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新たな草木が靡く風の章
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段々と吐く息ですら、生暖かく熱くなっている。
下着は既にぐっしょりと湿り気を帯びているし、時折軽く……抱えていた枕が下半身に当たる度に気持ちが良くて押しつけてしまい、感じてしまう。
ハッとしてそれを自覚して、離してを繰り返してどうにしようもない。
まさにこれは生き地獄だと先人達の想いをよう理解する。
吐く息ですら今はもう荒い。
水に当たるかとおもったが身体が重くて……だるい。
それにしたくてたまらない。
自分が自分でない様な。
頭の中には快楽とユリウスの事しか考えられない。
はやく、きてよ。
おかしくなっちゃいそう。
私はベッドのシーツやふかふかした物でさえ、腰を当ててまるで……獣の様になってしまいそうだ。
そんな私じゃない私が怖いし、ユリウスに見られたら……
……百年の恋も一時に冷める気がした。
捨てられる?
そう考えていえら、きゅるぅとまるで竜の求愛の様な声が出てびっくりした。
嫌われたくない、捨てないで。
頭の中で、冷たい目をした彼が去っていく姿が浮かんだ。
ユリウスに追い縋って取りなおせたらと。
もし許してくれなかったら。
「ユリウス」
私は……頭の中でユリウスをどこかに居ないかと扉を目で見ている自分を自覚する。
ハッとしていや大丈夫だからと混乱している私は、こんなにも不安にも思ってしまうのは大赤月ゆえかと内心思うけど、止められない。
ふと、なんか頭に上の方がゴツっとしていて不思議に思って立ち上がって歩いて鏡を見たら、竜化した時の様な小さな角と尻尾が小さく見えている。
瞳も竜の様な縦長の瞳孔へと代わり、ふと扉の方へ視線を向ける。
まだ誰もいない扉。
まだかなとベッドを降りて、溢れた涙を拭きながら指で拭いて、まるで誘われる様に其方へ向かう。
扉を開けて、部屋にはまだ誰も居なかった。
「まだかな……遅いよ。」
カーテンの隙間から見える窓の星空と大きな赤月がいつも見る月よりも大きく感じられた。
真っ黒とミッドナイトブルーのグラデーションが美しい。
夜空から、かなり遠くから澄んだ歌声が私を呼んでる様に聞こえる。
私を遠くから呼ぶ声。
大きな赤月の夜空を竜化して、風を掴んで駆けて行ったらどんなに楽しいのだろう。
「空が私を呼んでいる。」
自身の声が他人の声の様に感じた私はゆらりと窓の方へ足をむけそうになってあわてて扉を閉めて、寝室に戻る。
なんで寝室にいようと思ったのかわかった。
これが怖かったからだ。
たぶん無意識に恐れていたから。
……でも竜になったら、ユリウスに恋焦がれるこの想いも。
隣にいない彼を嘆いて泣いた悲しみも。
気にしなくてすむのだろうか。
甘い声をした自分の心の声が聞こえた気がした。
待っていると約束したんだ。
私は微かに遠くで私を呼ぶなぜか懐かしく清らかな声を振り払い、クローゼットからローブを自分の体にぐるぐる巻きにしてベッドの下で転がる。
心に湧いた空の声とユリウスに会いたいと願いを私は心の奥底へ一旦しまい、私は星空へ祈りをささげた。
なにかばたばたとする音がして目が覚めた。
「シア!?」
がたんがたんと走る音や扉をバスルームの扉を勢いよく開く音でハッとする。
「いや、匂いはここからするし。外へは出てない。落ち着け俺。」
「ユリウス?」
ふわりと血の匂いが彼から漂う。
強く高揚したのか彼自身の強い魅了する匂いもして、混じり合って足がつかない様な酩酊感にふと引き摺り込まれそうだ。
………しかし釘を刺す様にある匂いがして不安も混ざる。
手だけを外へ出してここにいるよと示した。
「シア!なんでそこに?」
近づいてきたけど、待ってと声をかける。
「お願いなの、少しここからでいい?ユリウスに聞きたい事が……怪我は大丈夫?」
今直ぐかけより、怪我をなおしていたくても。
今の自分がおかしい。
飛びかかってして欲しいと自分から足を開いて端なく強張ってしまいそうな自分がいる。
それか空にでも駆けたくなるか。
「あ、これか、君に呼ばれた気がして。王都をちょっと一部半壊しそうになって、それから家を半壊しそうになったから、正気を保つ為に楔をしただけだ。気にしなくて良い。」
その時、正気と聞いてなるほどと納得した。
それなら痛みで目覚めるのかと思いつつ、彼がそおっとベッドの下へ見せてくれたてを見ると剣で切った様な跡や爪でできた傷などがたくさんあって悲しい。
私は急いで、神力を解放して癒した。
「《癒しを》」
まるで青と銀の光が散った様な瞬く間だけだけど、光って美しかった。
懐かしい。
なぜかわからないけど、唐突に望郷の念?が出た。
あの地へ帰りたい。
ふとそう思ってしまった。
どこへ?
