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第四章
第二十七話 参観日③ビクトリアの怒り…かなり爆発
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「どなたか説明を」
マーリンが教室を見渡しながら言う。チラリと見える真横にいるリディラがビクトリアを見て震えている。かなり怒っている。まずい。リディラを怒らせてはならない。何故かわからないがマーリンの本能がそう言っている。だが、怒らせてならないのはリディラだけではなかった。
目に涙を溜めたビクトリアがスッと立ち上がった。その目が…涙を貯めたままマーリンを見た。そして言った。
「マーリン様。私から説明します」
その姿は何か覚悟を決めた騎士のような潔い強さがあった。ビクトリアはデビスを指差した。もちろん人を指さすなど失礼なことだし、自分より上位の家格の者に向かってとる姿勢でないこともビクトリアは知っている。あえてそれをするビクトリアに彼女の覚悟と怒りの深さをマーリンたちは感じ取った。
「この男が私の鉛筆を踏み折るという野蛮なことをしました」
デビスをこの男と言うだなんてとクラスメイトたちは目を見開いたが、マーリンとリディラはビクトリアがデビスを挑発しているということに気づいた。
「いけないわ、ビク…」
言いかけたマーリンをリディラがそっと手で制した。リディラを見ると緑の目はビクトリアを見つめたまま何やら輝いている。
リディラにはビクトリアのやろうとしていることや、その後の展開が見えているようだ。デビスが怒り狂うだろうことまではマーリンにも予想できる。しかしその先は?もしデビスがビクトリアを怪我させたり、ビクトリアがデビスの家から抗議されたりしたら…マーリンにはその先がいくつも見えてわからなかった。マーリンの予想の多くはビクトリアにとって不利なものだったので止めようとしたのだが、リディラを見て思い直した。
そうよね、どんな結果でも私たちはビクトリアとお友達だわ。
マーリンが見守る決心をすると同時にデビスが動いた。怒りで馬鹿力が出たのだろう。取り押さえていた者たちをふりほどき、吠えながらビクトリアに向かって突進して行ったのだ。
「お前ー!この男ってなんだよ!野蛮てなんだよ!この親なしがー!」
ビクトリアは近くでかばってくれていた令嬢たちからスッと離れ、デビスからの危険からさりげなく遠ざけた。そんなことに気づかないデビスはそのまま突進し、力任せにビクトリアを両手で突き飛ばした。
「きゃー」
令嬢たちの悲鳴が再び響いた。ビクトリアは突き飛ばされ、壁に打ち付けられ倒れた…けれどビクトリアはフッと笑い、そして立ち上がりながら言った。
「…貴族貴族って威張り散らすからどれほど強いのかと期待したけど、大したことないわね。孤児院の男の子に今みたいな突き飛ばしされたら私の骨は折れてるわ。孤児院の4歳の子でもそれくらいの力はあるのよ」
その一言にリディラ以外の全員が息を呑んだ。興奮してフーフー唸っていたデビスですら静かになってビクトリアを見つめた。ビクトリアは立ち上がり、腰に手を当てデビスを真っ直ぐに見て言った。ビクトリアはいつものおとなしいビクトリアではなかった。
「リディラ様が孤児院にいる子どもたちについて色々あなたたちに教えてくださったけど、リディラ様も知らないことを私が一つ教えるわ。
孤児院にいる子はね、喧嘩も強いのよ。身分差があるから貴族に喧嘩は売らないけど、ひ弱な貴族の子どもなんかより孤児院にいる子どもの方が強いのよ」
いや、貴女、貴族に喧嘩売ってますよ。と聞いていた者たちは思うがもちろん口を挟む者はいない。
ビクトリアは続ける。
「聞いていた?あなたはひ弱だって言ったのよ。侯爵の跡取りというだけしか持ってるものがないのでしょ?裁縫できる?服の染み抜きできる?麦作れる?何ならできるの?あ、鉛筆を踏み折ることはできたわね」
ビクトリアはそう言ってふふふと笑った。完全にデビスを煽っている。もちろんデビスは簡単に刺激される。
「お、お前…うわーっ!」
デビスが再びビクトリア目掛けて突進した。だが今度はビクトリアがひらりと身を交わして避けた。目標を失ったデビスはよろける。無様なかっこうだ。
「はい、空振り」
ビクトリアが笑って煽る。デビスは再突進する。ビクトリアはまたもひらりと避け…さりげなくつま先をデビスの足に絡める。気付いた者はいるだろうか?それくらい素速い足掛けだった。デビスは転んだ。プライドの高いデビスは転ばされたことで怒りの頂点に達した。「うわーっ!」一段と大きな声でビクトリアに向かう。手の形は突き飛ばした時と違い首を絞めようとする形だ、それでもビクトリアは悠然と立ち、迎え撃とうとしていた。
その時、
「デビス!」
と言う声が響いた。デビスを含む全員がその声の方を向く。デビスの父親のタビアス侯爵だ。その横にはデビスの母親。更に近くにリディラの両親クイン侯爵夫妻、コーク公爵夫人、それから信じられないくらい美しい子どもが3人…(天使?)さらにマーリンの両親であるホーリィ公爵夫妻(え?王弟殿下?)、さらに…「え?キエル副団長様?」(え?キエル副団長様?)
