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出会い

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【問20】太平洋戦争が日本にもたらした背景を200文字以内でまとめなさい。(R大改)

【問21】「男もすなる日記といふものを女もしてみむとするなり~」この作品の著者は誰か?作品名と共に答えよ。また、この頃、開かれた文化が後世に与えた影響を300文字以内で答えよ。(W大改)

『問20か。記述式は苦手なんだよな・・・太平洋戦争だろ?つまり、1931年、東條英機内閣以降の日本が世界に与えた影響を書けばいいのか?何せ200字だからな。長いな。どこまで書けばいいんだろう?太平洋戦争時の最後の内閣は小磯国昭かな?いや、鈴木貫太郎か?分からないな。』

『問21は作品名は楽勝の『土佐日記』。作者は紀貫之。この頃、開かれた文化?国風文化だと藤原道長が主人公と思われる『栄花物語』辺りが聞かれそうだけど。国風文化、女性の女官達の日記ものからひらがなの開発。まて、問21は文学史だろ?と言うことは・・・』

「マーク式は何とかなんだけど、記述式はなぁ・・・アーッ!分かんねぇ~っ!」

那覇市、首里城予備校、最難関大受験クラスのクラス分けテストが行われていた。

「国語まぁまぁ、数学ダメダメ。理科ソコソコ、英語オワコン、社会もオワコンだぁ!!!分っかるかぁぁぁぁぁぁぁ!うるせぇんだよ!俺は、私立文系だっちゅうの!理系科目は知らないっちゅうの!」

「・・・痛てっ!なんだ!」

ーーーコツッ・・・ーーー

小さなものが、麻琴の頬を小突いた。紙片だった。それはカタカタと何回か答案用紙にバウンドして止まった。

ハタと紙屑が飛んで来た方向を凝視すると、観たことのある制服が目に飛び込んできた。

麻琴の高校の隣にある、私立沖縄興国高校の女子制服だった。

レイヤーボブの黒髪に後れ毛は天然パーマのようにクルッとうなじ寄りにカーブしている。

制服の中身は細い首筋にカーブを描き、大きくはない色気のある鎖骨へと続いている。

そこからは麻琴の妄想でしかないが、豊穣な大きめの乳房と括れた腰付きをしている様子が伺い知れる。

しかもまだ、生育途中であることは彼女の未発達な臀部を見れば非を観るよりも明らかだ。

その清楚系女子の顔を拝んでやりたい衝動に掻き立てられると共に、梨沙が卒業してからというもの女性に対してあらゆる想像力を働かせてしまう事が癖になってしまっているゆえーーーーー

彼は既に勃起してしまっていた。

顔色は短めの髪で隠れて伺い知ることはできないが彼女が投げた紙だといいが。と、麻琴は思った。

彼は小さく丸まった紙屑を広げ始めた。

テスト最中の室内にカサカサと音がした。4センチ角の紙片だった。そこには、今時の可愛い真ん丸としたクチャとした字体で。

『うるさいなぁ・・・試験中!」

と書かれてあった。しかし、miffyの可愛らしいイラストが添えられていた。

麻琴が眼を見開いて隣にいる少女の方を見遣った。彼は驚愕で完璧に目が血走っている。

隣の少女が麻琴の視線に気がつくと、肩をすくめて穏やかに微笑んだ。生まれついた上品な笑顔。

小悪魔のようなズルい笑み。憎たらしい。この子をメチャクチャにしたらどんなにいいだろうか・・・彼のオトコも怒り狂いそうだった。

「お!おまえは誰だ!」

麻琴がそう、口走ったその時!

ーーーキンコン~カンコン~キンコン~カンコン~キンコンカンコン~キンコンカンコン~ーーー

無残にも試験終了の鐘が鳴った。

「はい!試験終了!後ろから集めて!」

無機質に試験官は何人かで後の席から試験答案を集め始めた。最難関のクラス分け試験が終わった。

もう今年一年は終わった。女子にかまけるどころではない。ロクな講師の授業しか受けられない。

進学指導をするチューターもだ。ロクなチーティングしか、してくれないのは想像に堅くない。

「つ・・・疲れた。今年の俺の受験、オワタ。」

東京に行き、先輩と会えるのは、来年、一浪して大手予備校に通うようになってからかも知れない。河合塾か、駿台予備学校か、東進ゼミナールか・・・それとも四谷学院か・・・

「もう!何やってるの?辛気臭いなぁ。バカじゃない?おかっしいのっ!」

少女は腹に右手を当てて笑っている。麻琴は両腕、両足を組ながら不貞腐れて、その言葉を全力で無視した。

「名前も知らない女の子に笑われる筋合いねぇよ。しかも、バカって。」

「私は真栄城千鶴まえしろちづる。真栄城さんでいいわよ。」

「えっ!ちづる?オバチャンみたいな名前だな。」

「うるさいな。気にしてるのに!」

「こっちこそ!うっせぇな!ちづ!」

千鶴の顔が真っ赤になって照れた。顔を頬に当てながら。

「・・・呼び捨てしないで・・・まだ早いよ。」

千鶴はそう言うのが精一杯だった。どうやら、彼女は麻琴の事を以前から知っているようだった。

「ふぅ~ん」

麻琴は意味深に鼻で笑った。やっぱり、メチャクチャにしてやりたくなった。



    
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