転生者とバグでない異世界人の物語

@000-ooo

文字の大きさ
68 / 119

68.マー平原会戦2

しおりを挟む
 領都を出て、シャタイン伯爵領を進み、再びネイメー子爵領に入り、夕方にはアムスム王国とユルノギ王国の国境に到着した。
 国境を守る兵士に国王からの指示書を見せると、すぐに出国の許可が得られた。
 続いて、今度はユルノギ王国の検問所である。ここでも、国王からの指示書を見せ入国の許可が得られた。

 その後、暗くなってきたので、街道をライトをつけながら安全のため時速40kmぐらいで進んだ。俺は索敵をかけて、敵軍がマー平原までいないことを確認すると、車はそのまま進むが、兵士は車内で仮眠をとるよう指示した。
 マー平原から60kmぐらい手前で進軍を停止し、見張りの兵士以外睡眠をとるよう指示した。

 次の日、未明に起床し、夜明けとともに出発した。マー平原まで来ると1km程向こうに敵軍が見える。
 俺は索敵魔法で敵魔法士の位置確認を行った。すると敵魔法士は陣地の中央付近の指揮官と思われる天幕の付近に多くいることが分かった。

 俺は1番車で試験発射をすることにした。俺が試験発射をしている間に、2番車から101番車までの車に命じて横一線に並列するように指示を出した。
 そして、初期値として最大射程となる鉛直角45度と現在の位置関係から方向角右5度を入力した。試験発射の着弾位置を見ると敵陣中央から500mほど手前に着弾した。
 しかし、水平方向が少しずれていたので修正した方向角を入力した。そして、再度発射した。方向的には問題ないようである。

 2番車から101番車までが横一線に並び終えると、500m前進するように指示を出した。そして、2番車から101番車が500m前進した後、目標を敵中央天幕付近に固定するように指示を出した。
 そして一斉射撃を命令した。10分ほど一斉射撃を行った後、索敵で敵の様子を確認した。現地は黒煙と砂煙で前が見えない状況だが、索敵による魔道反応はほとんどない。敵魔法士は全滅したようである。

 俺は
「蹂躙戦移行、今後爆裂弾の使用を禁止する」
と操作パネルに入力した。
するとそれがスクリーンに表示された。続いて
「2番車から101番車までは、そのままゆっくり前進、
102番車から201番車は敵の野営地を迂回して敵軍の背後に回るように、
202番車から301番車は敵の野営地の右側面に、
302番車から401番車は左側面に、
402番車から500番車は俺の1番車の護衛に回るように」
との指示をした。

 この状況に、車内のシャタイン領軍の面々は声も出ない。ハディー様が
「ハルト、靄で状況が分からないのだけれど、どうなっているの」
「一斉射撃で敵魔法士がほぼ全滅したようなので、これから魔道馬車で敵軍を蹴散らしていくのです」
「敵魔法士が全滅したってどうしてわかるの」
「敵から魔力が感じられないからです。レンもわかるよな」
「うん、わかる。敵からさっきまで感じられた魔力がほとんど感じられない。多分敵魔法士は全滅したと思う」
「すごいね。そんなの私わからない」
「それにしても、あんな遠くまで攻撃魔法が届くんだ」
「この魔道馬車の魔道具は特別なんだ。最大射程は500m、通常の魔法士の攻撃魔法の射程の約10倍だ」

 その後2時間ほど魔道馬車で敵の騎士や兵士を蹴散らしていたら、ほとんど組織だった抵抗をしてこなくなった。
 靄も晴れてきたので掃討戦に移行することにした。魔道馬車をもとの敵軍を四方から囲む位置に戻すと、ハディー様とウベルトに、
「これから掃討戦に移行するのですが、シャタイン伯爵家の領軍は魔道馬車の外に出て、抵抗する敵軍は切り倒して、抵抗しない敵軍は捕縛していただきたいと思うのですが、ウベルトさんは伯爵軍の指揮を執ってもらえますか」
「わかりました」
ウベルトさんの了解が得られたので、俺はスクリーンに
「シャタイン伯爵家の領軍は魔道馬車の外に出て、掃討戦を行う。指揮はウベルトさん、抵抗する敵は切り倒す。抵抗しない敵は捕縛する。時間は夕方まで。夕方になったら魔道馬車の中に入ること」
と表示した。

 そして、近くのユルノギ王国の貴族あてに
「帝国の侵略軍1万をマー平原で撃破した。捕縛した敵軍を現地に置いていくので、後の処理をお願いします。ユルノギ王国救援軍、指揮官アムスム王国子爵ハルト・ネイメー」
と書いた手紙を届けさせた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

召喚獣スライムに転生したが、美少女召喚士が自分のすごさにまったく気づかない

椎名 富比路
ファンタジー
美少女召喚士リップルに召喚される形で、スライムの【ロピ】ちゃんとして転生したヒロミ。 リップルは誰しも認める天才美少女召喚士で、召喚獣からも慕われている。 なのに、本人はまったく無自覚で、自分の力より召喚獣のほうが優秀だと思っている。 だが、ロピちゃん本人も、自分が最強だと気がついていなかったのである……。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜

Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。 だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。 赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。 前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、 今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。 記憶を失ったふりをしながら、 静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。 しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。 ――これは復讐でも、救済でもない。 自由を求めただけの少年が、 やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。 最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。 重複投稿作品です 小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始! 2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

貞操逆転世界の「内助の功」~掃除と料理を極めた俺が、脳筋幼馴染を女王にするまで~

ありゃくね
ファンタジー
前世の記憶が目覚めたそこは、男女の貞操が逆転した異世界だった。 彼が繰り出すのは、現代知識を活かした「お掃除アイテム」、そして胃袋を掴む「絶品手料理」。 ただ快適に暮らしたいだけのマシロの行動は、男に飢えた女騎士たちを狂わせ、国の常識さえも変える一大革命へと繋がっていく。

処理中です...