水を打ったように静かになった教室で最初に動いたのはビクトリアだった。保護者たちに綺麗なカーテシーを披露した。次に動いたのはデビスの父親。「何事だ?」
ハッと我に返ったデビスが言う。
「ち、父上!この者が私を侮辱したのです。孤児院を出て世の中を知らないので教えていたのです。それなのにこの者は私に暴力を振いました」
この者と言われたビクトリアはデビスの言葉には何も返さず、キエル副団長とライラに向かって言った。
「お父様、お母様」
(おっ、お父様?お母様?)
そういえばキエル副団長は大戦争での功績で伯爵位を与えられたのだった…誰もが英雄をキエル副団長とか、実家である侯爵家の家名キエル・エナスと呼んでいたが、賜った爵位の家名は…そうだ、デビスたちがバカにしていたトリーナだ。ビクトリア・トリーナ。キエル・トリーナ…なんと言うことだ。デビスたちは国の英雄の娘にちょっかいを出していたのか。
クラスメイトたちの驚きをよそにビクトリアが続ける。
「今日までお世話になり、ありがとうございました。この通り、私は騒ぎを起こし、お父様にご迷惑をおかけしました。どうぞ、私を孤児院にお戻しください」
ビクトリアの覚悟はクラスメイトの想像を遥かに超えた覚悟だった。
「なぜだ?」
英雄キエルは短く、そして微笑みながら聞いた。
「君は私たちを父親と母親にしてくれるのではなかったのか?」
「はい。そう約束しましたが、私は鉛筆を踏み折られ、突き飛ばされたくらいで淑女のマナーを守れませんでした。トリーナのお家にはもっとふさわしく、伯爵様たちを父親と母親にしてくれる子どもがいると思います」
これはビクトリアの本心だった。
トリーナ伯爵家は居心地が良かった。ライラはビクトリアの家事スキルを詳しく知りたがってくれたし、キエルも沢山話を聞いてくれた。それだけに二人から贈られた鉛筆を踏み折るデビスの行為が許せなかった。短い時間だったが一生分の思い出ができた。元々一生を孤児院で過ごすつもりだったのだからこれで良い。それでも侯爵家にはむかった伯爵家としてトリーナ伯爵家は何か罰が降るかもしれない。本当に申し訳ないことをしたとビクトリアは思っていた。
「ビクトリア、私たちはまだ君を手放すつもりはないよ」
「そうよ、ビクトリア。私たちはむしろ貴女の強い気持ちに感銘したわ」
確かにビクトリアの強さはクラスメイトの心に響いた。
「あの、発言よろしいでしょうか」
マーリンが小さく手を挙げて言う。
「先程、デビス様は暴力を振るわれたと仰いましたが、私が見た限りですがビクトリア様は暴力を振るっておりません。避けていただけです」
それを聞いたクラスメイトの誰かが付け加える声がした。
「ビクトリア様は鉛筆を踏まれまいと鉛筆に手をかざしました。デビス様はその手ごと踏もうとなさりました」
「突き飛ばしたのもデビス様です。暴力はデビス様しか振るっておりません」
それを聞いたキエルの顔色が変わった。
「手ごと踏むだと?」
そう言ってキエルはデビスとタビアス侯爵を見た。はたからは睨んだように見える。物凄い迫力だ。一気に戦場に来たような迫力だ。
そこへ騒ぎを聞きつけてきた副学長がやってきた。そのままデビスとビクトリア、タビアス侯爵夫妻とトリーナ伯爵夫妻は学長室に行くこととなった。
大きな衝撃の後、クラスメイトたちは教授の声かけでそれぞれの席に戻り、気持ちが整わないまま参観が始まった。
子どもの中で気持ちが整っていたのはアロンだけかもしれない。
「さっきのお姉しゃま、きえるふくだんちょさま、似てゆ。侍女の女の子、似てゆ。ねー、るぅるぅ」
アロンはビクトリアたちの背景は知らない。だが、ビクトリアはキエルにもライラにも似てると言う。
確かに潔さや肝の座り方が二人に似ている。皆、アロンの総評に納得した。
そして真面目なルゼルが言う。
「アロン、ここではお声はシーですよ」
そうだった。授業中は静かにするようにとルゼルから言われていたのだった。それを思い出したアロンはハッとして大きな声で返事をした。
「あいっ!」
皆が笑い、クラスの緊張がほぐれ、参観が再開された。
マーリンが教室を見渡しながら言う。チラリと見える真横にいるリディラがビクトリアを見て震えている。かなり怒っている。まずい。リディラを怒らせてはならない。何故かわからないがマーリンの本能がそう言っている。だが、怒らせてならないのはリディラだけではなかった。
目に涙を溜めたビクトリアがスッと立ち上がった。その目が…涙を貯めたままマーリンを見た。そして言った。
