ。」

なぜか、フォローしてしまった。

「お前、順位は?」
こちらを向き、漆原が尋ねる。

「僕は400位、最下位だ。」

ッハハハハハ
突然、漆原が笑い出す。

「最下位の奴に何でそんな事言われなきゃならないんだよ。」

あ、まさかここでキレる感じ?時間差パターン?

しかし漆原は予想に反して笑ったままだ。

「はぁーあ、、、、サンキュー。おかげでちょっとスッキリしたぜ。俺は2位なんだ、頑張らないとな。」

漆原はそう言うと荷物を持って医務室から出て行った。

なんだ、意外といい奴だな。
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