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第一章 追放と仲間探し
44話「次なる目的地はエルフの森」
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モエギから瞳などについての有益な情報の数々が得られると、この情報が得られただけでもこちら側としては儲け者なのだが、それでもまだ本来の目的とも言える情報を得ていないというのも事実である。
そう、それはずばり頭領から魔王すらも簡単に切り伏せることが出来る伝説の聖剣についての話をまだ聞いていないのだ。それに彼女は傭兵達を楽しませたら情報を与えると口にしていて、それは結果としてクラークとの決闘となり無事に俺が勝利を収めた訳である。
ならば当然その伝説の聖剣についての情報は話されるべきものであり、いつ頭領がその話題をし始めるのかと俺としては心が落ち着かない感覚に囚われていて仕方がない。
「さて、お望みの情報をそろそろ話してあげようかね」
足を組みながら静かに視線を向けてくると口角を僅かに上げたあと頭領は口を開くが、まるでこちらの感情が全て的確に読まれているような奇妙な感覚すら受ける。
だがその話はなんとしてでも聞かねばならないことであるのだ。
「お、お願いしますっ!」
頭を深々と下げて興奮で揺れる心を抑えつつ伝説の剣についての情報を聞く体制を整える。
「ははっ、まあそんな肩に力をいれなくとも大丈夫だ。気楽に聞いてくれ。……えーっと、そうだな。あれは私がとある仕事の依頼を受けた際に噂で聞いた話なんだが――――」
軽く笑みを見せながら彼女は情報についての話を始めると、徐に右手を自らの顎に当てながら記憶を思い起こすような仕草を見せていて、それはどうやら古い記憶だということを印象強く与えてくる。
しかし頭領の話は所々で綻びが生じるようなものではなく、意外と芯というか軸が安定していて信憑性というものは普通に感じられる話であった。そして彼女から聞かされた話を俺なりに纏めるとこういう感じとなる。
まず魔王すら切り伏せることのできるという異名を持つ伝説の聖剣は今現在エルフの森と呼ばれている場所に保管されているとのことで、その剣の特徴としてはこの世の物とは思えないほどに美しい見た目をしているらしく、しかも片手で扱えるほどの大きさであり尚且つ魔物に対して絶対なる特攻スキルなるものが付与されているとのことだ。
その魔物に対する特攻スキルが一体なんなのかは分からないが、片手で扱える大きさの剣というのは正直に言うと最高である。何故なら片手剣であるならば二刀流として扱う際に何ら支障は発生しないからだ。
つまりこれはこれで嬉しい情報とも言える。仮に伝説の剣が大剣とかであれば俺に扱うことは出来ず、そのまま悔しい思いをしてただ情報を得ただけで終わるところであるからな。
だがそう考えると二刀流縛りというこのチート能力は意外と難儀なものなのかも知れない。
しかし頭領は話の途中で気になることも幾つか口にしていて、多分だがもう数週間もすればエルフ達は発情期に突入するかも知れないとのことで、そんな状況でエルフの森へと足を踏み入れると人間の男性はありとあらゆるものを搾り取られて、枯れ木のように死ぬことは確定事項であるらしいのだ。
けれど人間の女性がエルフの森に入り込んだとしても特に襲われる心配はなく、何故か発情期に入ると男のエルフ達は皆一様に森から避難して、女性達が落ち着くまでは決して森に戻ることはないらしいのだ。
それとここまで言えば分かると思うが発情期に入るのは女性のエルフだけであるということ。
なぜ男性のエルフ達が同一の時期に発情期に入らないのかは分からないが、そういうものであるということがこの世界の一般的な常識らしい。
まあでもそんな事はこの異世界に来て初めて聞いたことだけどな。
だけどこれはエルフ好きからしてみれば一種の天国なのではないだろうか。
エルフの女性ということは見た目が美しい者たちばかりであり、恐らく妖艶な雰囲気を放つ者から幼児体型の者まで多く居ることだろう。これが偏見というのであればそれまでだがな。
それと一応言うが俺は別にエルフ推しとかではないので安心してくれ。寧ろ発情期の話を聞いた時点で体の芯が恐怖で凍土のように冷えたぐらいなのだが、決してエルフ自体が嫌いとかそういう訳でもなくただ普通という感じだ。
「――――とまあこれぐらいだな。私が聞いた伝説の剣の情報については」
話の大半をエルフの発情期について割いていた気がするが、それでも頭領は約束通りに剣についての話を聞かせてくれると、それは俺からしてみれば漸く魔王戦へと一歩前進できたことであり、本当に感謝の念が尽きることはない。
「ありがとうございます! これで魔王との戦いに少しだけ近づけた気がします!」
再び頭を深々と下げて全身から溢れ出る感謝を伝えようとする。
「ふっ、感謝の言葉は不要だ。これはただの礼だからな」
すると頭領は微笑みながら返すと、これで傭兵案内所でやるべきことは一通り終えたとして後は早速エルフの森とやらに向けて出発するのみである。
「ではそろそろ俺は行きます。伝説の剣の話を聞いてから体の疼きが収まらないので」
椅子から腰を上げて立ち上がると彼女に別れを伝えて部屋を出ようと足を進ませるのだが――
「ああ、待ってくれ」
そう呼び止める声が背後から聞こえてくると自然と足が止まる。
「はい?」
なにか伝え忘れでもあるのだろうかと振り向きざまに返事をするのだが、見れば頭領は妙な笑みを浮かべてこちらを見ていて視線が合うと同時に背筋が震えた。