「マーリン様。私から説明します」
その姿は何か覚悟を決めた騎士のような潔い強さがあった。ビクトリアはデビスを指差した。もちろん人を指さすなど失礼なことだし、自分より上位の家格の者に向かってとる姿勢でないこともビクトリアは知っている。あえてそれをするビクトリアに彼女の覚悟と怒りの深さをマーリンたちは感じ取った。
「この男が私の鉛筆を踏み折るという野蛮なことをしました」
デビスをこの男と言うだなんてとクラスメイトたちは目を見開いたが、マーリンとリディラはビクトリアがデビスを挑発しているということに気づいた。
「いけないわ、ビク…」
言いかけたマーリンをリディラがそっと手で制した。リディラを見ると緑の目はビクトリアを見つめたまま何やら輝いている。
リディラにはビクトリアのやろうとしていることや、その後の展開が見えているようだ。デビスが怒り狂うだろうことまではマーリンにも予想できる。しかしその先は?もしデビスがビクトリアを怪我させたり、ビクトリアがデビスの家から抗議されたりしたら…マーリンにはその先がいくつも見えてわからなかった。マーリンの予想の多くはビクトリアにとって不利なものだったので止めようとしたのだが、リディラを見て思い直した。
そうよね、どんな結果でも私たちはビクトリアとお友達だわ。
マーリンが見守る決心をすると同時にデビスが動いた。怒りで馬鹿力が出たのだろう。取り押さえていた者たちをふりほどき、吠えながらビクトリアに向かって突進して行ったのだ。
「お前ー!この男ってなんだよ!野蛮てなんだよ!この親なしがー!」
ビクトリアは近くでかばってくれていた令嬢たちからスッと離れ、デビスからの危険からさりげなく遠ざけた。そんなことに気づかないデビスはそのまま突進し、力任せにビクトリアを両手で突き飛ばした。
「きゃー」
令嬢たちの悲鳴が再び響いた。ビクトリアは突き飛ばされ、壁に打ち付けられ倒れた…けれどビクトリアはフッと笑い、そして立ち上がりながら言った。
「…貴族貴族って威張り散らすからどれほど強いのかと期待したけど、大したことないわね。孤児院の男の子に今みたいな突き飛ばしされたら私の骨は折れてるわ。孤児院の4歳の子でもそれくらいの力はあるのよ」
その一言にリディラ以外の全員が息を呑んだ。興奮してフーフー唸っていたデビスですら静かになってビクトリアを見つめた。ビクトリアは立ち上がり、腰に手を当てデビスを真っ直ぐに見て言った。ビクトリアはいつものおとなしいビクトリアではなかった。
「リディラ様が孤児院にいる子どもたちについて色々あなたたちに教えてくださったけど、リディラ様も知らないことを私が一つ教えるわ。
孤児院にいる子はね、喧嘩も強いのよ。身分差があるから貴族に喧嘩は売らないけど、ひ弱な貴族の子どもなんかより孤児院にいる子どもの方が強いのよ」
いや、貴女、貴族に喧嘩売ってますよ。と聞いていた者たちは思うがもちろん口を挟む者はいない。
ビクトリアは続ける。
「聞いていた?あなたはひ弱だって言ったのよ。侯爵の跡取りというだけしか持ってるものがないのでしょ?裁縫できる?服の染み抜きできる?麦作れる?何ならできるの?あ、鉛筆を踏み折ることはできたわね」
ビクトリアはそう言ってふふふと笑った。完全にデビスを煽っている。もちろんデビスは簡単に刺激される。
「お、お前…うわーっ!」
デビスが再びビクトリア目掛けて突進した。だが今度はビクトリアがひらりと身を交わして避けた。目標を失ったデビスはよろける。無様なかっこうだ。
「はい、空振り」
ビクトリアが笑って煽る。デビスは再突進する。ビクトリアはまたもひらりと避け…さりげなくつま先をデビスの足に絡める。気付いた者はいるだろうか?それくらい素速い足掛けだった。デビスは転んだ。プライドの高いデビスは転ばされたことで怒りの頂点に達した。「うわーっ!」一段と大きな声でビクトリアに向かう。手の形は突き飛ばした時と違い首を絞めようとする形だ、それでもビクトリアは悠然と立ち、迎え撃とうとしていた。
その時、
「デビス!」
と言う声が響いた。デビスを含む全員がその声の方を向く。デビスの父親のタビアス侯爵だ。その横にはデビスの母親。更に近くにリディラの両親クイン侯爵夫妻、コーク公爵夫人、それから信じられないくらい美しい子どもが3人…(天使?)さらにマーリンの両親であるホーリィ公爵夫妻(え?王弟殿下?)、さらに…「え?キエル副団長様?」(え?キエル副団長様?)
