愛が重いなんて聞いてない

音羽 藍

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薄氷上のダンス

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「私が倒すメリットは?聖地級って。難しいのよね?」

扇で顔を隠しながら、彼女は微笑んだ。私はそれに嫌な予感しかしないが聞くしか無い。

「あるわよ、殿下の弱体、もくしは強化につながるアイテムドロップ。」
「それって……もういらないぐらい強いのだけど……」
「だったら楽な方を選べば?」
「私はやり方を教えるだけで選ぶのは貴女よ。お助け女友達の1人だと思ってくれて良いわ。あははっ」

「攻略対象者が倒すと強化に繋がるアイテムを主人公は強制的に持たされるのよ。あとは読んで。」

その後ボス戦で持ち物が光り始めてそれがシアに繋がる物らしく、怒った殿下は強襲する。

第三者を巻き込み、排除する方だと殿下は貴族から在らぬ疑いを掛けられて、幽閉間近になるほど弱体とし、ボス戦。

なぜ弱体するかというと、そこでシアらしき人がユリウスが罪をかけられているのを知り、国外へ逃亡する。

「シア……1の主人公でていたの?」
「らしき人ってところがミソね……」
「うん……ユリウスに相談かしら。」
「あるのは他の人を使わず、難易度も高いけど、他に利点はあるのよ。難しくなるけど、狂血の方を抑えられるのが大きいわ。なにせ彼女は貴女に執着してる。野放しだと碌な事ないのよ。それが二週目以降のプレイヤーが害悪糞女と呼ばれて嫌われてるのだけど。」
「あー、顔を隠さないと違うとわかるから?」
「そうよ。困るのだけど、それに……貴女が殿下の番だから言うけれど怒らないでよ?まだ殺されたくないもの。」
「……なに?」

彼女は眉を顰めて、更に小声で扇で隠しながら言った。

「野放しと放置にすると、彼女は自身の派閥の力を使い、劇薬や酒などユリウスを堕とす方法を模索し始めるわ。嫌っている狂血とそんな事にはならないと怒っているから当分は良いのだけど、弱体ルートを選ぶと隙が生まれて……」
「はっ?」
「ほ、ほら、怒らないでって。寒いじゃないの」
「あら、私たら」

イェリンに指摘されて、ふと手元を見ると魔力が溢れていたらしく、無意識のうちに、怒りで魔力が溢れて、パキパキと近くにあった少し冷めていた紅茶は凍りついた様だ。

「その2人は……」
「してないわよ?ギリギリの所で怒り狂った殿下が街の端を壊したぐらいで済んだわ。でも一緒の部屋に密室で2人でいた事で噂になっていたの。助けたいでしょ?」
「それはそうね、番だから………ぁぁぁでもユリウスが許してくれるはずないっ」
「あー、あの囲い様はね。それに……貴女気がついてないの?ストーカーされてるって。」
「す、ストーカー?」
「………気がついてないのなら何も言わないわ。知らぬが仏かもしれないし。」
「気になるから!」

ざわざわと思い浮かべると色々彼に最近知られている事にびっくりしたり、あるぇ、話したっけ?となる事が多々あるにはある………

「言わないわ、殿下に睨まれたく無いし、今の状況下でも少し怒ってそうなのに……」
「……否定できないわ。」

私は腕輪もそのストーカーみたいな効果があるからと腕輪を見ながらこれか?と考えたが、今一つ違う様な違和感があった。

「どうしても知りたくなったら、そうね……殿下から私と私に関わる者に何もしないと了承とれたら教えてあげるわ。」
「……それは考えておくわ。」

これも抜け出している事は明白だろうし、私は紙を腕輪にしまった。

「今回は私の術で効果消しているから、内容は知られないとは思うけれど……」
「なんなのよ、一体……」

なにがストーカーしてるのだろうか?
ユリウスに聞いたら教えて……くれなさそうだ。
反対にもっと隠すかもしれない。

「護衛を呼んでも良いかしら?飲食する時は呼べと約束しているの。」
「良いわよ、それに私はそろそろお暇するわ。楽しかったわよ、元同郷と過ごせてね。出現させるフラグとかはわかる限りその紙に書いてあるわ。さっきも言っていた通りストーリーが大幅に変わっているから気をつけてね。」
「あ、お代は私が持つわ!情報料よ。」
「あら、ありがとう、伝えおくから。」

