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人属編-13

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翌日はすぐに領主館に向かった

「はやくこいってさ」ってジアンが言っているが、どういう人なのかな??
ジアンは嫌そうな顔をしているしw



迎えの馬車がホテルの前に到着している

「はぁ~」
ため息ついているよww

すぐに到着したうさぎの領主館はジアンやグレゴリー領主のところと同じくらい大きかった

というか、あれだよね
きっとみんな同じ風にしたんだと思うんだよね


トップが代表と呼ばれて王宮にいるけど、代表って首相みたいな感じで、
王宮とは名前だけで政治的な仕事をする国会議事堂的な場所よね

領主は各属の代表で、県知事みたいな

代表は毎年交代制で各属で回しているみたいだし
代表の補佐にも各属均等に配置されているし


よくよく考えるといいシステムだよね

特に仲が悪いわけでもないし、お互いの地区を行き来しているし
ジアン達もリンクやシェイクとも仲がいいしね

住みよくて好きだわ



「ほら、気を付けておりろ」
ジアンに手を取られて馬車からおりる

「ありがとう~」
まだ段差が・・・

17歳なんですがね・・・成長が遅いもので

まだ150センチほどです
つか、これで成長とまるとかあるのか

すらっと美人さんが理想なんだけど・・・




「ジアン様、お久しぶりです!」
黒い服を着たきれいな女性がたっている

「よう、久しぶりだな。元気だったか?」

「はい!おかげさまで。こちらが奥方様ですね」
ジアンの陰からちらりと見れば目が合う

「初めまして、わたくし領主リリー・クリスチャンに仕えております、執事バレッタと申します」
以後お見知りおきをと丁寧にお辞儀をされた

女性の執事さん
綺麗な金髪をポニーテールにして、パンツスタイルですらっとした手足

「初めまして、マキア・イーグルと申します」
ペコリと頭を下げる

「・・・かわいいな・・・」「・・・こんな子がなんでジアン様と・・・」

へ・・?なんか言った
ぼそぼそと見てはつぶやいている

「マキア、行くぞ」

「え?うん!」
とことことついていく


はっ!っと我に返るバレッタさんが、執務室まで案内してくれた

「リリー様、ジアン様がいらっしゃいま「おそい!!!」」
言い終わる前にとびらが開いたぞ

うお・・・こっちもきれいな人~

金髪の長い髪を分けて、軍服を着て、細長い剣を腰につけている
切れ長な目と、ふっくらとした唇

美女かよ・・・かっこいいな

「リリー様・・・」
ジアンがあきれている

「ハハハ!!よく来たな!さぁはいれ!」
ちょっとぐいぐい系だ

ソファに腰掛ける前に挨拶をした

「リリー様、こちらが番のマキアです」

「初めまして、マキア・イーグルです。領主様にご挨拶申し上げます」
ペコリとお辞儀をする

「おお~!!噂の!どれどれ」

じろじろと見られて「すごい量だな!」と感心される

ん?量??

「不便はないか?体はつらくないか?」

「???はい・・・大丈夫?です」

「どれ、ああ、これで抑えているんだな」

腕をめくられた

・・・量!!

魔力量のことか!

え・・まって
何で分かったんだろう

しっかりと魔力は出さないようにしているはずだけど
あれ?


疑問に思っていたのが顔に出たからかジアンが教えてくれた

「マキア、リリー様は現在魔力量第二位の保持者だ」

「え!?」
驚いて見上げれば、ふふふと笑っている

「ずっと一位だったんだがな、あっさりと抜かされたな」
別に全然悔しくなさそうな顔で「残念残念」っていっている

「私も制御ストーンで魔力制御をしているんだ」
ぐいっとシャツの袖をまくってみせてくれた

同じだ
あたしのより一回り小さいけど、きれいな腕輪がはまっている

「すさまじい魔力量だな。大変だったと聞いたが、今は大丈夫か?」

「あ、はい。腕輪のおかげと、定期的に放出しているので問題はありません」

「それにしても・・もったいない。こんな優男の番か。うさぎ属にはもっと強靭な戦士がいるんだが」

「え・・・やさ・・?」

「リリー様!」

ジアンがため息をつきながら、まずはお茶でも飲みましょうと座らせてくれる

それからジアンとリリー様の関係をきいた

「俺はリリー様の教え子なんだ」
領主になる前に、配属された訓練先の先の隊長がリリー様だったらしい

かなり厳しく訓練され、成人すればお酒も付き合わされたらしい

「まだちゃんと鍛錬はしているのか?」

「・・・はい」

うそつけ

「ガロにばかりまかせるなよ。魔物の活発な時には率先して討伐に行くのが領主だぞ」

「・・・はい」

ジアンwwちっちゃくなってるよ

そういえば猫地区のグレゴリー領主も討伐に行っているって言っていたな

「犬地区は比較的魔物の出現率は低いが、いつ何があるかわからないんだからな」

「・・・はい」

なるほど・・だからジアン会いたくなさそうな顔していたのか~



「どうぞ、うさぎ地区で採れましたマールムで作ったマールムティーです」
執事のバレッタさんがお茶を入れてくれた

「バレッタは、俺の一期下で入ってきたんだ」
ああ~なるほど

同じ軍隊?にいて、隊長がリリー様で、教え子がジアンで、ジアンの一年遅れでバレッタさんがきたのね
なるほどなるほど

「奥様は・・かわいらしいですね」
ふふふとにっこりと笑っている

「え・・・ありがとうございます」
なんか危ない扉こじあけようとしてる?

「バレッタ!」
ジアンがあっち行けとシッシッと追い払っているw

「あいつなんでもアリだから近寄るなよ」


なにやらうさぎ属は個性が強いらしい

シェイクはザ・紳士って感じだったけど

てか、ウサギ属基本みんな大きい?
体がしっかりしている

美人さんですらりとした人でも身長は高いし

「それで、何日滞在予定だ?」

「三日ほどです」ジアンがお茶を飲みながら答えている

「それしか訓練できないのか?」

ジアンお茶をブホっとはいているぞ

「訓練しに来たんではありません!観光です!!新婚旅行です!!」
だが、いい機会だから鍛えなおしてやるぞとリリー様も笑っている

冗談でも勘弁してくれよって顔のジアン
よっぽど訓練が大変だったんだなw


「・・・マキア殿は、ジアンが剣を持ったところを見たことがあるのか?」
ん?そういえば・・ないね

「・・いいえ」
さーっと青ざめるジアン

「よし、行くぞ」



何言ってくれてるんだよって顔でジアンが青ざめているw




これは・・・面白いことになってきたなww
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