水を打ったように静かになった教室で最初に動いたのはビクトリアだった。保護者たちに綺麗なカーテシーを披露した。次に動いたのはデビスの父親。「何事だ?」
ハッと我に返ったデビスが言う。
「ち、父上!この者が私を侮辱したのです。孤児院を出て世の中を知らないので教えていたのです。それなのにこの者は私に暴力を振いました」
この者と言われたビクトリアはデビスの言葉には何も返さず、キエル副団長とライラに向かって言った。
「お父様、お母様」
(おっ、お父様?お母様?)
そういえばキエル副団長は大戦争での功績で伯爵位を与えられたのだった…誰もが英雄をキエル副団長とか、実家である侯爵家の家名キエル・エナスと呼んでいたが、賜った爵位の家名は…そうだ、デビスたちがバカにしていたトリーナだ。ビクトリア・トリーナ。キエル・トリーナ…なんと言うことだ。デビスたちは国の英雄の娘にちょっかいを出していたのか。
クラスメイトたちの驚きをよそにビクトリアが続ける。
「今日までお世話になり、ありがとうございました。この通り、私は騒ぎを起こし、お父様にご迷惑をおかけしました。どうぞ、私を孤児院にお戻しください」
ビクトリアの覚悟はクラスメイトの想像を遥かに超えた覚悟だった。
「なぜだ?」
英雄キエルは短く、そして微笑みながら聞いた。
「君は私たちを父親と母親にしてくれるのではなかったのか?」
「はい。そう約束しましたが、私は鉛筆を踏み折られ、突き飛ばされたくらいで淑女のマナーを守れませんでした。トリーナのお家にはもっとふさわしく、伯爵様たちを父親と母親にしてくれる子どもがいると思います」
これはビクトリアの本心だった。
トリーナ伯爵家は居心地が良かった。ライラはビクトリアの家事スキルを詳しく知りたがってくれたし、キエルも沢山話を聞いてくれた。それだけに二人から贈られた鉛筆を踏み折るデビスの行為が許せなかった。短い時間だったが一生分の思い出ができた。元々一生を孤児院で過ごすつもりだったのだからこれで良い。それでも侯爵家にはむかった伯爵家としてトリーナ伯爵家は何か罰が降るかもしれない。本当に申し訳ないことをしたとビクトリアは思っていた。
「ビクトリア、私たちはまだ君を手放すつもりはないよ」
「そうよ、ビクトリア。私たちはむしろ貴女の強い気持ちに感銘したわ」
確かにビクトリアの強さはクラスメイトの心に響いた。
「あの、発言よろしいでしょうか」
マーリンが小さく手を挙げて言う。
「先程、デビス様は暴力を振るわれたと仰いましたが、私が見た限りですがビクトリア様は暴力を振るっておりません。避けていただけです」
それを聞いたクラスメイトの誰かが付け加える声がした。
「ビクトリア様は鉛筆を踏まれまいと鉛筆に手をかざしました。デビス様はその手ごと踏もうとなさりました」
「突き飛ばしたのもデビス様です。暴力はデビス様しか振るっておりません」
それを聞いたキエルの顔色が変わった。
「手ごと踏むだと?」
そう言ってキエルはデビスとタビアス侯爵を見た。はたからは睨んだように見える。物凄い迫力だ。一気に戦場に来たような迫力だ。
そこへ騒ぎを聞きつけてきた副学長がやってきた。そのままデビスとビクトリア、タビアス侯爵夫妻とトリーナ伯爵夫妻は学長室に行くこととなった。
大きな衝撃の後、クラスメイトたちは教授の声かけでそれぞれの席に戻り、気持ちが整わないまま参観が始まった。
子どもの中で気持ちが整っていたのはアロンだけかもしれない。
「さっきのお姉しゃま、きえるふくだんちょさま、似てゆ。侍女の女の子、似てゆ。ねー、るぅるぅ」
アロンはビクトリアたちの背景は知らない。だが、ビクトリアはキエルにもライラにも似てると言う。
確かに潔さや肝の座り方が二人に似ている。皆、アロンの総評に納得した。
そして真面目なルゼルが言う。
「アロン、ここではお声はシーですよ」
そうだった。授業中は静かにするようにとルゼルから言われていたのだった。それを思い出したアロンはハッとして大きな声で返事をした。
「あいっ!」
皆が笑い、クラスの緊張がほぐれ、参観が再開された。
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