私は立ち上がると、魔法を彼女は消した。

「お待たせ、入ってきて構わないわ。」

ガチャリとリーンハルトが入ってきた事で、入れ替わりにイェリンは去っていった。


私は凍った茶器を脇に置いて、凍ってなさそうな小皿にスイーツを取り、フォークで食べ始めた。

「……お話しは終わりましたか?」
「えぇ、少し食べてから急いで戻るわ。」

飲みながら、彼から送られてきたメッセージを見る。

護衛は共にいるか?と心配そうなメッセージで一安心した。

私はリーンハルトの方へ見て、ムスッとした口元を見た後に、一緒にいると返した。








家に帰宅して、考えていた。
未だあの難問の事は考えているが、どうすべきか。

私のみでの戦闘はとても危ないし、後にユリウスにどうされるか………ぎゅっと下半身が疼く様にそれは身をもって理解しているから選びたく無い。

私は未だ答えが出てないそれに悩んだ。




「貴方は、ユリウスの為なら他の誰にも喋らない?」
「それは事の次第によるが……」

私は防音の魔法を掛けた応接室で、少し開けたドアの前に誰もいない事を確認して伝えた。

 
「うーん……だったら"私"がする事に目を瞑って欲しいわ。これも彼の為だから。」
「は?昨日襲撃されて今日出かけただろう?もう良いだろう。まだ出かけて、あいつに責められたいのか?」

アホか?

そう副音声が聞こえるぐらい彼に言われるとなんとも言えない表情になる。

だよねー

「まさか……キャロル令嬢自らあの襲撃の犯人を倒そうとしてないよな?」
「ち、違うわよ。」
「……はぁ、これだから俺を付けたのか。護衛が居なければ颯爽と行っていた訳か。」
「……後は貴方を信頼しているのもあるとは思うわよ?」
「………それは前を含めれば長い付き合いだからな。」



野放しにならないのなら良いのだけれど、相手は……高位貴族だ。


やはり内緒で出かけた方が良いかな。
彼も共犯になってしまったら……
申し訳ないし例え、正当防衛だとしても……

「馬鹿な決断をするなよ……貴女が消えたら、俺達はあいつから……」

リーンハルトは口元を震わせて、はぁ……とため息を吐いた。

「ただでさえ、こうして家に来て、接しているだけで、かなり……あるのだが、俺は友人としてまだ信頼されているから良いが、下の待機や警護してる者は戦々恐々なんだからな?」
「ぇ……」

私は時折声をかけようとした時に、ぶんぶんぶんと首を振られてしまい、話しかけられなかったりした事がある。

「あいつも少ししたら帰るだろう。それまで我慢してくれ、お願いだ。」

ぎぐっと私はまるで毒蛇が目の前にいる様に身体の動きを止めた。

「いつ頃帰るって聞いてる?」
「……聞いてないのか?」
「私が聞いたらもうすぐだとしか。」
「それは……知らせないと判断したのだろう。」
「なんでかしら?」

私は色々な事が蘇り、浅い呼吸になる。

……なんでだろう。
信頼していないの?

そんなに私は……

「それは知らない、本人に聞いてくれ。キャロル令嬢……落ち込むな。」
「本人ねぇ……」
「怒られるとわかってて行動をしようとするならば、相応の事は起きるだろう。今話した事は聞かれるまでは黙っておく。」
「ぅ……」

今行動を起こせば、彼は何事も無く助かるし、私も安全なのだが、彼等に迷惑かける。

だが、後になり、ユリウスや他に助けを求めれば、隙になる可能性はある。

だが彼女が語った通り、ゲームとは違うストーリーを歩んでいるので全く違うパターン可能性もあるよとの事で、悩んでいた。



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