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第一章 追放と仲間探し
43話「新たな事実と能力」
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モエギ=ヒョウカから白夜の一族についての情報を話してもらうことになると、一族の者のみが扱うことの出来る特殊な瞳についてへと話題は進んでいくのだが、そうなると前提として彼女の師匠のことを先に聞かないといけないらしく、一体それに何の因果関係があるのか分からないが、今はただ黙してその師匠とやらの話を聞くのみである。
「まず最初に私の師匠についてですが、あの人は――」
静かに頷いて反応を見せたあとモエギは師匠と呼ばれる人物の事を話し始めると、それには流石の頭領でも興味を惹かれているのか表情が真剣そのもので聞く体制を整えていた。
そして彼女の口から伝えられた師匠の話とやらを纏めると大体こんな感じである。
実はモエギがまだ幼い頃に戦う術を教えてくれた人物がおり、その人物こそが後に師匠と呼ばれる者で彼は例の瞳を使用して数多の敵を土に還していたらしい。
だが具体的な容姿や名前や年齢が彼女の口から語られることはなく、所在は一切不明の様子でただ幼い頃に助けられたという唯一無二の事実のみが残されているだけのようだ。
「そして瞳についてですが、師匠曰くそれは――」
師匠という前提の人物のことを大まかに話し終えるとモエギは矢継ぎ早に今度は俺のお目当ての話もである瞳のことについて語りだすが、ふと視線を頭領の方へと向けてみると彼女は師匠という謎の人物について何か思うことがあるのか険しい顔を僅かに見せていた。
しかし今は頭領にだけ意識を集中させる訳にもいかないとして、モエギの口から語られる瞳についての話にのみ意識を集中させることとした。
それから彼女の話を黙して聞いていくと瞳の能力についてや、瞳の開眼条件など瞳の正式名称というありとあらゆる知識を得ることができた。
まず瞳の名前についてだが正式名称を【羅刹の瞳】と呼ばれているらしく、現地でもこの名前がごく一般的に使われているらしいのだ。しかしモエギ曰く、この辺り一体では別名【デーモン・アイ】とも呼ばれていて、東の国とこちら側の国では若干呼び名が異なるようである。
それと羅刹の瞳とは鬼神の目という意味もあるらしく、白夜の一族は羅刹と呼ばれる鬼神の末裔らしいのだ。だけどその鬼神が具体的に何をしていたとか、そういうことについては一切分からないらしい。ただ判明しているのが一族は末裔ということのみ。
ちなみに瞳を開眼している時に目の中に浮かび上がる紋様は個々で違うとのことで、モエギの話によると恐らく紋様の違いで能力や強さが変動したりするとのこと。
そして瞳の能力は固定的なものかと俺は考えていたのだが、どうやら話を聞く限り個々に依存するようで瞳の数だけ多種多様な能力が存在するようだ。
だから前に酒場でドワーフの男が話していた事も、誰かの羅刹の瞳による能力の一つであろう。
そう考えることで全ての辻褄が合う……というよりも納得がいくのだ。
それから瞳には開眼条件なるものが存在するらしく、それを満たさないと羅刹の瞳は扱えないらしいのだ。
加えてその肝心な開眼条件というのは自身に耐え切れないほどの危機感が一瞬にして蓄積されることが前提となり、そうすると特殊な神経が瞳と繋がりそこから一族のみが有する魔力が流れ出して瞳の真ん中に紋様が浮かび上がり開眼するということだ。
だが一度でも何らかの事情で開眼してしまえば後は任意で開眼して自由に能力を使う事ができるらしいのだが、極稀に瞳に繋がれた神経が閉じてしまい任意開眼ができない場合もあるということだ。
まあその場合でも放置しおけば直に治るということで、その時にまた開眼すれば大丈夫らしく支障はあまりないらしい。つまり今の俺は神経が閉じている状態ということだ。だがこれも個人差や環境により変わるらしくて治るのに一年掛かる者もいれば十年掛かる者もいるらしいのだ。
