最悪の予知夢を回避しようとしてるのに、問題が尽きないのですが‥!?

kiwi

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第二章 ノアは絶対死なせない!

第十三話 お友達ができました

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 「ご機嫌よう。私はレミニール侯爵家のマリアンヌです。ご一緒してもよろしいですか?」

 私は静かにお菓子を召し上がられている御令嬢に声をかけた。

 「こちらでよろしければ、どうぞお掛け下さい。私はブランデン伯爵家のカーラーでございます。」

 ブランデン伯爵といえば、優秀な宰相閣下として有名なお方ですわ。この方がお嬢様でしたのね‥‥。

 艶やかな黒髪に落ち着いたシルバーのドレスを纏った彼女はとても美しかった。

 「私、お茶会は苦手ですの‥‥。特に王宮のものは気負いしてしまって疲れますわ‥‥。」

 カーラー様は溜息をつかれた。

 「私もですわ。でも今日はカーラー様にお出会い出来たので嬉しいです。一緒にお菓子を食べてお喋りを楽しみましょう?」

 「そうですわね!」

 二人で顔を見合わせて笑った。

 —————————————————-

 ———————————

 「それではマリアンヌ様と私は学院で同級生になりますわね。嬉しいですわ!」

 「私もです。学院へ行くのが楽しみになりましたわ!」

 隅の目立たない席で二人で楽しい時間を過ごしていると、急に周囲が騒がしくなってきた。

 「‥‥どうしたのかしら?‥‥あっ!?」

 !! フィリップ第一王子殿下がこちらに向かわれている!!

 「カーラー様!この席を離れましょう!」

 「えっ!?」

 私はカーラー様の手を引き、木々や花壇に隠れながら、人気の少ない場所を探した。

 「マリアンヌ様、どうされたのですか!?」

 「王子殿下がこちらに向かわれていたのよ!?大勢の御令嬢を引き連れて!逃げなくちゃ!」

 「そうでしたの!それは逃げましょう!うふふっ!」

 私達は婚約者争いになんて巻き込まれたくない、自由に生きたいと散々語っていたので、今日は王子殿下と鼻息荒い御令嬢を避け続けようと画策したのだ。こんなに広い会場で、御令嬢も大勢いらっしゃるのだから、一度も会えなくてもおかしくはないもの。

 「私こんなにドキドキしたの初めてよ!楽しいですわ!」

 「私もよ。」



 
 「‥‥さっきから何してるの?」 

 可愛い声がして振り向くと、アメジストの瞳を見開いてこちらを見ているヘンリー第二王子殿下がおられた。

 ‥‥しまった!!

 王子殿下の周りにはちびっ子令嬢達もいた。皆、小さいながらも訝しげな表情でこちらを見ている。

 「少し散策をしていただけですわ。ヘンリー王子殿下、ご機嫌麗しゅう存じます。」

 私達は丁寧にカーテシーをして挨拶をした。

 「‥‥そうなんだ。じゃあ、一緒に遊んでくれる?誰も遊んでくれないの‥‥。」

 よく見ると泣いておられたのか、ヘンリー王子殿下の目元が腫れており、心なしか沈まれた様子だった。

 「はい。喜んで。」

 「嬉しい!」

 ヘンリー王子殿下は満面の笑顔で飛び上がって喜ばれた。
 
 ‥‥かくして、私達は着飾った装いのまま、幼い王子殿下と一緒にかくれんぼをすることになったのだった。

 「カーラー様、大丈夫ですか?」

 「ええ、私は大丈夫よ。体を動かすのは好きですの。」

 ちびっ子達は皆着飾った装いのまま、キャーキャー叫んで楽しんでいる。初めは止めに入っていた従者も、王妃殿下が「このまま様子をみましょう」と止められたので皆見守るだけとなった。
 
 段々楽しくなってきて木陰で息を潜めていると、「見つけた!」と誰かに肩をたたかれた。振り向くと‥‥

 「フィ、フィリップ王子殿下!」

 「ずっと、君を探していたんだ。なかなか見つからなくて‥‥こんな所にいたの?」
 

 

 

 
 
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