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人属編-9

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「おお~~!!!」


「マキア、乗り出すな。あぶない」
ジアンにひっぱられて席に戻される

すごいすごい!
猫だらけ~

小さい子の長い尻尾がふりふりしててかわいいんだけど!

犬地区とはまた違う雰囲気!
ポップなカラーの建物が多い感じ!

明るくていいね~


「あそこだ!!」

DULCIS猫地区店「DULCIS FELES」が見えてきた
外観は犬地区本店と似ているかな

でも店舗は少し大きい!

「まてまてwちょっとまて、落ち着け」

早くつかないかな?ってそわそわしていたら頭をなでられたよ

ず~~っと馬車だったから疲れたし、早く外に出たい



家の近くの馬車乗り場から4時間ほどかけてきた

いつも乗っている馬車よりは高価な馬車のおかげでおしりも痛くない
クッションがいいね

始めてくる場所だから、すごいウキウキでずっと窓の外を見ていられたけど
やっぱり少し疲れるね



少し離れた猫地区の街中の停留場所で降りた

「ありがとう!」

「いえ、こちらこそ。いい旅を」
馬車のおじいちゃんは、帽子を取って頭を下げまた次の停留所へ向かっていった


「どうするの?荷物おいてから行くの?」

ジアンを見上げれば、「ひさしぶりにきたな~」と見回している

「宿に先に行くか」
よし!とあたしの荷物も持ってくれる

「おっけー」
てくてくとジアンと歩く

街中のど真ん中にある、ちょっと高級そうな宿泊施設

隣はレストランみたいになっている

それより・・・来るまでにみた屋台が気になる・・・
見たことない食べ物がいっぱいあったな

「なに、おなかすいたの?」
じゅるりと食べ物のことを考えていたのがバレたw

「へへ。だって!みたことないのがいっぱいで!」

「おまえ・・新婚旅行なんだからレストランとかじゃないの?」

「え~まぁなんでもいいんだけど」

「なんでもって・・・」

宿屋に入り、ジアンが手続きをしてくれる
何でもお任せでらくちん

とってもきれいな場所だし、スタッフの人も上品だわ

「荷物部屋に運んでくれてるみたいだな」

先に送ってあった荷物が届いていたようだ
よかった~

「どうぞ、こちらになります」
スタッフのイケメンな猫のお兄さんが、手荷物を持ってくれる

絨毯が立派で、足音すら響かない

天井にはシャンデリアが釣り下がっている

部屋に案内されるが、これは・・・広い
無駄に広くね?

10畳くらいでいいと思うんだけどw

リビングとベットルームとお風呂場にトイレに洗面室と全部別だし

街中がポップな感じの色が多いのに、
部屋はダークブラウンを基調とした落ち着いた感じになっている

「すごいね~広いね~あちこち見て回る」

「荷物こっちな~」

「はーい」
必要なものだけ出しておくか

「ジアンは?猫地区の領主とお話あるんでしょ?」

「ああ、ちょっと後で連絡してみるよ」
先にDULCIS行ってみようぜと提案してくれる


さっそくおでかけだ

「DULCIS FELES」にはいくと連絡していたから大丈夫だと思うけど・・・

もし混んでいたら挨拶だけして帰ろうかな

あったあった
馬車からみえたお店だ!