何故なら彼女のその表情はクラークと俺を決闘させると言い出した時と同じものであり、これはまた何かよからぬことを言われるのではと本能が訴えかけてきて仕方がない。
だがここで頭領の呼び止めを無視して強引に立ち去る勇気は無論なく、ただ彼女が次に発する言葉を変な緊張感を抱きつつ手のひらを汗で滲ませて待つことしかできないのである。
そう、それはずばり頭領から魔王すらも簡単に切り伏せることが出来る伝説の聖剣についての話をまだ聞いていないのだ。それに彼女は傭兵達を楽しませたら情報を与えると口にしていて、それは結果としてクラークとの決闘となり無事に俺が勝利を収めた訳である。
ならば当然その伝説の聖剣についての情報は話されるべきものであり、いつ頭領がその話題をし始めるのかと俺としては心が落ち着かない感覚に囚われていて仕方がない。
「さて、お望みの情報をそろそろ話してあげようかね」
足を組みながら静かに視線を向けてくると口角を僅かに上げたあと頭領は口を開くが、まるでこちらの感情が全て的確に読まれているような奇妙な感覚すら受ける。
だがその話はなんとしてでも聞かねばならないことであるのだ。
「お、お願いしますっ!」
頭を深々と下げて興奮で揺れる心を抑えつつ伝説の剣についての情報を聞く体制を整える。
「ははっ、まあそんな肩に力をいれなくとも大丈夫だ。気楽に聞いてくれ。……えーっと、そうだな。あれは私がとある仕事の依頼を受けた際に噂で聞いた話なんだが――――」
軽く笑みを見せながら彼女は情報についての話を始めると、徐に右手を自らの顎に当てながら記憶を思い起こすような仕草を見せていて、それはどうやら古い記憶だということを印象強く与えてくる。
しかし頭領の話は所々で綻びが生じるようなものではなく、意外と芯というか軸が安定していて信憑性というものは普通に感じられる話であった。そして彼女から聞かされた話を俺なりに纏めるとこういう感じとなる。
まず魔王すら切り伏せることのできるという異名を持つ伝説の聖剣は今現在エルフの森と呼ばれている場所に保管されているとのことで、その剣の特徴としてはこの世の物とは思えないほどに美しい見た目をしているらしく、しかも片手で扱えるほどの大きさであり尚且つ魔物に対して絶対なる特攻スキルなるものが付与されているとのことだ。
その魔物に対する特攻スキルが一体なんなのかは分からないが、片手で扱える大きさの剣というのは正直に言うと最高である。何故なら片手剣であるならば二刀流として扱う際に何ら支障は発生しないからだ。
つまりこれはこれで嬉しい情報とも言える。仮に伝説の剣が大剣とかであれば俺に扱うことは出来ず、そのまま悔しい思いをしてただ情報を得ただけで終わるところであるからな。
だがそう考えると二刀流縛りというこのチート能力は意外と難儀なものなのかも知れない。
しかし頭領は話の途中で気になることも幾つか口にしていて、多分だがもう数週間もすればエルフ達は発情期に突入するかも知れないとのことで、そんな状況でエルフの森へと足を踏み入れると人間の男性はありとあらゆるものを搾り取られて、枯れ木のように死ぬことは確定事項であるらしいのだ。
けれど人間の女性がエルフの森に入り込んだとしても特に襲われる心配はなく、何故か発情期に入ると男のエルフ達は皆一様に森から避難して、女性達が落ち着くまでは決して森に戻ることはないらしいのだ。
それとここまで言えば分かると思うが発情期に入るのは女性のエルフだけであるということ。
なぜ男性のエルフ達が同一の時期に発情期に入らないのかは分からないが、そういうものであるということがこの世界の一般的な常識らしい。
まあでもそんな事はこの異世界に来て初めて聞いたことだけどな。
だけどこれはエルフ好きからしてみれば一種の天国なのではないだろうか。
エルフの女性ということは見た目が美しい者たちばかりであり、恐らく妖艶な雰囲気を放つ者から幼児体型の者まで多く居ることだろう。これが偏見というのであればそれまでだがな。
それと一応言うが俺は別にエルフ推しとかではないので安心してくれ。寧ろ発情期の話を聞いた時点で体の芯が恐怖で凍土のように冷えたぐらいなのだが、決してエルフ自体が嫌いとかそういう訳でもなくただ普通という感じだ。
「――――とまあこれぐらいだな。私が聞いた伝説の剣の情報については」
話の大半をエルフの発情期について割いていた気がするが、それでも頭領は約束通りに剣についての話を聞かせてくれると、それは俺からしてみれば漸く魔王戦へと一歩前進できたことであり、本当に感謝の念が尽きることはない。
「ありがとうございます! これで魔王との戦いに少しだけ近づけた気がします!」
再び頭を深々と下げて全身から溢れ出る感謝を伝えようとする。
「ふっ、感謝の言葉は不要だ。これはただの礼だからな」
すると頭領は微笑みながら返すと、これで傭兵案内所でやるべきことは一通り終えたとして後は早速エルフの森とやらに向けて出発するのみである。
「ではそろそろ俺は行きます。伝説の剣の話を聞いてから体の疼きが収まらないので」
椅子から腰を上げて立ち上がると彼女に別れを伝えて部屋を出ようと足を進ませるのだが――
「ああ、待ってくれ」
そう呼び止める声が背後から聞こえてくると自然と足が止まる。
「はい?」
なにか伝え忘れでもあるのだろうかと振り向きざまに返事をするのだが、見れば頭領は妙な笑みを浮かべてこちらを見ていて視線が合うと同時に背筋が震えた。
何故なら彼女のその表情はクラークと俺を決闘させると言い出した時と同じものであり、これはまた何かよからぬことを言われるのではと本能が訴えかけてきて仕方がない。
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