自分の心がわからない。
散らかった心の中は汚くてぐちゃぐちゃだった。
「シア、顔を見せてよ。」
「ユリウス……あの聞きたい事があって。」
「なに?」
どくんどくんと胸の音が高い。
動揺が走る。
だって。
彼の匂いに混じって来る匂いに。
他人の女の匂いがしたから。
イラッとしたのと、悲しさ虚しさ。
なぜか、勢いよく溢れ出る涙が止まらない。
「な、なんではやく帰ってきてくれなかったの?」
私はお願いだからそれが浮気ではないと言って欲しい。
私は約束をただ守っていたのだから。
傾いた天秤は元に戻るのだろうか。
下着は既にぐっしょりと湿り気を帯びているし、時折軽く……抱えていた枕が下半身に当たる度に気持ちが良くて押しつけてしまい、感じてしまう。
ハッとしてそれを自覚して、離してを繰り返してどうにしようもない。
まさにこれは生き地獄だと先人達の想いをよう理解する。
吐く息ですら今はもう荒い。
水に当たるかとおもったが身体が重くて……だるい。
それにしたくてたまらない。
自分が自分でない様な。
頭の中には快楽とユリウスの事しか考えられない。
はやく、きてよ。
おかしくなっちゃいそう。
私はベッドのシーツやふかふかした物でさえ、腰を当ててまるで……獣の様になってしまいそうだ。
そんな私じゃない私が怖いし、ユリウスに見られたら……
……百年の恋も一時に冷める気がした。
捨てられる?
そう考えていえら、きゅるぅとまるで竜の求愛の様な声が出てびっくりした。
嫌われたくない、捨てないで。
頭の中で、冷たい目をした彼が去っていく姿が浮かんだ。
ユリウスに追い縋って取りなおせたらと。
もし許してくれなかったら。
「ユリウス」
私は……頭の中でユリウスをどこかに居ないかと扉を目で見ている自分を自覚する。
ハッとしていや大丈夫だからと混乱している私は、こんなにも不安にも思ってしまうのは大赤月ゆえかと内心思うけど、止められない。
ふと、なんか頭に上の方がゴツっとしていて不思議に思って立ち上がって歩いて鏡を見たら、竜化した時の様な小さな角と尻尾が小さく見えている。
瞳も竜の様な縦長の瞳孔へと代わり、ふと扉の方へ視線を向ける。
まだ誰もいない扉。
まだかなとベッドを降りて、溢れた涙を拭きながら指で拭いて、まるで誘われる様に其方へ向かう。
扉を開けて、部屋にはまだ誰も居なかった。
「まだかな……遅いよ。」
カーテンの隙間から見える窓の星空と大きな赤月がいつも見る月よりも大きく感じられた。
真っ黒とミッドナイトブルーのグラデーションが美しい。
夜空から、かなり遠くから澄んだ歌声が私を呼んでる様に聞こえる。
私を遠くから呼ぶ声。
大きな赤月の夜空を竜化して、風を掴んで駆けて行ったらどんなに楽しいのだろう。
「空が私を呼んでいる。」
自身の声が他人の声の様に感じた私はゆらりと窓の方へ足をむけそうになってあわてて扉を閉めて、寝室に戻る。
なんで寝室にいようと思ったのかわかった。
これが怖かったからだ。
たぶん無意識に恐れていたから。
……でも竜になったら、ユリウスに恋焦がれるこの想いも。
隣にいない彼を嘆いて泣いた悲しみも。
気にしなくてすむのだろうか。
甘い声をした自分の心の声が聞こえた気がした。
待っていると約束したんだ。
私は微かに遠くで私を呼ぶなぜか懐かしく清らかな声を振り払い、クローゼットからローブを自分の体にぐるぐる巻きにしてベッドの下で転がる。
心に湧いた空の声とユリウスに会いたいと願いを私は心の奥底へ一旦しまい、私は星空へ祈りをささげた。
なにかばたばたとする音がして目が覚めた。
「シア!?」
がたんがたんと走る音や扉をバスルームの扉を勢いよく開く音でハッとする。
「いや、匂いはここからするし。外へは出てない。落ち着け俺。」
「ユリウス?」
ふわりと血の匂いが彼から漂う。
強く高揚したのか彼自身の強い魅了する匂いもして、混じり合って足がつかない様な酩酊感にふと引き摺り込まれそうだ。
………しかし釘を刺す様にある匂いがして不安も混ざる。
手だけを外へ出してここにいるよと示した。
「シア!なんでそこに?」
近づいてきたけど、待ってと声をかける。
「お願いなの、少しここからでいい?ユリウスに聞きたい事が……怪我は大丈夫?」
今直ぐかけより、怪我をなおしていたくても。
今の自分がおかしい。
飛びかかってして欲しいと自分から足を開いて端なく強張ってしまいそうな自分がいる。
それか空にでも駆けたくなるか。
「あ、これか、君に呼ばれた気がして。王都をちょっと一部半壊しそうになって、それから家を半壊しそうになったから、正気を保つ為に楔をしただけだ。気にしなくて良い。」
その時、正気と聞いてなるほどと納得した。
それなら痛みで目覚めるのかと思いつつ、彼がそおっとベッドの下へ見せてくれたてを見ると剣で切った様な跡や爪でできた傷などがたくさんあって悲しい。
私は急いで、神力を解放して癒した。
「《癒しを》」
まるで青と銀の光が散った様な瞬く間だけだけど、光って美しかった。
懐かしい。
なぜかわからないけど、唐突に望郷の念?が出た。
あの地へ帰りたい。
ふとそう思ってしまった。
どこへ?
自分の心がわからない。
散らかった心の中は汚くてぐちゃぐちゃだった。
「シア、顔を見せてよ。」
「ユリウス……あの聞きたい事があって。」
「なに?」
どくんどくんと胸の音が高い。
動揺が走る。
だって。
彼の匂いに混じって来る匂いに。
他人の女の匂いがしたから。
イラッとしたのと、悲しさ虚しさ。
なぜか、勢いよく溢れ出る涙が止まらない。
「な、なんではやく帰ってきてくれなかったの?」
私はお願いだからそれが浮気ではないと言って欲しい。
私は約束をただ守っていたのだから。
傾いた天秤は元に戻るのだろうか。
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