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24話 二度目の会談 その2
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(アラン王子殿下視点)
「アラン、お前のしでかしたことは、大臣たちを通して私の耳に入っている。相違ないのだな?」
「は、はい……父上」
私は今、ジドル王国の国王陛下であるモーガン・ジドルの前に立っていた。私の実父に当たる人物だが、似ても似つかない程に険しい顔つきの持ち主だ。幼少の頃、何度か血の繋がりを疑われたこともあったか。だが実際は、紛れもなく親子なのだ。
父上の私室に私は入っている。あの交渉の日から数日が経過し、事情については大臣を通して既に伝わっているようだ。ジドル王国では、王妃……つまりは私の母上も父上と同じ部屋なのだが、今は席を外している。
「ウィンリー・トレートの才能を見誤っていたのか? なぜ、追放したのだ?」
「申し訳ございません、父上……我が妻になる女性、マリーナも錬金術の才覚は十分でございました。それゆえ、彼女でも十二分に務まると考えた次第でございます。なにせ、相手は孤児であり平民……公爵令嬢であるマリーナが負けるはずはないと自負しておりました」
「ほう……それで、結果はどうだった?」
父上の厳しい言葉が続く。私に全てを話させようとしているようだ。
「結果は……残念ながら、ウィンリー・トレートには及びませんでした」
「違うだろう、アラン」
「違う……とは?」
「はるかに及んでいないのだ。現状、ジドル王国のアイテムの生産体制は不味い状態になりつつある。ウィンリー・トレートがいかにジドル王国の財政面に影響していたのか、お前は気付いていなかったようだな……」
そう……ウィンリーの奴は非常に優秀だったのだ。それこそ、再度、あのレベルの錬金術師を雇える日は来ないのではないかと思える程に。
「最悪の場合、お前の婚約者の技術でもある程度の補填は可能だろう。ウィンリー・トレートが消えたからと言って、財政破綻をするわけではない。しかしだ……」
「は、はい、父上……」
「お前が平民を強制的に追放した噂は既に国民に流れ始めている。そして、議会の連中も決して黙ってはいないだろう。そうなれば、やることは1つだ。わかるな?」
父上の眼差し……血を分けた私にしか分からない変化だが、確かに彼の心の中を読み取れていた。
「なんとしてもウィンリーに、戻って来てもらうということですね?」
「そういうことだ。お前も余計なプライドは捨ててしまえ……とにかく、ウィンリー・トレートという才能に媚びれば良いのだ。それで全て上手くいくだろう」
「はっ、仰せのままに……!」
「よし、では早速、イシューマ王国に向かう手筈を整えるぞ。我々が示せる最大限の待遇を持ってな」
「畏まりました、父上……」
まさかあのウィンリーがここまでの存在になるとは、正直思っていなかった。国王すら動かせる存在とは……非常に悔しい気持ちはあるが、今は流れに任せる他はない。彼女を連れ戻せなければ、私の身に何が起きるのか分かったものではないのだから……。
「アラン、お前のしでかしたことは、大臣たちを通して私の耳に入っている。相違ないのだな?」
「は、はい……父上」
私は今、ジドル王国の国王陛下であるモーガン・ジドルの前に立っていた。私の実父に当たる人物だが、似ても似つかない程に険しい顔つきの持ち主だ。幼少の頃、何度か血の繋がりを疑われたこともあったか。だが実際は、紛れもなく親子なのだ。
父上の私室に私は入っている。あの交渉の日から数日が経過し、事情については大臣を通して既に伝わっているようだ。ジドル王国では、王妃……つまりは私の母上も父上と同じ部屋なのだが、今は席を外している。
「ウィンリー・トレートの才能を見誤っていたのか? なぜ、追放したのだ?」
「申し訳ございません、父上……我が妻になる女性、マリーナも錬金術の才覚は十分でございました。それゆえ、彼女でも十二分に務まると考えた次第でございます。なにせ、相手は孤児であり平民……公爵令嬢であるマリーナが負けるはずはないと自負しておりました」
「ほう……それで、結果はどうだった?」
父上の厳しい言葉が続く。私に全てを話させようとしているようだ。
「結果は……残念ながら、ウィンリー・トレートには及びませんでした」
「違うだろう、アラン」
「違う……とは?」
「はるかに及んでいないのだ。現状、ジドル王国のアイテムの生産体制は不味い状態になりつつある。ウィンリー・トレートがいかにジドル王国の財政面に影響していたのか、お前は気付いていなかったようだな……」
そう……ウィンリーの奴は非常に優秀だったのだ。それこそ、再度、あのレベルの錬金術師を雇える日は来ないのではないかと思える程に。
「最悪の場合、お前の婚約者の技術でもある程度の補填は可能だろう。ウィンリー・トレートが消えたからと言って、財政破綻をするわけではない。しかしだ……」
「は、はい、父上……」
「お前が平民を強制的に追放した噂は既に国民に流れ始めている。そして、議会の連中も決して黙ってはいないだろう。そうなれば、やることは1つだ。わかるな?」
父上の眼差し……血を分けた私にしか分からない変化だが、確かに彼の心の中を読み取れていた。
「なんとしてもウィンリーに、戻って来てもらうということですね?」
「そういうことだ。お前も余計なプライドは捨ててしまえ……とにかく、ウィンリー・トレートという才能に媚びれば良いのだ。それで全て上手くいくだろう」
「はっ、仰せのままに……!」
「よし、では早速、イシューマ王国に向かう手筈を整えるぞ。我々が示せる最大限の待遇を持ってな」
「畏まりました、父上……」
まさかあのウィンリーがここまでの存在になるとは、正直思っていなかった。国王すら動かせる存在とは……非常に悔しい気持ちはあるが、今は流れに任せる他はない。彼女を連れ戻せなければ、私の身に何が起きるのか分かったものではないのだから……。
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