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吸血族の城
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穏花が美汪の台詞に、幾分か緊張が和らいだ表情を見せた時、扉をノックする音が聞こえた。
美汪が「どうぞ」と返事をすると、その扉を開いたコーエンがティーワゴンを押しながら中に入って来た。
「そろそろ頃合いかと思いまして」
「ああ、ちょうど今終わったところだよ」
コーエンは美汪と穏花の側に黄金色のワゴンを運ぶと、覆い被さっていた白いレース調の布を取り払った。
すると、そこに現れた品の数々に、穏花は病のことも忘れて目を輝かせた。
「う、わ、わあああ~っ!!」
半透明の砂糖らしきものがかかった大きなドーナツ状の洋菓子に、金箔で飾られたダークチョコレートにコーティングされたホールケーキ。藍色の小花柄が描かれたポットに、それと揃いのティーカップ、ソーサー。
貴婦人の茶会のような優雅なおもてなしと、何よりも美味しそうに鎮座するスウィーツたちに穏花は感激の声を上げていた。
「喜んでいただけたようでよかったです。……美汪ぼっちゃま、例の件を話しても?」
「かまわない。……ただ、余計なことは言わないように、僕個人のこととか、ね」
「かしこまりました。言いませんよ……余計なことは、ね」
「あ……でもこれ、美汪は食べられないのに、私だけ食べるなんて、悪いような……」
見当違いの気遣いをしている穏花に、美汪は腕を組むと小さく息をついた。
「ぜひたくさん食べて血液量を増やしてくれ。僕の貴重な食糧なんだからね」
「え? ……あ、あっ、そっか! なるほど。よーし、じゃあいっぱい食べるぞー!」
この場には不相応な明るい声音が響いた。
美汪が「どうぞ」と返事をすると、その扉を開いたコーエンがティーワゴンを押しながら中に入って来た。
「そろそろ頃合いかと思いまして」
「ああ、ちょうど今終わったところだよ」
コーエンは美汪と穏花の側に黄金色のワゴンを運ぶと、覆い被さっていた白いレース調の布を取り払った。
すると、そこに現れた品の数々に、穏花は病のことも忘れて目を輝かせた。
「う、わ、わあああ~っ!!」
半透明の砂糖らしきものがかかった大きなドーナツ状の洋菓子に、金箔で飾られたダークチョコレートにコーティングされたホールケーキ。藍色の小花柄が描かれたポットに、それと揃いのティーカップ、ソーサー。
貴婦人の茶会のような優雅なおもてなしと、何よりも美味しそうに鎮座するスウィーツたちに穏花は感激の声を上げていた。
「喜んでいただけたようでよかったです。……美汪ぼっちゃま、例の件を話しても?」
「かまわない。……ただ、余計なことは言わないように、僕個人のこととか、ね」
「かしこまりました。言いませんよ……余計なことは、ね」
「あ……でもこれ、美汪は食べられないのに、私だけ食べるなんて、悪いような……」
見当違いの気遣いをしている穏花に、美汪は腕を組むと小さく息をついた。
「ぜひたくさん食べて血液量を増やしてくれ。僕の貴重な食糧なんだからね」
「え? ……あ、あっ、そっか! なるほど。よーし、じゃあいっぱい食べるぞー!」
この場には不相応な明るい声音が響いた。
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