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お礼
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「わ……ワタシも、賛成デス、いいですネ、それ」
どうやら私の思うがままの気持ちは、白鳥さんにも伝わったようだ。
「猫宮さんになにかお礼をしたいと思っていたのに、いい案が浮かばなかったの。ありがとう、白鳥さん」
「い、いえ、ワタシは別になにモ……」
「思いつくきっかけをくれたじゃない」
白鳥さんは俯き加減に、正座した膝を擦り合わせて恥ずかしそうにしている。
褒められ慣れていないのだろう。
それを考えると、私たちが似ているって、あながち間違いではないかもしれない。
「そうと決まれば白鳥さんも協力して」
「え? わ、ワタシ?」
「そうよ、出禁のままでいいの? ちゃんと自分が悪かったところを改めて、今後他の人たちに迷惑をかけないなら、猫宮さんだってわかってくれるはずよ」
白鳥さんはぐっと手に力を入れ、なにか決心をしたようだった。
新しいことを始めるのは怖い。
けれど、始めなければなにも変わらない。
「わ、わかりましタ、ワタシも、なんでもやりまス。あなたといれば、お店にも入れるかもですシ」
「あ……うーん、勘違いしてるみたいだけど、私、なにも猫宮さんと特別な関係じゃないですからね」
期待に湧く白鳥さんに、一応釘は刺しておく。
猫宮さんはお客さんに優しい。誰だって分け隔てなく接する。きっと、それが彼の生き甲斐なのだ。
だからそれを寂しいなんて思ってはいけない。
大昔から続く店、流れゆく時の中で、私もみんなと同じ、無数の一人であるとしても。
もらったもののほんの少しだけでも、お返ししたい。
猫宮さんの、心からの笑顔が見たい。
どうやら私の思うがままの気持ちは、白鳥さんにも伝わったようだ。
「猫宮さんになにかお礼をしたいと思っていたのに、いい案が浮かばなかったの。ありがとう、白鳥さん」
「い、いえ、ワタシは別になにモ……」
「思いつくきっかけをくれたじゃない」
白鳥さんは俯き加減に、正座した膝を擦り合わせて恥ずかしそうにしている。
褒められ慣れていないのだろう。
それを考えると、私たちが似ているって、あながち間違いではないかもしれない。
「そうと決まれば白鳥さんも協力して」
「え? わ、ワタシ?」
「そうよ、出禁のままでいいの? ちゃんと自分が悪かったところを改めて、今後他の人たちに迷惑をかけないなら、猫宮さんだってわかってくれるはずよ」
白鳥さんはぐっと手に力を入れ、なにか決心をしたようだった。
新しいことを始めるのは怖い。
けれど、始めなければなにも変わらない。
「わ、わかりましタ、ワタシも、なんでもやりまス。あなたといれば、お店にも入れるかもですシ」
「あ……うーん、勘違いしてるみたいだけど、私、なにも猫宮さんと特別な関係じゃないですからね」
期待に湧く白鳥さんに、一応釘は刺しておく。
猫宮さんはお客さんに優しい。誰だって分け隔てなく接する。きっと、それが彼の生き甲斐なのだ。
だからそれを寂しいなんて思ってはいけない。
大昔から続く店、流れゆく時の中で、私もみんなと同じ、無数の一人であるとしても。
もらったもののほんの少しだけでも、お返ししたい。
猫宮さんの、心からの笑顔が見たい。
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