78 / 165
新たな草木が靡く風の章
78
しおりを挟む
こつこつと塔の階段を登り上の階に行く。
少し不安に思っていた事をユリウスが気がついていたとは思わなかったけど、優しいなと思いついついにまにましてほかほか気持ちが高揚した。
この先の階の白い扉で担当の人が待っているらしい。
階段を登り、厚い扉を開けると本棚や書物、スクロールが沢山見えた。
古い本の匂いがして、図書館を思い出した。
中にはヒルデガルトさんと深緑色の髪をした男性と燃える様な深紅の髪に青色の瞳の女性が私を見て微笑んだ。
「こんにちは、お久しぶりね。こちらは古代学の先生のアルトゥル・フリューア先生よ。その娘さんで助手のコルネリア・フリューアさん。私含めて三人よ。」
「……あの一応女性の方でお願いしていたのですが。」
「すまない。学会で長く論議していた古城に行けると聞き、それでも応募したのだ。何故女性でなければならないのだ?」
「それは……行く方法が限られているので。」
「そもそもワープと言っていたが、転移の魔法は……」
「ちょっとここで論議して時間潰すのは勿体ないでしょ。」
「大丈夫なのかな……それがワープの方法は私と身体接触で私の身体の一部と誤認させてワープして運ぶ方法です。」
「な!?」
アルトゥルさんはうむむと唸り、悩んでいる。
ユリウスに他人の男性と触っていたと知られた時が怖い。
ヒルデガルトさんはそうよねぇと笑っており、コルネリアさんはどういうこと?と言っており、悩んでいる様だ。
「見ての通り、シアちゃんは番がいるのよ……それも私達王族の家系だから……番に対してかなりの……執着を持つのよ。」
「グッ……番……良いなぁ……私の番は何処に……」
今度はコルネリアさんに追撃が入ったらしく、彼女はしおしおと項垂れて、部屋の端に移動してしゃがんでいる。
彼女は番が見つからないとぶつぶつ言っていて、確かに見つからないのは落ち込むのは竜人族なら誰だってそうなるよね。
……私の場合は最初は誰でも……番以外でも良いかなと思っていた時もあったけど。
これは墓場まで持っていく予定だ。
ユリウスに知られたら、ふふかなりめんどい事になりそうではある。
「だが……長年疑問に思っていた事に解決するなら……ベティに申し訳ないがこれは義務的な事でやましい事ではないと連絡をしておこう。」
アルトゥルさんは腕輪でかちゃかちゃと通達しており、本気らしいので私も送るべきかと通達した。
チリッと直ぐに連絡がきて手を繋ぐだけなら良いと渋々そうな感じで笑った。
そういえば、先程聞いたなんで執着するのだろうか。
「王族の家系が番に執着するって番なら普通の事ではないのかしら?」
ヒルデガルトさんはうんうんと頷いて、そうよねと言って私の肩に手を置いた。
「他の番達と比べたら行動が……少し違うのよ。それも学説やら諸説あるのだけど、特に王族の血筋はその傾向が強く記憶持ちだと特に更に強くでるわ。行動制限だったり、肉体に跡を残したり、自身の匂いをつけたりと……マーキングをしたりしてね。簡単に言うと束縛が強いという事ね。」
「そういえば……確かにそうかもしれません。」
ヒルデガルトさんは手を下ろして本を眺めた。
ユリウスが私を一人で歩かせたくなかったり、耳を軽く噛んだり、跡をつけたり……少しならわかるけど結構好んでしてくるので治してはいるが少し痛みはあるけど……それすら感じてしまうので嫌とも言えずなんとも言えない。
「ほら、二人とも行くのでしょう?時間も限られているのだから……」
「そうですね、コルネリア。しゃっきりしなさい。」
ずーんと下を向き落ち込んでいる彼女をアルトゥルさんはずるずると引きずり、近寄らせた。
「この子も今はこれですが、筆写師と文書士スキルレベルは高レベルです。その道のプロです。コルネリアさえいれば大半の楽譜は写せる事はできるでしょう。私もそれなりの力はありますし、私は主に解明できてない失われている文献を筆写できればと考えてはいる。」
「私は画家と筆写師と文書士はそこそこのレベルね。主に挿絵や壁画を担当し、スケッチブックに描いていこうと思うわ。」
ヒルデガルトさんはスケッチブックの入ったバッグを肩から下げており、意外だった。
一番に模写しそうだったから。
「それぐらいコルネリアの腕は確かだよって事さ。さぁ行こうか。」
「では、全員私の手を掴んで下さい。」
「待って!必要な白紙の譜面とか色々入ったバックが……」
