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第1話
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朝の時間帯で、僕は学校に行くためにいつもの通学路を歩いていた。木が生い茂り、朝の光が差し込んでいた。綺麗だった。
周りには僕以外誰もいなかった。そんな時、道の真ん中に二匹の猫が横たわっていた。
猫はどちらも死んでいた。僕はその猫だったものに歩み寄る。猫の腹には刃物が突き立てられたような痕跡がいくつもあり、無残な姿だった。しかし、何故か朝日に照らされた猫の姿は不思議と美しかった。
しばらくしてふと顔を上げるとそこには黒い、霧のような、何かがいた。その霧は僕の腕の中で眠っていた猫を取り込み、静かに、音も立てずに消えていった。僕はただ、その霧を見送る事しか出来なかった。そして視界が揺れる。そうか。これは夢か。その時初めて自覚する。段々と境界線が曖昧になる。僕の意識は釣り上げられる魚のように、ぐんと引っ張り上げられた。
周りには僕以外誰もいなかった。そんな時、道の真ん中に二匹の猫が横たわっていた。
猫はどちらも死んでいた。僕はその猫だったものに歩み寄る。猫の腹には刃物が突き立てられたような痕跡がいくつもあり、無残な姿だった。しかし、何故か朝日に照らされた猫の姿は不思議と美しかった。
しばらくしてふと顔を上げるとそこには黒い、霧のような、何かがいた。その霧は僕の腕の中で眠っていた猫を取り込み、静かに、音も立てずに消えていった。僕はただ、その霧を見送る事しか出来なかった。そして視界が揺れる。そうか。これは夢か。その時初めて自覚する。段々と境界線が曖昧になる。僕の意識は釣り上げられる魚のように、ぐんと引っ張り上げられた。
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