最悪の予知夢を回避しようとしてるのに、問題が尽きないのですが‥!?

kiwi

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第二章 ノアは絶対死なせない!

第十二話 お茶会へ

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 お茶会当日。早朝から侍女達に磨かれ、鏡の前の私はどんどん美しくなっていく。

 ドレスは淡い水色のものを選んだ。両親が殿下の色を加えるのはどうかと提案してくれたが、義兄弟と一緒に「似合わないから!」と断固拒否した。なので、アクセサリーを含め、殿下の色は一切入っていない。

 髪はドレスと同色のリボンをつけてハーフアップにし、イヤリングとネックレスは以前のお茶会で使用したものを身に付けた。

 そして侍女達の手により美しくなった私を見て、義兄弟は顔を赤くして固まっていた。両親と祖母は「やっぱり綺麗だわ!」と、目を輝かせて喜んだ。

 「マリアンヌ!絶対、フィリップ王子殿下には近付いては駄目だよ!あいつは危険だ!前のお茶会の時だって‥‥!」と怖い顔をしているノア。

 「そうだ。あいつはマリアンヌを嫁に貰いたい等とふざけたことを言っているからな。」と眉間に皺を寄せているショーン。

 「マリアンヌ、行かないで!こんなマリアンヌ誰にも見せたくない!それに婚約者候補を決めるお茶会だなんて‥‥!」と怒りを露わにするルーカス。

 「今からでも病気になったからと言って欠席は出来ないのか?」

 「僕が魔法で潰してやろうか!?」

 義兄弟は私が出発するまで行かなくてもよくなる方法を考えていたが、父に叱責され、最後は諦めて見送ってくれた。

 ———————————————————

 —————————————

 フィリップ・アーサー・ケンブリッジ第一王子殿下は15歳。もうすぐノアと同じで学院に入学する。背が高く、鍛えらた体躯で、精悍な顔付きをした王子殿下は令嬢達にとても人気がある。

 ヘンリー・アーサー・ケンブリッジ第二王子殿下はまだ6歳。王妃殿下と同じ蜂蜜色の髪にアメジストの瞳をしており、柔らかな笑顔がとても印象的だ。

 そんな王子殿下の婚約者候補を決めるお茶会。綺麗に着飾り、気合の入った令嬢ばかりだ。王子殿下の髪や瞳の色に合わせたドレスを着ている令嬢が多く、赤や金、紫の派手な衣装が目立っていた。そして、相手を値踏みするような視線が飛び交い、ピリピリした異様な雰囲気だった。

 中でも特に目立っていたのはローラ・マクゴガナル公爵令嬢。幼い頃から王子殿下の婚約者候補と謳われており、藍色の髪と瞳を持つスレンダー美女だ。もう既に何人かの取り巻きがいるようで、彼女の側には常に何人かの令嬢がいる。彼女は今日、殿下の髪色の赤と瞳色の金が混ざった豪華なドレスを纏っている。

 そしてもう一人、目を引く人物がいた。茶色のふわりとした髪に同色の瞳。小柄で天真爛漫な可愛らしい雰囲気のセリア・ミドルス伯爵令嬢だ。彼女もまた赤と金のドレスを着ていた。彼女こそ、まさしく夢でみた麗しの伯爵令嬢ではないか!?

 麗しの伯爵令嬢を見つけることが出来て心底安心した。だって、またお嫁に‥‥なんて言われたら嫌だもの!早く出会って、恋でも何でもいいから落ちちゃって!

 その時、会場が俄かに色めきだった。

 王妃殿下と第一王子殿下、第二王子殿下が会場に来られたのだ。

 王子殿下は爽やかな笑顔を令嬢達に振り撒き、会場を闊歩されている。

 目が合いませんように‥‥。

 気付かれませんように‥‥。

 沢山の令嬢が王子殿下に群がる中、私は会場の隅で静かにお菓子を頂くことにした。

 ‥‥あら?あんな隅で静かにお菓子を食べていらっしゃる御令嬢がいるわ!王子殿下にはご興味がないのかしら?話しかけてみよう!

 
 
 
 
 

 



 
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