転生者とバグでない異世界人の物語

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30.レンの家族とツーラ男爵領の復旧工事

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 俺とレンは昨年の秋に結婚したわけだが、俺の家族には挨拶したが、レンの家族には挨拶していないので、一度行ってみることになった。
 レンの生まれたのはツーラ男爵領のア村でここから徒歩で10日ほどの距離にある。
 公爵様に旅の許可をもらいに行ったら馬を貸してくれることになった。馬だと俺とレンが2人乗りして、馬に回復魔法をかけながら走れば2日ほどで着けるはずである。
 その際公爵様からツーラ男爵への手紙と支援の物資も預かった。支援物資は俺のマジックバッグ容量大に入れた。

 領都を朝出て途中で1泊した。宿に泊まるとレンは
「新婚旅行だ」
と言ってはしゃいでいる。

 そして2日目の昼頃にツーラ男爵家の屋敷のある村についた。屋敷に行くと男爵家当主のジェロン様がおられたので挨拶した。
 公爵様の手紙と支援物資を持っていたので丁寧に対応してくれた。支援物資はマジックバッグごと渡した。
「マジックバッグも有効活用してほしい」
と言ったら感激していた。
 レンが男爵領のア村の出身で公爵様の客人になっていること、春から公爵家寄子の令息や令嬢を集めての勉強会をすること、費用は公爵様持ちなので心配しなくてもいいことなどを伝えた。
「ア村については今後注意する」
と言われた。

 男爵様に困っていることはないか問い合わせたところ、災害の復旧で手が回らないので、最近は魔獣の被害が増えているとのことだったので、俺は災害の復旧の支援、レンは魔獣討伐をすることになった。
「レンの家族に挨拶し、明日また来る」
と言って男爵屋敷を出た。

 レンの家に行くと、両親は畑仕事に行っているようでいなかったが、弟がいた。妹が病気なので面倒を見ているとのこと。俺は妹に回復魔法をかけた。レンは久しぶりに会えた弟妹と抱き合って泣いている。
 それから俺は家にクリーンの魔法をかけた。そして、家の壊れているところを魔法で修繕していった。アイテムボックスから出したお菓子を食べお茶を飲んでいたら両親が戻って来た。
 そして、レンを見て驚いていた。これまでの経過を説明し納得してもらった。
 父親が
「お前を売った俺を恨んでないか」
と言うと、
「ううん、そんなことないよ。あの時私を売らなかったら、家族全員飢え死にしていたもの。それに売られたことでハルトさんにも会えたし」

 その晩はそこに泊まって次の日の朝、
「男爵様と用がある」
と言ってレンの家を出てきた。
 レンの両親には、当座のお金と食料、衣類と栄養剤をマジックバッグ容量小に入れておいてきた。
「栄養剤は掛けると小麦の収穫量が例年の1.5倍ぐらいになる。周りの人には絶対に秘密だ」
と言って渡した。マジックバッグにはレンの家族以外使えないように使用者制限をかけた。

 男爵邸に行くとジェロン男爵様と息子のエバン様が待っていた。ジェロン様は主に周りの貴族家への支援要請や物資の調達などの書類面の仕事を、息子のエバン様は現地で指揮を執っているとのこと。
 俺は男爵領の地図を見せてもらい、災害箇所の説明を受けた。一昨年の災害の後、昨年は応急的な復旧は出来たが、本格的な復旧はこれからということ。
 決壊した堤防の本復旧、河川の狭隘箇所の河道の拡幅、それに決壊した橋の復旧工事とのこと。道が悪いので馬車での移動は無理で徒歩か馬になるとのこと。エバン様はいつも馬で移動しているとのことなので、俺も移動には公爵家から借りた馬を使うことにした。

 レンは男爵領の地図をもらい、魔獣のいる場所を教えてもらった。
「レン殿1人だけで大丈夫なのか」
と聞かれたが、レンは
「他の人を守って戦うのは疲れる、1人のほうが楽。ビックボアやビックベア、それにオークやオーガぐらいなら瞬殺できる。肉や素材はそのままマジックバッグに入れて持って帰ってくる」
と言って飛び出していった。
「オーガを瞬殺」
と言ってツーラ親子が驚いている。

 俺とエバン様はそれぞれ馬に乗って男爵邸を出た。
 出てからすぐに、俺は土魔法で路面を固めて、中央を少し高くして両端に側溝用に窪みをつけながら走った。
「器用だ」
と言ってエバン様があきれている。
 最初の現場までずっと俺が魔法をかけているので、エバン様が
「魔力は持つのか」
と聞いてきたので
「余裕だ」
と答えた。

 最初の現場は決壊した堤防の復旧箇所であった。多くの人が土を運び突き固めて堤防を作っていた。すべて人力である。
 俺は作業している人に後ろにさがってもらうと、地面に手をついて魔力を込めた、するとあたりの土砂が移動して堤防を形づくっていった。さらに、水が当たるであろう箇所の土砂を固めて石のようにしていった。堤防の完成である。
「ここに橋は架けないのか」
と聞くと
「そこまで手が回らない」
とのこと。
 そこで、俺は土魔法で川の中央に石の杭を何本か作り、その上にマジックバッグから出した丸太を数本並べた。
「この上に板を敷けば橋になるだろう。」

 そのようにして、道の補修と河川の復旧それに橋の架設を数か所して、夕方男爵邸に戻った。同じくらいにレンも戻って来た。
「魔獣の狩り放題だ」
と言ってほくほく顔である。

 そのような日々を10日ほど続けていたら、一応の区切りがついたので帰ることにした。災害箇所はほとんど復旧できたとのこと。これで領民を復旧工事に駆り出さなくてもよくなる。領民も農作業に戻れるとのこと。
 なお、レンの狩った魔獣はマジックバッグ容量大に5個ぐらいになったので、そのまま置いてきた。
「マジックバッグはそのまま使ってもらえればいい。」
と言ったら、泣いて感謝された。
 余裕が出たので勉強会にも参加するとのこと。
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