私の意外そうな表情を見てアルトゥルさんは言い、コルネリアさんはばたばたと机の上に置いてあった緑の大きなバッグを手に取り、インクよしと声を出して確認しており、バッグを肩にかけた。
全員私の手を掴みそして私は唱えた。
「《リターン: 《ホーム天幻の間》」
ブゥうん
微かな音共に、場所が移動した。
さっきまでの本の匂いは薄れて、静寂に包まれ、壁には古いレリーフや紋章が描かれているいつもの風景が見えた。
「ここが!?」
「あれは失われた……」
がたがたと壁画により、ヒルデガルトさんは飾られていたも共にと飾ってあったそれは美しい竪琴を見て目を輝かせている。
「これが本来の玉座ですか……」
ノートに忙しくアルトゥルさんは書いてある文字を書き記しており、私は本来行くべきだった図書室へと案内しようととりあえず声をかけた。
「図書室へ案内しますが……どうします?」
「うーむ、ここも気になるがある程度急ぎでは書き記した。やはり本題である其方へ急ごうか。時間も有限ではある。」
私は出入り口である扉の方へ案内しながら向かった。
「これでそこに、魔力を込めて刻印します。」
俺は授業を受けながら、ふぅとため息をついた。
先程、シアから連絡がきて教授である男性が向かう事になり、少し身体接触がする事になるけど気にしないでねときて一つペン先をパキンと折ってしまった。
代わりのペンを持っていて良かったが……
「え?あの金髪の人って王族なの!?すごーい、かっこいいって思っていたけど、絶対メインキャラでしょ!攻略しないと!」
「グライナーさん、授業中ですよ。無駄話なら休み時間にしなさい。減点します。」
「ちょっと先生!それはないですーー」
これだ。
シアが危惧していた女性が騒いでいる。
同じ選択科目になってしまったせいか、騒々しい。
はぁとため息をついて教科書を眺めながら、さっきグライナー自身が言っていた事を俺は嫌な予感が当たってしまった事に残念だ。
奴は転生者確定だろう。
設定集には載っていないキャラクター名なので、次作のキャラクターかもしれない。
またただの人かわからないが。
窓の外の空の曇天が見えて雲行きが怪しいなと考えながら、止まらないため息を吐いた。
少し不安に思っていた事をユリウスが気がついていたとは思わなかったけど、優しいなと思いついついにまにましてほかほか気持ちが高揚した。
この先の階の白い扉で担当の人が待っているらしい。
階段を登り、厚い扉を開けると本棚や書物、スクロールが沢山見えた。
古い本の匂いがして、図書館を思い出した。
中にはヒルデガルトさんと深緑色の髪をした男性と燃える様な深紅の髪に青色の瞳の女性が私を見て微笑んだ。
「こんにちは、お久しぶりね。こちらは古代学の先生のアルトゥル・フリューア先生よ。その娘さんで助手のコルネリア・フリューアさん。私含めて三人よ。」
「……あの一応女性の方でお願いしていたのですが。」
「すまない。学会で長く論議していた古城に行けると聞き、それでも応募したのだ。何故女性でなければならないのだ?」
「それは……行く方法が限られているので。」
「そもそもワープと言っていたが、転移の魔法は……」
「ちょっとここで論議して時間潰すのは勿体ないでしょ。」
「大丈夫なのかな……それがワープの方法は私と身体接触で私の身体の一部と誤認させてワープして運ぶ方法です。」
「な!?」
アルトゥルさんはうむむと唸り、悩んでいる。
ユリウスに他人の男性と触っていたと知られた時が怖い。
ヒルデガルトさんはそうよねぇと笑っており、コルネリアさんはどういうこと?と言っており、悩んでいる様だ。
「見ての通り、シアちゃんは番がいるのよ……それも私達王族の家系だから……番に対してかなりの……執着を持つのよ。」
「グッ……番……良いなぁ……私の番は何処に……」
今度はコルネリアさんに追撃が入ったらしく、彼女はしおしおと項垂れて、部屋の端に移動してしゃがんでいる。
彼女は番が見つからないとぶつぶつ言っていて、確かに見つからないのは落ち込むのは竜人族なら誰だってそうなるよね。
……私の場合は最初は誰でも……番以外でも良いかなと思っていた時もあったけど。
これは墓場まで持っていく予定だ。
ユリウスに知られたら、ふふかなりめんどい事になりそうではある。
「だが……長年疑問に思っていた事に解決するなら……ベティに申し訳ないがこれは義務的な事でやましい事ではないと連絡をしておこう。」
アルトゥルさんは腕輪でかちゃかちゃと通達しており、本気らしいので私も送るべきかと通達した。
