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sad saga編
第5話
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今にも泣き出しそうな誰かの頬を撫でる。
私はもう長くはない。
そう、わかっている。
左上のHPのゲージは少なくなり、視界が赤黒くなっていってる。
視界がぼんやりと遠のき、光の方から彼が呼ぶ声は今は遠く。
彼が側にいないことの悲しみと、義理なるはずの弟の結婚相手が私の夫になるはずの彼の名前を呼び続けて、私へ勝ち誇る笑みを見せる事への嫉妬。
全てを投げ出して、楽になれた事への安堵の思いと愛する彼を1人にしてしまった事を思う罪悪感。
全ての思いを、この闇の中に流し込み、私は羽毛の中にいる様な心地よく微睡む。
これは死亡エンドだと思いながらも、遠くで、私を呼ぶ声は聞こえる。
だけど、私はもう目覚めない。
もう、あんなに引き止めても、どんな手をつかって、運命を変えようとしても彼は聞いてはくれなかったし、変わらない。
全ては運命のままなのだ。
その限りある運命の分岐点の中、まだ救いのある道を選び、私は終わったのだ。
もう……
やり尽くした感が出てきた。
そろそろ、終わってもいいかもしれない。
そろそろVRを引き抜くかと電源を落とそうとした瞬間、更に深く垂れ込む様に沈んでいく。
そろそろ Game over の文字がくるかなと思えば、嵐の様に荒々しい気配が来る。
あれ?
新しいパターンでも来たか?
そう思えば…
自分の身体から一筋の金の糸が伸びていて、強くひっぱられて私は邪魔のように思えて、其れを切ろうとしていると、荒々しい金色に光るなにが遥か彼方にいるのがわかる。
闇は彼を抑え、私の糸を切ろうとする行動を補佐してくれる。
ぷつん。
その音がした後、それはまるで心臓を切られた様な轟く雄叫びを上げて闇を振り払い、私へと迫ってくる。
私はそれが怖くて、VRだから電源を切ってしまえばいいのに、ついつい背後の扉が開いた音がして、私はそこへ向かう。
其処はとても美しい何処までも蒼い空が続いていた。
砂時計の様な形の青く透き通るガラスの様な流砂とと共に流れていたけど、光と闇が交差して、透き通る流砂とと共に吹き飛び、ただ蒼い空を飛んでいく。
閉まるギリギリに、燦然煌めくそれは金の竜だとわかり、それは扉へと入り、私の後を追ってきた。
なんできたの。
そう私は言った。
「離さない」
昏く澱んだ竜の金の瞳はそう言っているように見えた。
怖くなって、ようやく頭の片隅に思い出したVRの緊急停止のボタンを連続で押しプチンと真っ暗になり消えた。
ハッとして、どぶんと立ち上がり、湯船に溺れかけていた様だ。
今のはたぶん怖くなって切ったゲームエンドだ。
あのゲームエンドだけは自分だけが見たらしく、ネットで調べたけどなにも記載がなくバクったのかなと思った。
「喉が渇いた」
外に出て、買いに行こうとして、交差点で誰かの叫ぶ声が聞こえた途端意識を失った。
たぶんそこで私は死んで転生した。
私の好きな人とは結婚がもう後少しだったけど結局のところまだ出来ずに、現実と同じくエンドを迎えた。
あれは……
彼のその先は何があったのだろうか。
俗にいうメリーバッドエンドなのか?
……いやあの後アレが呪文かなにかをかけて、引き戻されるハッピーエンドの可能性もあるかもしれない。
そう今まで忘れていた。
今想い出した私は少し肌寒く思い、私はご飯を食べるべく、バスタブから上がり、向かった。
私はもう長くはない。
そう、わかっている。
左上のHPのゲージは少なくなり、視界が赤黒くなっていってる。
視界がぼんやりと遠のき、光の方から彼が呼ぶ声は今は遠く。
彼が側にいないことの悲しみと、義理なるはずの弟の結婚相手が私の夫になるはずの彼の名前を呼び続けて、私へ勝ち誇る笑みを見せる事への嫉妬。
全てを投げ出して、楽になれた事への安堵の思いと愛する彼を1人にしてしまった事を思う罪悪感。
全ての思いを、この闇の中に流し込み、私は羽毛の中にいる様な心地よく微睡む。
これは死亡エンドだと思いながらも、遠くで、私を呼ぶ声は聞こえる。
だけど、私はもう目覚めない。
もう、あんなに引き止めても、どんな手をつかって、運命を変えようとしても彼は聞いてはくれなかったし、変わらない。
全ては運命のままなのだ。
その限りある運命の分岐点の中、まだ救いのある道を選び、私は終わったのだ。
もう……
やり尽くした感が出てきた。
そろそろ、終わってもいいかもしれない。
そろそろVRを引き抜くかと電源を落とそうとした瞬間、更に深く垂れ込む様に沈んでいく。
そろそろ Game over の文字がくるかなと思えば、嵐の様に荒々しい気配が来る。
あれ?
新しいパターンでも来たか?
そう思えば…
自分の身体から一筋の金の糸が伸びていて、強くひっぱられて私は邪魔のように思えて、其れを切ろうとしていると、荒々しい金色に光るなにが遥か彼方にいるのがわかる。
闇は彼を抑え、私の糸を切ろうとする行動を補佐してくれる。
ぷつん。
その音がした後、それはまるで心臓を切られた様な轟く雄叫びを上げて闇を振り払い、私へと迫ってくる。
私はそれが怖くて、VRだから電源を切ってしまえばいいのに、ついつい背後の扉が開いた音がして、私はそこへ向かう。
其処はとても美しい何処までも蒼い空が続いていた。
砂時計の様な形の青く透き通るガラスの様な流砂とと共に流れていたけど、光と闇が交差して、透き通る流砂とと共に吹き飛び、ただ蒼い空を飛んでいく。
閉まるギリギリに、燦然煌めくそれは金の竜だとわかり、それは扉へと入り、私の後を追ってきた。
なんできたの。
そう私は言った。
「離さない」
昏く澱んだ竜の金の瞳はそう言っているように見えた。
怖くなって、ようやく頭の片隅に思い出したVRの緊急停止のボタンを連続で押しプチンと真っ暗になり消えた。
ハッとして、どぶんと立ち上がり、湯船に溺れかけていた様だ。
今のはたぶん怖くなって切ったゲームエンドだ。
あのゲームエンドだけは自分だけが見たらしく、ネットで調べたけどなにも記載がなくバクったのかなと思った。
「喉が渇いた」
外に出て、買いに行こうとして、交差点で誰かの叫ぶ声が聞こえた途端意識を失った。
たぶんそこで私は死んで転生した。
私の好きな人とは結婚がもう後少しだったけど結局のところまだ出来ずに、現実と同じくエンドを迎えた。
あれは……
彼のその先は何があったのだろうか。
俗にいうメリーバッドエンドなのか?
……いやあの後アレが呪文かなにかをかけて、引き戻されるハッピーエンドの可能性もあるかもしれない。
そう今まで忘れていた。
今想い出した私は少し肌寒く思い、私はご飯を食べるべく、バスタブから上がり、向かった。
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