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ホテルの前で梨園が手を振ってる。
オフショルにミニスカート……かなり目立ってるな。
朝の七時過ぎにナンパする勤勉な奴が居なくてよかったよ。
「今日もカワイイな。」
俺はインカムを受け取る前に声をかけた。
だって、ハズいじゃん。
ほらね、梨園はなんて言ってるか分からないからただ微笑んでる。
梨園からインカムを受け取ると電源を入れた。
「おはよ」
俺は梨園の頭をクシャクシャといじりながら挨拶をする。
「リクおはよ。
インカムつける前、何て言ったの?」
「気にするな、大した事は言ってない。」
「気になるよ。」
「早く食べに行かないと俺は仕事に行っちまうぞ?」
「それはイヤ。
何を食べに行くの?」
「駅前にある立ち食い蕎麦屋だよ。」
「立ち食い蕎麦って、どんな蕎麦なの?」
「それは行ってのお楽しみだ。」
俺は梨園の手を繋いで駅に向かって歩き出した。
…よし、成功だ。
昨日寝る前に考えたんだよ、どうすれば腕を組まれないか。
いや、組むのが嫌なんじゃないぞ?
むしろ嬉しいが、理性がな。
一般人ならこんな事考えなかっただろうな。
梨園は手を繋いでるから、腕を組むことが出来ずジタバタしてる。
俺は繋いでいた手を離すと、ここぞとばかりに腕を組んできて私の勝ちとドヤ顔をした。
「着いたぞ、店の中で腕を組んでたら食べにくいだろ?」
俺は梨園に負けたわけじゃなく店に着いたから手を離したんだ(笑)
「入るぞ。」
むくれてる梨園の手を引いて中に入った。
「ここの蕎麦は自分で食べたい物を選んで乗せてもらうんだ。
立って食べるから立ち食い蕎麦なんだ。」
「ふーん、ねぇーリク?
これは何が入ってるの?」
「これは竹輪の天ぷらだ、中には何も入ってないぞ。」
「お肉の天ぷらもあるのね。」
「あぁ、とり天だ。
旨いぞ。
俺はとり天とかき揚げにするけど。
梨園は決まったか?」
「えっとねー、リクと同じのにする。」
券売機でチケットを買って店員さんに渡した。
店はまだ早い時間だから客は疎らだ。
おかげで白い目で見られなくて済んだ。
混んでる時にこのやり取りは迷惑でしか無い。
カウンターで待っていると、丼を置いた店員さんが話しかけてきた。
「兄さん達面白いな。
兄さんは日本語で、彼女は中国語を喋ってるよな?
何で話しが通じてるんだ?」
「耳に付けてるのが自動通訳機なんですよ。
勝手に通訳して伝えてくれるんです。
便利ですよ。」
「そりゃ便利だろうなぁ。
ここは駅前だから色んな外国のお客さんが来るんだけどよ、何言ってるか分かんねぇから注文取るのも大変なんだよ。
でも、一対一じゃ何個あっても足りねぇな。」
店員さんは豪快に笑った。
梨園はとり天が気に入ったみたいで、ムシャムシャ食べてる。
店員さんがカワイイ彼女にプレゼントだと、とり天を丼に入れてくれた。
梨園はキョトンとしているから、俺が説明した。
そのまま伝えたのは失敗だったが……
梨園は店員さんに笑顔で中国語でお礼を言っていた。
店員さんは中国語が分からないみたいだが、礼を言われてるのは雰囲気で分かるらしい。
『混む前に食べな』と伝えてくれと俺に言ってきた。
……店員さん、顔がだらしないですよ?
梨園の笑顔にヤラれましたね。
食べ終わると店から出る時に梨園は店員さんに手を振っていた。
…これを機に少しはトラウマが抜けるといいんだけど。
オフショルにミニスカート……かなり目立ってるな。
朝の七時過ぎにナンパする勤勉な奴が居なくてよかったよ。
「今日もカワイイな。」
俺はインカムを受け取る前に声をかけた。
だって、ハズいじゃん。
ほらね、梨園はなんて言ってるか分からないからただ微笑んでる。
梨園からインカムを受け取ると電源を入れた。
「おはよ」
俺は梨園の頭をクシャクシャといじりながら挨拶をする。
「リクおはよ。
インカムつける前、何て言ったの?」
「気にするな、大した事は言ってない。」
「気になるよ。」
「早く食べに行かないと俺は仕事に行っちまうぞ?」
「それはイヤ。
何を食べに行くの?」
「駅前にある立ち食い蕎麦屋だよ。」
「立ち食い蕎麦って、どんな蕎麦なの?」
「それは行ってのお楽しみだ。」
俺は梨園の手を繋いで駅に向かって歩き出した。
…よし、成功だ。
昨日寝る前に考えたんだよ、どうすれば腕を組まれないか。
いや、組むのが嫌なんじゃないぞ?
むしろ嬉しいが、理性がな。
一般人ならこんな事考えなかっただろうな。
梨園は手を繋いでるから、腕を組むことが出来ずジタバタしてる。
俺は繋いでいた手を離すと、ここぞとばかりに腕を組んできて私の勝ちとドヤ顔をした。
「着いたぞ、店の中で腕を組んでたら食べにくいだろ?」
俺は梨園に負けたわけじゃなく店に着いたから手を離したんだ(笑)
「入るぞ。」
むくれてる梨園の手を引いて中に入った。
「ここの蕎麦は自分で食べたい物を選んで乗せてもらうんだ。
立って食べるから立ち食い蕎麦なんだ。」
「ふーん、ねぇーリク?
これは何が入ってるの?」
「これは竹輪の天ぷらだ、中には何も入ってないぞ。」
「お肉の天ぷらもあるのね。」
「あぁ、とり天だ。
旨いぞ。
俺はとり天とかき揚げにするけど。
梨園は決まったか?」
「えっとねー、リクと同じのにする。」
券売機でチケットを買って店員さんに渡した。
店はまだ早い時間だから客は疎らだ。
おかげで白い目で見られなくて済んだ。
混んでる時にこのやり取りは迷惑でしか無い。
カウンターで待っていると、丼を置いた店員さんが話しかけてきた。
「兄さん達面白いな。
兄さんは日本語で、彼女は中国語を喋ってるよな?
何で話しが通じてるんだ?」
「耳に付けてるのが自動通訳機なんですよ。
勝手に通訳して伝えてくれるんです。
便利ですよ。」
「そりゃ便利だろうなぁ。
ここは駅前だから色んな外国のお客さんが来るんだけどよ、何言ってるか分かんねぇから注文取るのも大変なんだよ。
でも、一対一じゃ何個あっても足りねぇな。」
店員さんは豪快に笑った。
梨園はとり天が気に入ったみたいで、ムシャムシャ食べてる。
店員さんがカワイイ彼女にプレゼントだと、とり天を丼に入れてくれた。
梨園はキョトンとしているから、俺が説明した。
そのまま伝えたのは失敗だったが……
梨園は店員さんに笑顔で中国語でお礼を言っていた。
店員さんは中国語が分からないみたいだが、礼を言われてるのは雰囲気で分かるらしい。
『混む前に食べな』と伝えてくれと俺に言ってきた。
……店員さん、顔がだらしないですよ?
梨園の笑顔にヤラれましたね。
食べ終わると店から出る時に梨園は店員さんに手を振っていた。
…これを機に少しはトラウマが抜けるといいんだけど。
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