チリッと直ぐに連絡がきて手を繋ぐだけなら良いと渋々そうな感じで笑った。
そういえば、先程聞いたなんで執着するのだろうか。
「王族の家系が番に執着するって番なら普通の事ではないのかしら?」
ヒルデガルトさんはうんうんと頷いて、そうよねと言って私の肩に手を置いた。
「他の番達と比べたら行動が……少し違うのよ。それも学説やら諸説あるのだけど、特に王族の血筋はその傾向が強く記憶持ちだと特に更に強くでるわ。行動制限だったり、肉体に跡を残したり、自身の匂いをつけたりと……マーキングをしたりしてね。簡単に言うと束縛が強いという事ね。」
「そういえば……確かにそうかもしれません。」
ヒルデガルトさんは手を下ろして本を眺めた。
ユリウスが私を一人で歩かせたくなかったり、耳を軽く噛んだり、跡をつけたり……少しならわかるけど結構好んでしてくるので治してはいるが少し痛みはあるけど……それすら感じてしまうので嫌とも言えずなんとも言えない。
「ほら、二人とも行くのでしょう?時間も限られているのだから……」
「そうですね、コルネリア。しゃっきりしなさい。」
ずーんと下を向き落ち込んでいる彼女をアルトゥルさんはずるずると引きずり、近寄らせた。
「この子も今はこれですが、筆写師と文書士スキルレベルは高レベルです。その道のプロです。コルネリアさえいれば大半の楽譜は写せる事はできるでしょう。私もそれなりの力はありますし、私は主に解明できてない失われている文献を筆写できればと考えてはいる。」
「私は画家と筆写師と文書士はそこそこのレベルね。主に挿絵や壁画を担当し、スケッチブックに描いていこうと思うわ。」
ヒルデガルトさんはスケッチブックの入ったバッグを肩から下げており、意外だった。
一番に模写しそうだったから。
「それぐらいコルネリアの腕は確かだよって事さ。さぁ行こうか。」
「では、全員私の手を掴んで下さい。」
「待って!必要な白紙の譜面とか色々入ったバックが……」
私の意外そうな表情を見てアルトゥルさんは言い、コルネリアさんはばたばたと机の上に置いてあった緑の大きなバッグを手に取り、インクよしと声を出して確認しており、バッグを肩にかけた。
全員私の手を掴みそして私は唱えた。
「《リターン: 《ホーム天幻の間》」
ブゥうん
微かな音共に、場所が移動した。
さっきまでの本の匂いは薄れて、静寂に包まれ、壁には古いレリーフや紋章が描かれているいつもの風景が見えた。
「ここが!?」
「あれは失われた……」
がたがたと壁画により、ヒルデガルトさんは飾られていたも共にと飾ってあったそれは美しい竪琴を見て目を輝かせている。
「これが本来の玉座ですか……」
ノートに忙しくアルトゥルさんは書いてある文字を書き記しており、私は本来行くべきだった図書室へと案内しようととりあえず声をかけた。
「図書室へ案内しますが……どうします?」
「うーむ、ここも気になるがある程度急ぎでは書き記した。やはり本題である其方へ急ごうか。時間も有限ではある。」
私は出入り口である扉の方へ案内しながら向かった。
「これでそこに、魔力を込めて刻印します。」
俺は授業を受けながら、ふぅとため息をついた。
先程、シアから連絡がきて教授である男性が向かう事になり、少し身体接触がする事になるけど気にしないでねときて一つペン先をパキンと折ってしまった。
代わりのペンを持っていて良かったが……
「え?あの金髪の人って王族なの!?すごーい、かっこいいって思っていたけど、絶対メインキャラでしょ!攻略しないと!」
「グライナーさん、授業中ですよ。無駄話なら休み時間にしなさい。減点します。」
「ちょっと先生!それはないですーー」
これだ。
シアが危惧していた女性が騒いでいる。
同じ選択科目になってしまったせいか、騒々しい。
はぁとため息をついて教科書を眺めながら、さっきグライナー自身が言っていた事を俺は嫌な予感が当たってしまった事に残念だ。
奴は転生者確定だろう。
設定集には載っていないキャラクター名なので、次作のキャラクターかもしれない。
またただの人かわからないが。
窓の外の空の曇天が見えて雲行きが怪しいなと考えながら、止まらないため息を吐いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
78
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる