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序章
第4話
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出来上がった布の山をアイテム拡張がついたバックにしまっていく。
渾身の出来といえる布ができて嬉しさに、心は舞い上がる。
ついでにいつものそこそこな品物の服も前日に作ってあるのでバックに入れていく。
服は攻撃補正もなく、魔防にそこそこ優れた服なので、目立つ事もないだろう。
バックを工房に置き、扉を閉めて、お風呂に向かう。
窓の外が夜になったようなので、あくびしつつ、窓から綺麗な青い2つの満月が見えたので、予定を変更して温室に向かった。
温室に向かえば、やはり香しい匂いがしている。
月光花と呼ばれる、これも綺麗で珍しい花だ。
月夜にしか咲かない花で、かなり澄んだ環境下じゃないと育たない。
束の間に咲く花。
この花はほんと咲いた時はその頑張りが報われるぐらい美しく可憐な花。
悪意がある様な環境だと腐ったり枯れたりとまるで人の心を覗く花だとか、渡した人の想いを伝える花とか色々諸説あり、物語にも登場する花だ。
ようやく、その花が私の頑張りを讃えてくれるかの如く、その爽やかな香りと共に、蒼と銀色の花は美しい。
ハッとして急いで棚から魔道具をとり、震える手を落ち着かせながら、その夜露を採集する。
全ての花の採集が終えると、雲が月を遮ったので、急いで棚に行き、ハサミを取り出して、花を採集していく。
慌ててなんとか採集を終えると完全に月夜は雲に隠れた。
それと同時に茎は萎れていき、パリンッとまるでガラスが砕けた様な音がして、青い光と共にそれは消えた。
アッという間だった。
ほんとそれは綺麗だけど……
綿菓子の様にふわふわで溶けてしまえば何も残らぬ様な空虚感ではある。
私は気と身体を落ち着かせながらも、切った花に保つ様に保存庫にそっと入れる。
これで、もうこの花は枯れないし、腐ったりはしない。
ふぅ……
と焦った心をなんとか落ち着かせながらもお風呂へ再び向かった。
ちゃぽんと自分の身体が動いた時に揺れる温水を眺めながらバスタブに浸かる。
布を売却していると、街の人々が同じ布で作られただろう青い服を着ていたりするのを見かけて、少し眺めてしまうのは癖だ。
少し有名にもなってきた様で今回の様な大口の注文がきて嬉しいけど、同時に不安にもなる。
大国の貴族………
貴族のめんどうごとには関わりたくない。
私自身の住んでる場所や生産方法、それに私の種族。
私には秘密が沢山あり過ぎる。
心配性の商人のダーヴィドが、私が作っていることを薄らたぶん理解しているだろう。
隠していてくれてるけど、そのアンドレという人物には関わりたくない。
今も、これからも…
なんだかきな臭い。
今日はよく働いたと考えながらも、明日する事を考えていた。
渡した人の想いを伝える花……
なんか忘れている様な気がする……
そう思えばなんだか…
疲れてるのか眠い……
渾身の出来といえる布ができて嬉しさに、心は舞い上がる。
ついでにいつものそこそこな品物の服も前日に作ってあるのでバックに入れていく。
服は攻撃補正もなく、魔防にそこそこ優れた服なので、目立つ事もないだろう。
バックを工房に置き、扉を閉めて、お風呂に向かう。
窓の外が夜になったようなので、あくびしつつ、窓から綺麗な青い2つの満月が見えたので、予定を変更して温室に向かった。
温室に向かえば、やはり香しい匂いがしている。
月光花と呼ばれる、これも綺麗で珍しい花だ。
月夜にしか咲かない花で、かなり澄んだ環境下じゃないと育たない。
束の間に咲く花。
この花はほんと咲いた時はその頑張りが報われるぐらい美しく可憐な花。
悪意がある様な環境だと腐ったり枯れたりとまるで人の心を覗く花だとか、渡した人の想いを伝える花とか色々諸説あり、物語にも登場する花だ。
ようやく、その花が私の頑張りを讃えてくれるかの如く、その爽やかな香りと共に、蒼と銀色の花は美しい。
ハッとして急いで棚から魔道具をとり、震える手を落ち着かせながら、その夜露を採集する。
全ての花の採集が終えると、雲が月を遮ったので、急いで棚に行き、ハサミを取り出して、花を採集していく。
慌ててなんとか採集を終えると完全に月夜は雲に隠れた。
それと同時に茎は萎れていき、パリンッとまるでガラスが砕けた様な音がして、青い光と共にそれは消えた。
アッという間だった。
ほんとそれは綺麗だけど……
綿菓子の様にふわふわで溶けてしまえば何も残らぬ様な空虚感ではある。
私は気と身体を落ち着かせながらも、切った花に保つ様に保存庫にそっと入れる。
これで、もうこの花は枯れないし、腐ったりはしない。
ふぅ……
と焦った心をなんとか落ち着かせながらもお風呂へ再び向かった。
ちゃぽんと自分の身体が動いた時に揺れる温水を眺めながらバスタブに浸かる。
布を売却していると、街の人々が同じ布で作られただろう青い服を着ていたりするのを見かけて、少し眺めてしまうのは癖だ。
少し有名にもなってきた様で今回の様な大口の注文がきて嬉しいけど、同時に不安にもなる。
大国の貴族………
貴族のめんどうごとには関わりたくない。
私自身の住んでる場所や生産方法、それに私の種族。
私には秘密が沢山あり過ぎる。
心配性の商人のダーヴィドが、私が作っていることを薄らたぶん理解しているだろう。
隠していてくれてるけど、そのアンドレという人物には関わりたくない。
今も、これからも…
なんだかきな臭い。
今日はよく働いたと考えながらも、明日する事を考えていた。
渡した人の想いを伝える花……
なんか忘れている様な気がする……
そう思えばなんだか…
疲れてるのか眠い……
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