「――ということです。少しはお力になれたでしょうか?」
全ての説明を終えた所でモエギが心配そうな表情を見せて尋ねてくる。
「ああ、少しどころか大いになれたよ。本当にありがとうな!」
この言葉に嘘偽りなんぞは一切無くて本心をありのまま伝えると、彼女は表情を晴れやかな笑みへと変えて力になれた事がよほど嬉しそうと見える。
そのあと俺はモエギから聞いた情報を今一度頭の中で整理すると、自分の能力はあの時アリスの動きを止めて同時に記憶の一部を失わせたということだろう。
とどのつまり対象の動きを止めるとが出来て尚且つ、記憶の一部を奪うことの出来る能力が俺の瞳に備わる力という考えで間違いないと思う。
しかし記憶を奪うことに関しては副産物の可能性が否めないこともある。
なんせ対象の動きを止めることは一見しても強いが、記憶の一部を喪失させるのは何とも微妙な気がするのだ。まあくまでも個人的な見解だがな。
「それでは私は鍛錬の続きがありますので、この辺りで失礼させて頂きます」
ちょうど考え事を終えたところでモエギが席を立つと、自然と頭領と俺の視線は彼女の元へと注がれた。
「ああ、急に呼んですまないな」
そして隣では頭領が呼び出したことについて謝罪の言葉を口にすると、モエギは途端に慌てた様子で両手を左右に振りながら困り顔を晒していた。
多分だが彼女という大きな存在に不意に謝られたことに動揺しているのだろう。
「貴重な話を沢山聞かせてくれて改めて感謝の言葉を。本当にありがとうな」
それから彼女が部屋を出て行く前に席を立つと、もう一度を感謝を伝えると共に握手を求めるようにして右手を前へと差し出した。
「いえいえ、こちらこそです。久しぶりに同族の方と話し合えて楽しかったです! これからの旅路も頑張ってくださいね!」
そう言いながらモエギは俺の手を両手で包み込むようにして握手を交わすと、この風貌を見て旅人と判断したのか今後の旅まで案じてくれて普通に惚れそうになる。
だが彼女は握手を交わして僅かに白い歯を見せたあと早々に手を離すと、そのまま歩みを進めて部屋の扉を開け放ち鍛錬の続きとやらを行う為に出て行くのであった。
「まず最初に私の師匠についてですが、あの人は――」
静かに頷いて反応を見せたあとモエギは師匠と呼ばれる人物の事を話し始めると、それには流石の頭領でも興味を惹かれているのか表情が真剣そのもので聞く体制を整えていた。
そして彼女の口から伝えられた師匠の話とやらを纏めると大体こんな感じである。
実はモエギがまだ幼い頃に戦う術を教えてくれた人物がおり、その人物こそが後に師匠と呼ばれる者で彼は例の瞳を使用して数多の敵を土に還していたらしい。
だが具体的な容姿や名前や年齢が彼女の口から語られることはなく、所在は一切不明の様子でただ幼い頃に助けられたという唯一無二の事実のみが残されているだけのようだ。
「そして瞳についてですが、師匠曰くそれは――」
師匠という前提の人物のことを大まかに話し終えるとモエギは矢継ぎ早に今度は俺のお目当ての話もである瞳のことについて語りだすが、ふと視線を頭領の方へと向けてみると彼女は師匠という謎の人物について何か思うことがあるのか険しい顔を僅かに見せていた。
しかし今は頭領にだけ意識を集中させる訳にもいかないとして、モエギの口から語られる瞳についての話にのみ意識を集中させることとした。
それから彼女の話を黙して聞いていくと瞳の能力についてや、瞳の開眼条件など瞳の正式名称というありとあらゆる知識を得ることができた。
まず瞳の名前についてだが正式名称を【羅刹の瞳】と呼ばれているらしく、現地でもこの名前がごく一般的に使われているらしいのだ。しかしモエギ曰く、この辺り一体では別名【デーモン・アイ】とも呼ばれていて、東の国とこちら側の国では若干呼び名が異なるようである。
