最悪の予知夢を回避しようとしてるのに、問題が尽きないのですが‥!?

kiwi

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第二章 ノアは絶対死なせない!

第三十九話 フィリップ第一王子side

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 先程注意されたので、用心しながらノックをし、静かに医務室へ入る。

 ‥‥こんな低レベルなことで注意されるような僕ではなかったのに‥‥調子を狂わせられるな。

 ‥‥とにかく、これ以上醜態は晒すことは出来ない。王子として、穏やかに、美しく振る舞わなければ‥‥。

 「マリアンヌ、調子はどうだい?あっ、いいよ!そのままで‥‥。」

 彼女はベッドに横になっていたが、僕を見ると慌てて座ろうとした。横になったままでと伝えると、申し訳なさそうに横になる。そんな様子も可愛い。

 「ありがとうございます。お陰様で落ち着いてまいりました。」

 ほやっと微笑む彼女は本当に可愛い。

 「マリアンヌ、つかぬ事を聞くが‥‥ノアと恋人になったなんて嘘だよね?」

 マリアンヌはガバッと起き上がり、驚いた表情で僕を見つめる。そして泣きそうな顔でノアを見つめる。

 ‥‥えっ!?何この反応‥‥。まさか‥‥!?

 「ごめんね、マリアンヌ。でも恋人になってくれると言ったのは嘘ではないよね?」

 にっこりと微笑むノア。

 パクパクと口を開け、パニックになっているマリアンヌ。

 侍女も驚いた顔をしており、「お嬢様!?ノア様!?‥‥まさか‥‥冗談ですよね‥‥?」と二人の顔を交互に見ている。

 「違っ、違ってはいないけれど、」

 もごもごと口籠るマリアンヌに対し、

 「「違ってないの!!?」」

 侍女と僕は身を乗り出して追及した。

 ‥‥どうなんだ!?嘘だと言ってくれ!!

 「いや、違うけど、違わないというか‥‥期間限定‥‥」

 「マリアンヌ!!あの言葉は嘘だったのか!?」

 マリアンヌの言葉に被せるように叫ぶノア。

 ‥‥ノアの奴、あんな悲劇の捨て犬のような顔をしやがって‥‥!でも、恋人話はあながち嘘ではないようだ‥‥。どうやったんだ!?どんな絡繰が‥‥?」

 「‥‥ああ、嘘‥‥嘘ではないわ‥‥。」

 とうとう泣き出したマリアンヌ。ノアに脅されているのか‥‥?

 「‥‥お嬢様‥‥。確かにお二人は本当の兄妹ではありませんが、今まで本当の兄妹のようでしたから‥‥でも、男女は何があるか分かりませんものね‥‥。私はお二人の味方ですよ。」

 マリアンヌの背中をさすりながら話す侍女。‥‥おいっ!味方するなよ!?
 
 マリアンヌは何か言いたげにしている。どうした!?何があったんだよ!?

 「マリアンヌ。僕はこんなバカみたいな話、信じていないから安心して。」

 何も言わないが、マリアンヌは確かに僕の言葉に目を輝かせた。やはり、嘘なんだ‥‥!

 「とにかく、マリアンヌは僕の愛する人なんだ。僕達は恋人同士。邪魔はしないでほ‥‥」

 バアアアアン!!!

 ノアが喋っている最中に医務室のドアが勢いよく開いた。

 「だっ、だっ、誰が!?ノア様の恋人ですって!?」

 ミドルス伯爵家のセリア嬢だった。

 彼女は可憐‥‥だった筈だが、こんなに目が血走っていたか‥‥?

 「あっ、でっ、殿下っ!ご機嫌麗しゅう‥‥。」

 「あっ、ああ‥‥。」

 ‥‥何か怖いな‥‥。

 「こほんっ。ノア様‥‥先程、ノア様の恋人とか何とか‥‥」

 取り繕った笑顔で問うセリア嬢。

 「ああ、僕とマリアンヌは恋人同士なんだ。」

 得意気にマリアンヌの肩を抱くノア。

 すぐさま離れろっ!

 「はぁ!?きょ、兄妹でしたわよね‥‥?」

 真っ青になるセリア嬢。

 「でも血の繋がりはないんだ。手続きすればどうにでもなるだろ?」

 「ちょっとノア!!皆が誤解するわよ!!」

 「誤解じゃないよ。僕が愛しているのはマリアンヌだけだ。」

 そう言うとノアはマリアンヌの頬にキスをする。

 「イヤーッ!!!」

 セリア嬢はその場で後ろ向きに倒れてしまった‥‥。

 ‥‥ノアの奴、義兄妹であるのに、なりふり構わずアプローチするようになったな。負けてはいられない。

 ‥‥それにしてもセリア嬢は何故ここへ来たんだ‥‥?

 

 



 

 

 
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