カランカラン


「こんにちは~」

「いらっしゃいませ~」

かわいい猫のお姉さんがお出迎えしてくれる

「あの、連絡していたマキア・イーグルです」

「・・・!!え~!!!店長~!!!」

お姉さん叫んでる

「まぁ!お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

ワンレングスで少し年配な、でも優しいんだろうなってわかる雰囲気をだしている店長さんがやってきた

奥のテーブル席へ案内してくれた

「今、シェフもお呼びしますね」

猫のお姉さん、そわそわしている

へへって笑いかけると「あ、あの!」と声をかけてきた

「この焼き菓子を考案された方ですよね??」

「はい」にっこりとうなずいてあげた

「はぁ~~~~!!!もう!!すんごいうれしい!!」
すごいテンション上がったぞ

ジアンもちょっとひいてるw

「あたし、もう食べた瞬間に神様降りてきたんです!
きっとこのお菓子に出会えていなかったらもうあたしの人生・・・」

なんかずっと力説してる
喜んでもらえているようだ

「ミーナ!あなたはいいから!ほら、レジいって」

店長がまたスイッチ入っているわね!ばりに追い払っている

「あ、はーい。本当にファンだったんです!お会いできて光栄でした!」
お辞儀して去っていった

「挨拶が遅れました。こちらがシェフのハーバードです。
私は店長をやらせていただいておりますリュカと申します」

席を立ち私たちも挨拶をする

「はじめまして、マキア・イーグルです。挨拶にこれずに済みませんでした」

「そんな!ささ、お座りになってください」
お茶を出してくれた

「あの、結婚式のお祝いの品をありがとうございました」
猫地区店のお店一同からと、かわいい猫足のスツールをもらった

「お気に入りです!」

「まぁ喜んでもらえたら何よりです!本当におめでとうございます」
「ジアン様も・・・大きくなりましたね」
あれ?知り合い??

「おばさんは年取ったんじゃないですか?」ニヤリとするジアン
「リンクの母親だよ」

「え~!!!」
まさか、あのリンクの母!

「リンクがいつもお世話になっているようで、本当にありがとうございます」

確かにそういわれれば目元とかそっくり!

「昔からよくしてもらってんだ」

「そんなことないですよ。あなた達4人はみんな子供のようなものです」
菩薩か・・・すごい包容力だわ

「リンクが石鹸事業も始めたと聞いた時には、さすがにびっくりしたんだけど、うまくいっているようね」

「その石鹸もマキアの考案なんだ」

「え・・・」
目を真ん丸にさせている

「いえ、リンクがすごくよく改良して販売してくれたんです」

「あの子・・忙しくて全然帰ってこなくて。
今度いちど顔を出すようにいってちょうだい」

「わかった。ここのお店はどう?」

「とてもいいわ。ね」
シェフに相槌をもとめてシェフが初めてしゃべった

「ははははい!すすすすすごく、ううう売れ行きがよよよよくて・・・」
顔が真っ赤だ

「ふふふ、ごめんなさいね。みんなマキア様に緊張しているみたいで」
そんなすごくないんだけどな

こんな17歳の小娘(いまだ平均の子より小さい)

「作っていて何か大変なこととかないですか?大丈夫ですか?」

「はははははい!全然問題ありません!!」
軍隊かくらいの返事をしてくる

「来週からケーキですね」
レシピはもう届いているはずだ

「あれは・・・本当に素晴らしかったです!
毎日試作をして素早く作れるようにしております!」
シェフモードきたw

「プリンのカラメルなんて・・もうあれがあるのとないのとは全然違いますね」
「マカロンは苦戦しましたが、覚えたときには感無量でした!」

店内にはきれいに並べられた焼き菓子がたくさん並んでいる

お客さんは用意されたカゴに欲しいものを入れて、レジに持っていく

値段の設定も一緒だし、店内もきれいだし
まぁリンク母が店長なら問題はないだろう

「今度隣の空き店舗と合併して、お店を広げようかと思っているんです」
へーいいね

「いくつかテーブルと椅子をおいて、その場で買ったものを食べられるようにしてもいいかなと」
なるほど

イートイン的な?カフェを併設する感じかな

「お任せします」
なんでもいい。みんな喜んでくれたら

「売り上げも・・・順調だな」
ジアンが店舗がオープンしてからの売り上げ表をみてくれている

そういうのよくわからんからよかった


ガヤガヤと店内が混んできた

あれこれとだいぶ話し込んでしまったな


ジアンと目で合図をして挨拶をする

「それでは、お忙しい中すみせんでした。また来ますね」

「そんな、ごゆっくりしていただいていいんですよ」
まぁ、オーナーみたいなものだしな

「いえ、さっきついたばかりで、もっと猫地区の探索に出かけてきます!」

「おばさん、今度犬地区の方にもきてくださいね」


シェフのハーバードにもお礼をする

「大変だと思いますが、頑張ってください!」

「ははははい!!ああああ新しいレレレレレシピを楽しみにしています!!!」
ははは、かわいいなw


手を振って帰る


猫地区「DULCIS FELES」は問題はなさそうだね

むしろこれからどんどん良くなりそう

リンクのお母さんもいるし、しっかりした?シェフもいるしねw
任せても安心だろう


ジアンもそう思っているのがわかる

大満足の訪問だ
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