それと羅刹の瞳とは鬼神の目という意味もあるらしく、白夜の一族は羅刹と呼ばれる鬼神の末裔らしいのだ。だけどその鬼神が具体的に何をしていたとか、そういうことについては一切分からないらしい。ただ判明しているのが一族は末裔ということのみ。
ちなみに瞳を開眼している時に目の中に浮かび上がる紋様は個々で違うとのことで、モエギの話によると恐らく紋様の違いで能力や強さが変動したりするとのこと。
そして瞳の能力は固定的なものかと俺は考えていたのだが、どうやら話を聞く限り個々に依存するようで瞳の数だけ多種多様な能力が存在するようだ。
だから前に酒場でドワーフの男が話していた事も、誰かの羅刹の瞳による能力の一つであろう。
そう考えることで全ての辻褄が合う……というよりも納得がいくのだ。
それから瞳には開眼条件なるものが存在するらしく、それを満たさないと羅刹の瞳は扱えないらしいのだ。
加えてその肝心な開眼条件というのは自身に耐え切れないほどの危機感が一瞬にして蓄積されることが前提となり、そうすると特殊な神経が瞳と繋がりそこから一族のみが有する魔力が流れ出して瞳の真ん中に紋様が浮かび上がり開眼するということだ。
だが一度でも何らかの事情で開眼してしまえば後は任意で開眼して自由に能力を使う事ができるらしいのだが、極稀に瞳に繋がれた神経が閉じてしまい任意開眼ができない場合もあるということだ。
まあその場合でも放置しおけば直に治るということで、その時にまた開眼すれば大丈夫らしく支障はあまりないらしい。つまり今の俺は神経が閉じている状態ということだ。だがこれも個人差や環境により変わるらしくて治るのに一年掛かる者もいれば十年掛かる者もいるらしいのだ。
「――ということです。少しはお力になれたでしょうか?」
全ての説明を終えた所でモエギが心配そうな表情を見せて尋ねてくる。
「ああ、少しどころか大いになれたよ。本当にありがとうな!」
この言葉に嘘偽りなんぞは一切無くて本心をありのまま伝えると、彼女は表情を晴れやかな笑みへと変えて力になれた事がよほど嬉しそうと見える。
そのあと俺はモエギから聞いた情報を今一度頭の中で整理すると、自分の能力はあの時アリスの動きを止めて同時に記憶の一部を失わせたということだろう。
とどのつまり対象の動きを止めるとが出来て尚且つ、記憶の一部を奪うことの出来る能力が俺の瞳に備わる力という考えで間違いないと思う。
しかし記憶を奪うことに関しては副産物の可能性が否めないこともある。
なんせ対象の動きを止めることは一見しても強いが、記憶の一部を喪失させるのは何とも微妙な気がするのだ。まあくまでも個人的な見解だがな。
「それでは私は鍛錬の続きがありますので、この辺りで失礼させて頂きます」
ちょうど考え事を終えたところでモエギが席を立つと、自然と頭領と俺の視線は彼女の元へと注がれた。
「ああ、急に呼んですまないな」
そして隣では頭領が呼び出したことについて謝罪の言葉を口にすると、モエギは途端に慌てた様子で両手を左右に振りながら困り顔を晒していた。
多分だが彼女という大きな存在に不意に謝られたことに動揺しているのだろう。
「貴重な話を沢山聞かせてくれて改めて感謝の言葉を。本当にありがとうな」
それから彼女が部屋を出て行く前に席を立つと、もう一度を感謝を伝えると共に握手を求めるようにして右手を前へと差し出した。
「いえいえ、こちらこそです。久しぶりに同族の方と話し合えて楽しかったです! これからの旅路も頑張ってくださいね!」
そう言いながらモエギは俺の手を両手で包み込むようにして握手を交わすと、この風貌を見て旅人と判断したのか今後の旅まで案じてくれて普通に惚れそうになる。
だが彼女は握手を交わして僅かに白い歯を見せたあと早々に手を離すと、そのまま歩みを進めて部屋の扉を開け放ち鍛錬の続きとやらを行う為に出て行くのであった。
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